《【銃】の暗殺者》建設依頼

「ってわけで家を建てる依頼を出したい」

俺はシェリーを連れ立って闇ギルドに來ていた。來てから気がついたが別にルシアに直接頼まなくてもいい。闇ギルドに依頼を出せばいいんだから。ってわけでいつも通り俺たちを対応しているミーシャに依頼を頼んだ。

「うにゃ〜、ギルドメンバーに建築家はいないにゃ。ギルドが信用できる人を仲介することは出來るにゃ」

「じゃあそれで頼む」

「仲介料金貨10枚掛かるにゃ〜」

「わかった」

俺は即金で金貨10枚払う。

「じゃあちょっと待ってるにゃ〜」

そう言ってミーシャは奧に引っ込んだ。ただの仲介に金貨10枚は高いと思うかもしれないが闇ギルドでの依頼は基本的に口止め料も含まれているのでかなり高い。その分報酬も高くなっている。危険を冒すには相応の対価を払わないといけないという事だ。

「待たせたにゃ〜!付いてくるにゃ!」

數分で戻ってきたミーシャは娼婦らしい服裝から町娘風の服裝に変わっていた。どうやら出かけるのに著替えてきたらしい。

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ドンドンドン

「ウニャ〜〜!いるかにゃ!?」

俺たちは1時間ほど街を歩いて1つの木造住宅の前に來ていた。1時間も歩いたのは俺とシェリーに場所がバレないようにするためか遠回りしたり、脇道を通ったりしながら進んだからだ。まぁ俺は道を完全に覚えたが。似たような木しかない森で暮らしていれば道を覚えるなんて簡単になる。

「喧しい!なんじゃい!!」

ミーシャが扉をドンドン叩いていると中からドワーフが出てきて怒鳴った。

「あ、ダンテのお爺!お客にゃ〜」

「あん?お前か、相変わらず騒がしいやつじゃ。客なら中にれ」

ドワーフとミーシャの後に続いて家の中にる。家の中も普通だった。作業場は別のところにあるらしい。

「それで?依頼はなんじゃ」

お茶を出す様子もなく腕を組んで座るとそう聞いてきた。まぁ、ゆっくりするつもりもないし、きっちり仕事をしてくれればそれでいいんだが。

「家を建てたい」

「じゃろうな。わしは建築家じゃ。ここにくるやつは訳ありばかりじゃがのぉ」

そう言いながらごそごそと棚を漁って紙とペンを出してくる。

「土地は確保してあるのか ?」

「まだだ。土地の売買もしてるのか?」

「しとるぞ。どれくらいの家がしい?」

「2階建て、庭付き。だが使用人を雇うつもりはないから建はそれほど大きくなくていい」

「ふむ、それならこの辺りかの」

引っ張り出してきた王都全域の地図を見ながら話し合う。

関係ない事だがこの世界の地図はかなり大雑把だ。測量方法が伊藤忠敬ではしょうがないか。他國から攻め込まれた時のためにな地図は作ってはいけないという理由もあるらしいが。

「んー、ここだと周辺は貴族の屋敷だろう。それは困る」

「じゃが庭付きの家となると東側にないと不自然じゃ。土地が々割高になるが東側で中央寄りの位置を確保できなくもない」

「ならそこにしてくれ。金は問題ない」

「ほう、ならここはどうじゃ」

「ん、そこで頼む。下見は後で自分で行く」

決まったのは東區の北寄りで中央寄りの場所だ。大通りからは外れているがその周辺は家が並んでいた覚えがあるので靜かでいいだろう。シェリーは何処でもいいとのことだった。

「んじゃあ、家の注文を聞こうかのう」

「デカイ風呂は必要だ」

「風呂、、、まぁ、問題ないだろう。貴族では注文があるからな」

「後は地下室がいる。研究室用と食料庫だ」

「ふむ」

この世界では魔道で冷蔵庫のようなものがあるが燃料となる魔石の消費が激しいし、あまり大きくない。だから貴族とかは地下に食糧庫を作るんだそうだ。地下の方が涼しいから食料が長持ちする。

「後は、んー特にないな」

「壁の裝飾はどうする?」

「1番メジャーなものでいい」

「うむ。、、他は一般的なものでいいんじゃな?」

「ああ。あ、家の周りはどうなってる?近所から丸見えか?」

「生垣をつくっておくわい。庭はどうする?わしは建築家じゃ。庭師ではないからの」

「自分でやるから庭には手を加えなくていい」

家庭菜園をやってもいいかもしれない。別に急ぐこともないからゆっくり考えるか。

「そうじゃのう。白金貨25枚、口止め料合わせて白金貨28枚じゃな」

「おう」

ジャラジャラ

俺は即金で払った。こういう仕事は基本的に前金らしい。仕事を終えてから金は払えないじゃあ話にならないからだ。

「終わったかにゃ〜?」

俺とドワーフ建築家ダンテが話し始めるとフラフラと何処かに行っていたミーシャがタイミングよく戻ってきた。多分、ミーシャの仕事は仲介だけだから依頼容を聞かないように配慮してくれたんだろう。

子供のようだが闇ギルドの職員だからな。

注文を終えた俺はシェリーと一緒に街をフラフラしながら家に帰る。家の完予定は2週間後だそうだ。流石に早すぎじゃないかと思ったが材木の加工などを魔法で行うためそれくらいで終わるんだそうだ。

因みに耐震もバッチリだそうだ。この辺りに地震はないみたいだけど大型の魔とかは30メートル級のやつもいるので移だけで地響きが凄いらしい。

日本と違って面倒なのは上下水道が整備されていないことだ。王都での水の確保は金持ちなら魔石を使った魔道で、一般人なら井戸から汲んでくる。井戸にはちゃんとポンプが付いているが。

とにかくこれで家は確保した。後は闇ギルドで白金貨を金貨に両替してから家などを調達しておくか。

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