《神々に育てられた人の子は最強です》エルフの里
しい。
ただその一言に盡きる景だ。
『神界』には劣るものの、ここまでしい景は地上では中々見られないものだろう。
靜かで大きな湖、食材を育てながら會話するエルフの男、山には涼しい風が吹き、木々たちの間を通り抜け葉が揺れるメロディーを奏でている。
この景を見てハクもルナも俺も呆然としている。
「やったー、帰ってこれた。これもあなたのおかげね、シンヤ」
ルティーが何か言っている。だが俺は反応ができない。それほどまでにしい景なのだ。
「シンヤ、シンヤ!」
ルティーは反応のない俺の肩を摑み前後に揺らし、俺はそれで元に戻った。
「どうしたの?シンヤ」
「いや、ただ思っただけだ」
「何を?」
「この里が、しいって」
「そうでしょ、そうでしょ」
ルティーは自慢げに腰に手を當てを張りウンウンと頷いていた。
「あっ、ルティーじゃねぇか!」
「ホントだわ、ルティーー」
ルティーに気づいた他のエルフが手を振りながら走って近ずいてきた。その中では「2日もどこいってたんだ!」と言う聲が聞こえた。
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えっ!こいつ2日もかけて街に行こうとしていたのかよ!【盤上の地図ボードマップ】!
俺はボードマップを発し現在地からルミナ王國までを見た。すると驚いたことにルミナ王國までの距離は約5kmだった。それを2日もかけて行くなんて馬鹿じゃねぇの?と心で思っていた。
「それにしてもルティー、橫の奴は誰だ?」
「えっと、その」
俺のことを聞かれルティーが戸っている間に俺が被っていたフードをエルフ族の子供に取られ素顔が見えた。
そして俺が人族だとわかったエルフ族人達は固まっていた。
「ひっ、人族だーー!」
「逃げろーー!」
そしてエルフ族を人達は慌てて逃げ出した。
「だ、大丈夫よ!この人の仲間には獣人族がいるし、私は助けてもらったんだから!」
そうんだルティーの言葉を聞いたエルフ達は足を止めこちらに戻ってきた。
「そ、それは本當か?」
「ええ、本當よ。みんな」
ルティーは必死にエルフ達を説得しているのか、ルティーを囲い話し合っていた。
そして數分待つと、こちらを向いてニコニコと笑いながら歩いてきた。
「なんだよ、そんなことなら先に言えよ!」
「そうよ、優しい人族さん」
もう、ルティーの言葉を信じたのか俺の背中をバシバシ叩くエルフの男がいたりのエルフも普通に話しかけてきた。
いや、これルティーの時にも思ったんだけど、エルフ族って人を信用するの早くね?
「それにしてもルティーが男を連れてくるなんてねぇ」
「本當だなぁ、まさかあのルティーがなぁ」
ルティーを囲っていたエルフたちは何やら誤解をしているようだ。ルティーはその言葉を聞き「うぇ!?」とと聲を上げ顔を真っ赤にした。そしてチラチラとこちらを見てくる。その姿を見て周りはニヤニヤとしている。
「おーい、ルティーちゃんが男連れてきたぞー」
「ち、違う!」
ルティーは全力で否定しているが周りは何も聞かず大きな聲で喋っていた。
すると、俺の目の前の地面に影が二つ現れそれに気づいたハクとルナも後ろに下がった。
ドォォォォオオン!
と、大きな音を立て空から現れたのは二人のエルフ。一人は男でもう一人がだ。
あっ、フード外れた。
「貴様か!我がしのルティーの男というのは!」
「私たちのルティーは絶対に守るわよ!」
なんかいきなり現れたエルフの男にビシッという効果音と共に指を向けられながら言われたんだが。
「ちょっ、お父さん!お母さん!」
なんとその二人のエルフはルティーの両親らしい。
「ルティー、あれがお前の両親?」
「うん、お父さんの名前はゼント、お母さんはルミネって言うの」
「うん、やっぱりルティーと同じで綺麗だな。お前のお母さん」
「ちょ、綺麗って」
ルティーは顔を赤くして俯いている。
「なっ!なんだあのイケメンは!」
「やだ、ほんとだわ。お父さんよりイケメンよ」
「え!母さん!?」
あっ、フード被るの忘れてた。
何やら他のエルフ達も俺の顔を見て顔を赤くしている。
そして俺はフード被った。するとさっきまで見ていたルティーのお母さんやのエルフたちは俺がフードを被るのを見て何故かガクッと肩を下げていた。
「って、おい待て。そいつ人族じゃねぇか!」
「あ、ほんとだ。いや··だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」
「ルティー!なんで人族を連れてきたんだ!」
「あのー、別に何もしないんで大丈夫ですよ?ルナ、見せてやってくれ」
「わかりました」
俺はルナに【隠蔽の指】を外してもらい元の姿に戻ってもらった。
エルフたちは何をするのかわからなかったため警戒したが次の瞬間指を外したが獣人族に変わったのに驚いていた。
「俺の仲間には見ての通り獣人族がいる。別に異種族だからって何もしない。安心してくれ」
俺は真剣な顔でそう言った。
この言葉と顔に安心したのかエルフたちは地面に座り込んでしまった。
だが、元気な組がいた。
「あ、あんなのは顔と言葉だけだ!男は顔だけじゃなく、強くあらねばならぬ!!」
『そうだ!そうだ!』
ルティーの親父さんは何やら勝手に怒っていて、それを見て他のエルフ達も親父さんの言葉に乗り俺を睨んでくる。
「貴様みたいな奴にルティーは渡せん!私と決闘し勝てたら渡してやろう!」
「あの、何言ってんのあんた?別に俺はルティーを貰いに來たんじゃなくて家に送りに來たんだけど。それに俺みたいな奴に貰われるルティーのことも考えろ、可哀想だろ」
その言葉が耳に屆いたエルフたちはいやいやあんたこそ何言ってんの?とかいう視線で見てきた。それはハクとルナも同じだった。
「問答無用!!」
そんな俺の言葉を無視し、ルティーの親父さんは毆りかかって來た。なので俺は、いつかのギルドで起こった時のようにけ流し頭を摑んで地面に叩きつけた。
『・・・・・』
周りは目を丸めていた。この反応からするとこの人は里で一番強いようだ。
「じゃあ、失禮します。ハク、ルナ帰るぞ」
「はーい」
「了解です、ご主人」
そうして俺たちが振り返り帰ろうとした。
あっ、そうだな!と俺はふと思いついたことがあり、ルティーに近ずいた。
「あっ、ルティー」
「な、何よ!」
「このポーションで親父さんを治してやってくれ」
そして俺はついさっき【創造】のスキルで造った最上級のポーションを無限収納インベントリから取り出しルティーに渡した。
それから俺の手のひらが輝きだしルティーや他のエルフが驚いた表を見せた。すると何も無かった手のひらから一つのペンダントが現れた。
「それとこのペンダントはルティーが付けておいてくれ」
「何よこれ?」
「そのペンダントはルティーがそれを握り俺を強く願うと、俺が飛んでくる魔道だ。出會ったばっかだが、何かあったら頼ってくれ」
「あ、ありがとう」
ルティーは顔を赤くし俯いた。
じゃあな、と手を振るとルティーも笑顔で振り返してくれた。
そして俺はハクとルナの手を握り元いた森に転移した。
◇◆◇◆◇◆◇◆
神夜が転移して居なくなったエルフの里では。
「ルティー、あのイケメンは誰なんだ」
「私も知りたいわね」
「しかもあいつ、俺にかなり手加減してやがった」
ルティーの父、ゼントはこのエルフの里の中でも一二を爭う手練だったのだ。
そのゼントにかなり手加減しているとゼントの口から聞いた周りのエルフは「なっ!」と驚いた表をしていた。
「あいつの力の底が知れない。それほどの強敵だった」
ゼントの言葉でエルフたちはゴクッと生唾を飲み込む音を立てていた。
「ま、そんなことよりもルティー」
「は、はい!」
「一2日もどこに行っていたんだ?」
このあとルティーは、エルフの里のみんなから々なことを聞かれ、説教をけていたのでした。
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