《【銃】の暗殺者》七兇

娼館『華の園』を出てすぐに俺達は裏路地にった。

「シェリー、気づいてるな?」

コク

娼館を出てからすぐに俺達の跡をつけている連中がいるのに気づいていた。おそらく三姫の護衛をしてた奴らだろう。ただの尾行なら無視するんだが明らかに殺気を向けてきてるし、どこかで襲ってくる筈だ。

「シェリー、今までの奴らより手練れだ。全力で行く。目撃者の口封じもしなくていい」

コク

これまで俺の銃とシェリーの影魔法は出來るだけ隠しておくために目撃者も始末していた。だが今回の7人はそんな余裕はなさそうだ。結構強そうなじだ。

俺は【気配探知】に意識を集中する。

【気配探知】には2種類ある。1つは広く薄くだ。広範囲を探知できるが、生きがいる程度にしかわからない。森にいる時は重寶する。

2つ目は狹く濃くだ。探知範囲は狹いが対象の詳細がわかる。

「剣士2人、魔法使い2人、神1人、斥候1人、それに俺たちの同業の暗殺者が1人だ。

初手で神と魔法使いを殺す。シェリーは撹しろ」

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コク

今はちょうど晝ごろ。ここでやるには1番いい時間帯だ。歓楽街は夜は1番賑わっているし、朝も朝帰りの奴を見送る娼婦で溢れている。晝に眠る奴が多い。そのため人通りはほとんどない。

さらに俺の銃も明るい方が照準をつけやすいし、シェリーの影魔法も影の濃い晝の方が力を発揮しやすい。

「ベレッタ  M92」

俺は両手に銃を召喚する。近・中距離戦闘では用している銃だ。

「シェリー、行くぞ、、、3、2、1、行け!」

シェリーは反転し、敵の前衛に向かって走り出す。俺は後衛に向かってフルバースト。

ババババババババババッ

は倒れたが魔法使いは無事みたいだ。防をつけてる様子はないが、、、、魔道か。

魔道にはローブのもあり、その能は多岐にわたるが布でありながら鉄の鎧並みの防力を持つものもある。おそらくそれだろう。

他の奴らも軽裝だったから油斷していたが魔道の防をつけているのなら侮れない。短期決戦だな。

「くっ!」

戦力分析をしていると暗殺者が背後から短刀を振り下ろしてきた。俺はそれを防ぎながら次の銃を召喚する。弾倉を召喚して換するより、弾の裝填された銃を召喚した方が早い。

パンッ

「ふぐっ」

太ももを撃ち抜き機力を奪う。

「小娘が!」

突っ込んで行くシェリーに剣士の1人が上段から剣を振るう。シェリーは剣の間合いにっても速度を緩めずそのまま懐に潛り込み、剣に合わせてまたのあいだにり込む。そこで剣士の影に沈み込んだ。

あっちは大丈夫そうだな。

俺は俺で両手にナイフを持った斥候とガン=カタでやりあう。そこそこの手練れではあるが狼ほど素早くないし、猿ほどトリッキーでもない。それに暗殺者と2人でかかってくるが普段は組んでいないんだろう。連攜がなっていないし、それどころかお互いに攻め手を邪魔している。

これだったらそれぞれで戦った方が強いだろう。

パンッ

もしかしたら服が魔道かもしれないので額に銃口をつけてゼロ距離で撃って斥候を殺した。

パンッ

斥候がやられた時點で逃げようとしていた暗殺者を後ろから撃つ。それで倒れたが念のためにさらに撃ち込んでおく。

「があ!」

シェリーの方を確認すると剣士が1人首を切られて蟲の息で、もう1人と戦闘中らしい、、む!

「シェリー!」

俺はシェリーに向かって全速力で走り、そのまま飛びつく。

「俺ごとやれ!」

シェリーとやり合っていた剣士が背後を振り返りながらぶ。俺が殺し損ねた魔法使いが魔法を完させていたのだ。直徑5メートルはあるひのたまが2つ浮かんでいた。

シェリーは俺の合図を瞬時に確認して俺の手を摑み、剣士の男の影に潛り込む。シェリーのれ合っている間は俺も影に潛ることができるのだ。

だが無制限にではない。シェリーはいくらでも潛っていられるが俺は影の中にいる間、息ができないし、地上の様子がわからない。普段なら1分くらいは大丈夫だが、戦闘中の荒れた呼吸なら30秒くらいしか保たない。

飛び出すタイミングは完全にシェリー任せだ。

そして飛び出すと同時に周囲を確認すると火の玉はなくなっており、地面がし焦げていた。剣士の男も重度の火傷で戦闘不能だろう。

俺とシェリーはそれを確認した瞬間、魔法使いに突撃する。後衛相手に距離を取っているのは危険だ。

「なっ!?どうやって躱しやがった!」

魔法使いがそうんだのを無視してシェリーが首を刈った。短距離の瞬発力は俺よりもシェリーの方が速いためこういう時はシェリーの方が先に接敵する。

パパンッ

もう1人の方が慌てて詠唱していたのを牽制する。魔道らしい服で弾が弾かれるが衝撃自けるらしく、詠唱が中斷される。その隙を見逃すシェリーではない。

「ふう。終わったか」

コク

「後始末を頼む。サッサと撤収しよう」

コク

シェリーに死を7つ影に飲み込ませてその場を後にする。【気配探知】で探るが運良く目撃者はいなかったみたいだ。

俺は近接戦の間に多手傷を負ったし、シェリーも軽傷だけど怪我をしている。今回の反省點は最初に油斷した事だな。魔道のことを忘れていて魔法使いを殺せなかったことで揺した。アレが神にもあったら危なかったかもしれない。

「これから面倒ごとが起こるかもな」

俺たちが殺したのは三姫の護衛だ。この王都で三姫と敵対するのはかなりマズイ。最悪王都を出ることになるかもしれん。

ーーーーside三姫ーーーー

「なんやて?全滅?」

ウチらはルシアの報告を聞いて驚いた。あの子らを襲ったんは七兇言われとる連中や。冒険者やったり、闇ギルド員やったり、教會の司祭やったりするんやけど揃って腕のええのばっかりやったはずや。

「あのの被害はどうなんじゃ?」

「2人とも軽傷だ。大した怪我はしていない」

「か〜!とんでもないやっちゃな!そないなが一どこに隠れとったんやろ」

こないなってくるとホンマにあの子の出自が気になってきよるな。

「ウチは気にったで!誠心誠意謝って協力してもらおか」

「嫌じゃ!妾は悪い事はしとらん!謝りとぅない!」

「ん〜、ボクは謝ろうかな。あの子の言う通りちょっと見下してたからね。お願いする立場なのにそれは失禮だよ」

メフィはムクれとるけどウチは個人的にあの子は気にったわ。最近は初対面でもみんな好意的やからな、久しぶりにアピールしに行こかな。

顔もタイプやったし。

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