《【銃】の暗殺者》頼みごと

奴隷探しを始めて早3日、果はさっぱりだった。犯罪奴隷で使える人材、極めて難しい條件だったらしい。

これは自分達で家事を覚えたほうが早いかなぁと思っていた時、來客があった。

「らっしゃい」

「らっしゃい」

表の薬屋のカウンターで窓からってくる日差しでシェリーとともに日向ぼっこをしながらウトウトしていた。

俺の適當な挨拶をシェリーも真似する。

ってきたのは狐人族の、年齢はおそらく20代後半だが人族じゃないと見た目があてにならないことが多い。尾の數は1本だった。俺が知っている狐人族は三姫のカエデだけだ。

服裝は町娘風なのに髪や尾の並みがいい。服裝とチグハグなじがする。

「何をお求めかな、お客さん」

「私はカエデ様の使いとしてやって參りました。ジョン・スミス様で間違いありませんね?」

「ああ」

「我が主様が貴方を用があるとのことでお越しいただきたいとのことです」

「ふむ。三姫の使いがずいぶん腰が低いな」

「カエデ様からはお客様としてお連れするように申しつかっております」

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正直面倒ごとの予しかしない。前回あった時は宰相の暗殺依頼をされた時だ。金には困ってないので依頼をける必要はない。

だが三姫のいを斷ってやっかみをける必要はないか。

「わかった、準備する。シェリー、出かけるぞ」

「はぁ〜い」

「呼びつけてごめんなぁ。まぁ、座ってぇなぁ」

俺達は娼館『華の園』の最上階の一室に通された。ここはカエデの私室のようで畳が敷かれており、扉も障子になっている。この世界に畳があったのか。家の建設って途中変更できるんだろうか?一部屋和室にしたいんだが。

「ああ。何の用だ?」

してくれた狐人族も下がっていてこの部屋には俺とシェリーとカエデしかいないので言葉遣いを気にする必要はない。

「せっかちやなぁ。まぁええか。今日はあんさんらに頼みがあってん」

「頼み?仕事の依頼じゃなくてか」

「仕事ちゃう、個人的な頼みやねん」

めんどくさいな。話だけ聞いて斷るか。

容による」

「せやな。あんさんらに昨日、一昨日とその前と奴隷探しとったやろ」

「ああ」

奴隷市場はここから遠いし、この王都で三姫の知らないことなんてないんだろう。

「でもあんさんらが求める條件に合っとる奴は中々おらへん。で、それに合わせての頼みやねん。

、、、、ほれ、って來ぃ!!」

カエデは自分の後ろに向かって聲をかけた。

カエデの後ろの障子が開いて1人のってきた。種族はカエデと同じ狐人族。尾數は3本。そして髪、尾のが白だ。

「この子はユキっちゅうんや。ほれ、挨拶しぃ」

「ユキと言います。よろしくお願いします」

ペコリと頭を下げて來る。年の頃は20歳くらいだがシェリーは30歳を超えているのに見た目が俺と変わらないところを見ると見た目はあてにならない。

「で、そいつがなんだ?」

俺がそう聞くとカエデとユキがポカンとした顔をした。

「あんさん、もしかして白の獣人を知らんのかいな」

「白の獣人?」

俺が聞き返すとカエデは額に手を當てて空を仰いだ。その様子を見て俺が何か常識的なことを知らないのだろうと推測してシェリーに聞く。

「シェリー、知ってるか?」

「前に聞いたことあるよ!白の獣人はミコって言うんだって!」

「ミコ?、、、、巫か?」

「うん。でもあの人おかしいよ。首つけてないもん。ミコは教會に首をつけられて飼われるって聞いたよ」

「ほう」

で首で教會か、、、

「話が見えてきたぞ?巫ってのは神事を司るやつだ。そんで神事って言ったら真っ先に教會が思い浮かぶ。テリトリーが被ってるわけだ。

だがそれなら教會は巫を殺そうとするだろう。それを殺さずに首をつける、つまり奴隷にするってことは生かす理由があるわけだ。

、、、、白の獣人ってのは『回復魔法』が使えるな?」

「くくくっ!ご明察や!」

回復魔法は教會の専売特許だ。冒険者にも回復魔法を使える奴がいるがそいつも必ず教會に所屬している。教會が國を問わず一定の権力を持っている理由がこの『回復魔法』だ。

「そこで俺達が出て來るわけだ。そいつを教會から匿えってか」

「その通りや!」

「いやだ。斷る。メリットはないし、デメリットがデカすぎる。宗教に関わるとろくなことがねえ!」

俺は即答で斷る。

「まぁ、話を聞いてぇな。ほれ、ユキ、アンタはアレ使ぃ」

「はい」

ユキがネックレスについていた寶石を握り込んで目を閉じる。すると淡くり出して一瞬でが茶になった。

「この通りをごまかす方法はあんねん。ほんでこの子は匿ってくれるんなら奴隷の立場でもええって言っとるで」

「ふん。ならお前が匿ってやればいいだろう」

「あー、ウチは娼館やろ?ウチが面倒を見るんなら娼婦にせなあかん。特別扱いはあかんからなぁ。この子は知り合いから頼まれてん、娼婦にはしたないんや」

「知らん。娼婦にはならなくても奴隷になったら大した違いわないだろ」

俺はにべもなく斷る。

「ん〜ほんならメリットを提示しよか。

あんさんは教會は嫌いなんやろ?怪我した時に回復魔法があるかないかはかなり違うと思うで?」

「ふむ」

「それにこの子は薬の調合もできんねん。あんさんとこの薬屋を任せたらええ」

「ほう」

「この子は家事全般できるで?普段はメイドとして扱ったらええんとちゃうか」

確かに十分なメリットではある。白いを隠せるならばデメリットも隠せる。

「お前、ユキって言ったな。お前は初めてあった人間を信用するのか?」

「はい。貴方を紹介してくださったのはカエデ様ですから」

「ほう。アンタは隨分信用されてるんだな」

「そらウチは狐人族の頂點、九尾やさかいな」

「ふん。まぁ、いいか。シェリーはどうだ?」

「お父さんがいいって言うならいいよ」

「じゃあ決まりだ。奴隷契約はしてもらうがな」

こうしてユキが新しく仲間になった。犯罪奴隷と同等の奴隷契約を結び、その代わりに有事の際はユキを守ることとなった。

まぁ、三姫に貸しを作れたってのが1番大きかったな。

「あ、そういえば俺達の仕事は知ってるのか?」

「はい。ジョン様とシェリー様は表向きは薬屋で、本職は闇ギルドの構員だと聞いております」

「ん、知ってるならいい。今は店で寢泊まりしてるが後1週間ちょっとで家が完するからな」

「はい」

「じゃあこれからよろしく」

「よろしく〜!」

「はい。よろしくお願いします」

獣人の巫を匿えば後々厄介ごとを持って來るのはわかっているが、その時は暗殺でもすればいいだろう。

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