《神々に育てられた人の子は最強です》

冒険者ランクEX。

それは、この世界にいる數多の冒険者たちの中でも片手の指で數えるぐらいしかいないほどのランク。

たった一人で國を一つか二つは滅ぼせる実力を持っている、と言われている。

実質、最強の稱號と言ってもいいだろう。

それほどなく、誰もが夢見るのがそのランクだ。

それぐらい凄いランクをそんな簡単にあげてもいいのか?

「あの、そんな簡単に推薦狀を出してもいいんですか?しかもEXなんて」

「む、簡単ではないぞ。だが、お主は魔の大行進モンスターパレードを一人で終わらした者じゃからな」

そうなのか?

「でも、たかが魔の大行進モンスターパレード一つを終わらせただけでしょ?」

「たかがって……。お主は自分が何をやったのかわかっておるか?」

「いいえ」

王ははぁ、とため息を吐いた。

「魔の大行進モンスターパレードは、

一度起こるだけで國一つ落とすと言われておる」

「マジで?あんなザコの集まりが?」

「うむ、お主はそれを一人で終わらしたのだ。これぐらいは當然」

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「え、でも俺たちが冒険者ランクを上げたのは、ただ行が楽になるかと思ったからで……」

「まさか、お主はけ取らんというんじゃないだろうな。ん?」

王の質問、周りの騎士や王族の目。

俺は小さく溜息をした。

「わかりました。まぁ、一応け取れるものなら損は無いし。はい、け取ります」

俺の言葉はこの部屋にいる全員の耳に屆いたのだろう。

部屋の中にいる者達から、「うわああああ!」と、大きな聲が響いた。

「では、ギルドに向かえ。そこで新しい冒険者カードが貰える」

「わかりました、じゃあ帰っていいですか?」

「なぜ帰るのじゃ?」

「いや、さっき言った通り、俺たちもう旅に出るんで」

「む〜、そうか。お主、この國の騎士団にらんか?」

「嫌です」

「即答かそれじゃあ貴族になって「お斷りします」

「これもか」

當たり前だろう。

そんなめんどくさいところに居たくない。

「ほんとうに?」

「ごめんなさい」

「わかった。じゃあもういいぞ」

王にそう告げられたので、俺はネルを背負いながらハクとルナと一緒に城を出た。

そして王に言われたので、俺は冒険者ギルドに行き推薦狀を見せた。すると、やはりそこでも騒ぎが起きた。エミリさんは、興して気絶するわ、周りの冒険者には背中をおもいきり叩かれるわ、晝間っから酒に付き合わせられるわで、ギルドを出るのが夜になってしまった。

あっ、でも酒は飲んでないからな。一応未年だし。

「ん、あれ〜?ここはどこ?」

大通りを歩いていると背中で聲が聞こえた。

やっとネルが起きたのだ。

「えっと、あなた……は!?」

ネルは俺の顔を見て驚いている。

「俺は魔の大行進モンスターパレードの戦いに參加してた者だ。お前は戦いの中で気絶したから俺が運んでる」

「あ、姉は、姉はどこですか!」

「お前のパーティはお前以外死んだよ」

「そう……ですか」

ネルは意外にも落ち著いていた。

もっと大きな反応を見せると思ったのに、強い子だ。

俺はネルを地面に下ろした。

「これからはお前はどうするんだ?」

「えっと……」

「決まってないか。そりゃそうだ。じゃあよかったら俺たちの仲間になって一緒に來ないか?」

「へ?」

困って地面に座り込むネルに俺は、手を差しべた。

神様たちは言ってた。

人間は醜く、汚く、下劣で、黒いと。

確かにみんな神様たちの意見には賛だ。

だが、この子はまだそれほど黒くないと俺は思ったんだ。

だから手を差しべる。

「い、行くところもないですし。そうですね……よろしくお願いします」

ネルは俺の手を摑んだ。

よし!こうゆう人材は必要だ。

「俺は神夜。この二人はハクとルナだ」

「ハクだよ!」

「ルナです!」

二人は元気よく挨拶した。うん、可い。

「私ネル、よろしく」

「あぁ、よろしくネル。それで俺の仲間になるには一つ聞きたいことがある」

「なに?」

「お前は、魔族をどう思っている?」

「……魔族」

そうだ。

俺は魔族の味方をすると宣言した。

ならば、仲間にする奴も同じ思いにしなければならない。

だからこの質問は必要なことだ。

「わからないです。喋ったこともないし、あったことも無いから……。でも一般的には魔族は悪とされています」

「そうだ、一般的ではそうなっている。だが、ネルが言った通り喋ったこともあったことも無いのに、決めつけるのはおかしいと思う」

「そうですね」

「だからこれから見ることでどう思うか考えろ」

ネルは俺の言葉に、首を傾げた。

まぁ、わからないだろう。

「ま、旅に出ることだし、挨拶に行っとくか」

俺はそう言い、宿に行くため人がなそうな場所に向かった。

「ネル、俺の肩に手を置け。ハク、ルナ、手を」

言われた通り、ネルは肩を、ハクとルナは俺の手を握った。

そして、いつかのミーヤが言っていたことを思い出し、あの宿のことを願った。

シュン。

そして俺たちはあの転移魔法陣がある部屋に転移した。

ガチャ。

「ネル、ここが俺たちの泊まっている宿だ」

そこは、いつも通り異種族のみんなが楽しく飲んでいたのでいる場所。

ネル呆然としている。

「お、英雄さんのお帰りだー!」

帰ってきた途端、宿で飯を食っている異種族のみんなが、騒ぎ出した。

そう言えばここに來るまでに、英雄さんだとか通り過ぎる人が言っていたな。

「なぁ、その英雄さんって何だ?」

「決まってるだろ?魔の大行進モンスターパレードを終わらしたんだから、英雄さ」

それで英雄なのかわからないが、俺はみんなに混り一緒に騒いだ。

◇◆◇◆◇◆◇◆

私は今、驚いていた。

さっき、私はシンヤさんについて行くと決め仲間になった。

そしてシンヤさんの質問の意味もわからず、ついて來たら異種族の人達がたくさんいる。

こんなの、驚きが隠せない。

「あ、シンヤさんの新しいお仲間さんですか?こっちです、來てください」

私は、貓の獣人の子に手を引っ張られ連れていかれた。

「あの、私人間ですけど、怖くないんですか?」

「え?大丈夫ですよ、シンヤさんの仲間なんですから」

獣人の子は平然とそう言った。

その後、晝から異種族のみんなさんと騒いで過ごした。

  ハクちゃんとルナちゃんはいなかった。

多分自分たちの部屋に行って眠っているのだろう。

今日は疲れたからだろうね 。

皆さんと一緒に居て楽しかった。

皆さんは、シンヤさんと笑顔で話していた。

シンヤさんも笑顔だ。

そこで、質問の意味がわかった。

この人達は、悪い人じゃない。

周りの言うことも、全てが正しくない。そう思った。

それから、私も楽しく騒いだ。

「どうだネル、これを見てどう思った?」

不意にシンヤさんからそう訪ねかれた。

そんなの、決まっている。

「皆さん、優しくていい人です!」

私は元気よくそう言った。

「そうか、あと敬語じゃなくていいからな」

シンヤさんは笑顔でそう言った。

その笑顔は止です。

私は自分の顔が赤いことがわかり俯いた。

◇◆◇◆◇◆◇◆

騒ぎを終え、俺たちはいつの間にかその場で眠っていた。

そして朝、目が覚めた。

俺はハクとルナを古の王國アポカリプスの中に『戻し』、ネルを背中に背負い部屋を出た。

それから、機の上で寢ているみんなに布を掛け、置き手紙を殘した。

そこにはこう書いてある。

『みんな、たった1週間だったが楽しかった。だが、俺たちの目的は旅をすることで他の異種族とも仲良くすることだ。だからみんなが起きていない頃にここを出る。

じゃあ、また會う時までは死ぬなよ。

シンヤより』

そう書き殘し、俺は宿を出た。

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そう言えば、ランクの説明をしていなかった。

ここで、作者からランクの説明ターイム。

Eランク→新米

Dランク→新米卒業

Cランク→まだまだこれから

Bランク→

Aランク→一流

Sランク→達人

SSランク→超人

EXランク→人外

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