《神々に育てられた人の子は最強です》クルウェント王國

「えっ……?シンヤ、今なんて言ったの……?」

「ん?クルウェント王國のケルビン王子とマミー王って言っただけだぞ」

「えっ……?その二人の子供が、クルウェント王國の王族……?」

「だからそう言ってんじゃねぇか」

「そ、そうなんだ……」

ネルは深呼吸を行う。何故だ。

俺はその間に、王子と王に話しかける。

「ケルビン王子とマミー王はどうしてこんな所に?」

「えっとねー、お家の勉強が嫌だったから抜け出して、城下町をマミーと一緒に歩いていたら、突然を持ち上げられてね、目も見えなくなって気づいたらここにいたの」

そう笑いながら話すケルビン王子。

そんな笑っている顔はすごく子供らしい。

すると、どこからか、あきらかにこちらに殺気が飛んでくる。

そちらを見るがただ捕まっていた人間達のネルだけ。

だが、そんな中、ネル一人だけが周りの人と全く違う顔になっていた。

何故だかわからないが、理由は追求しない。しかし、わかることはある。あの眼、表からして憎しみから來るものだとじられる。

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冷たく、その上鋭く突き刺さる殺気。

ケルビン王子とマミー王じゃない。しかし、この二人に関わりが深い人に向けられた殺気だ。

そしてそれはクルウェントの王族だろう。

どうしてそんな顔をするのか興味はない、と言えば噓になる。だが、その場所は踏み込んでいい域ではないとわかる。

しかしネルにもこれ程の闇を心に抱えていたとは、よく今まで俺にバレなかったな。心の奧底に押さえ込んでいたのか?

まぁさっきも言った通り、これは踏み込んではいけない域だ。

だから、俺は視線をケルビン王子に戻す。

「それじゃあ、二方は何もわからない、と言うことですか?」

「うん!そうだよ!」

元気よく返事をするケルビン王子。

その事はだいたい推測できる。ケルビン王子とマミー王を攫ったのは、クルウェント王國の騎士だろう。達がいた場所に、クルウェント王國のマークがついた鎧もあったしな。

しかし、なぜそのようなことをしたのだろう。

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だが、その理由はわからない。何故なら、その騎士はネル達が倒した奴らに殺されていたからだ。

まぁ、今はそんなことはどうでもいい。

「これから俺達はクルウェント王國の方に向かうのですが、一緒に行きますか?」

「えっ!?ほんと!?」

「はい」

「行く行く!」

「わかりました」

ケルビン王子は了承し、マミー王の方を見る。

マミー王も小さくこくりっと頷いた。

マミー王は人見知りなのだろうか?

「えー、じゃあ皆さんはどうしますか?近くの村出なら送りますし、別にそう出ない方はそちらで考えてください」

俺はそう他の人に言いながら、ネルに近づく。

「ネル、過去に何があったかわ知らないし、別に教えてしい訳でもない。ただ、その殺気は抑えろ。誰かに気づかれるぞ」

ネルは小さくこくりっと頷いき、またも深呼吸をする。

自分が出している殺気を抑えるために。

深く、それは深く呼吸した。そして終了すると、その眼からは殺気が消え、いつもの眼に戻った。

ネルと話している間に、人間達は答えてくれた。

「俺たちはクルウェント王國付近にある小さな村にいたんだ。あっちの方にある小さな村」

「ここにいる人達はみんなその村出なんですか?」

「いや、俺たちはクルウェント王國出だ」

半分以上の人が村出で、殘りがクルウェント王國出と言ってきた。

そう言えば今考えれば、ルミナ王國から約6kmも離れた場所にあるクルウェント王國へ徒歩で行くには、多くの時間を使う。

今ここらで確か約2km地點。ここまでよく文句も言わず三人はついてきたものだ。

だから、作ろう。馬車を。

それをネルに言ったところ、

「えっ!?シンヤ考えてなかったの!?私、シンヤが何か乗りを用意してると思っていたのに、まさか何も考えてなかったなんて。シンヤってちょっと抜けてるとこある?」

と、先程の殺気を飛ばしていた時とは違う、いつもの顔でそう言われた。

なので早速、地魔法から2つランクアップした大地魔法を使い、馬型のゴーレムと人が乗る場所を作ることにした。

いわゆる荷馬車と言うものだ。

突然地面がき出し、形が変わっていったことに村人たちは驚いていたが、荷馬車の形になったということがわかり、安心した様子だった。

「では皆さん、村の方はあちらの荷馬車に、クルウェント王國の方はこちらの荷馬車に乗ってください」

荷馬車は2つ作った。村とクルウェント王國、二手に分かれて進めるようにだ。

村人達を先導し、荷馬車の中にれる。クルウェント王國の住民は多いため、荷馬車を大きくし、その中にってもらった。

「そう言えばこれって、誰がかすんだ?」

「俺たちは馬なんてかせないぞ?しかもゴーレムだ」

「あの、これってどうしたらくんですか?」

村人達やクルウェント王國の住民は當然の事を聞いてくる。

そりゃあそうだ。ゴーレムとは通常、作った人間にしか扱えないものだ。普通の人型ゴーレムならば、一人でも魔力がある限り作できる。

だが、今回は俺一人に対し、馬型ゴーレムは四。一つの荷馬車につき二を用意した。

これは常人に作するのは難しいことだ。進むにつれ、馬型ゴーレムは離れていき、それに加え四もの馬型ゴーレムを作する。だから出來ない。常人なら。

しかし、俺は常人ではない。神様たちみんなに育てられたのだ。これぐらいのことは、小學校中學年の頃にとっくに出來た。

だから、

「俺が四ともかします」

『えっ?』

ほとんどの人がそう口にし、何言ってんだこいつみたいな顔で見てくる。

まぁそう思うのも仕方がない。

「じゃあ、これを見てください」

俺は、四の馬型ゴーレムを同時に違うきをさせる。一は後ろ足立ち、一は後ろ足で蹴り、一はジャンプして遊んでいて、一は走り回っている。しかも、本の生きのようにらかなきで。

そんな馬型ゴーレムを見ている人達は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。

「これで納得していただけたでしょうか」

村人達は顔を上下に振り、次々と指定された荷馬車にっていった。

そして全員がり終わった時、各荷馬車の馬型ゴーレムは走り出した。荷馬車の中の人達への振は最小限に、そしてその狀態のまま風の様に走っていく。

二手に分かれた荷馬車は徐々に小さくなっていき、互いに荷馬車が見えなくなったまで走った。。

俺は盤上の地図ボードマップを使い、俺が乗っている荷馬車とは違うもう片方の荷馬車を見る。

あと數十分で村に到著。

こちらは數時間でクルウェント王國に到著だ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

約三時間後。

著いた頃にはし日が暮れていた。

荷馬車に乗っている間は、ネルにこれから一緒に行う修行のことを教えておいた。

そして、俺たちは今、クルウェント王國の検問のため呼び止められていた。

それは何故か。簡単だ。

俺たちがケルビン王子とマミー王、その他のクルウェント王國の民を拐したと思われているからだ。

一緒に居た人達は無事に戻ってきたことに喜ばれ、沢山の聲を浴びながら中にっていった。そして、俺はそれとは逆に、顔も見えず、全真っ黒な姿だからか疑われ検問中。當然と言えば當然だ。

「貴様なんだろ!さっさと罪を認めろ!」

そう周りの騎士達が怒鳴る。

ケルビン王子とマミー王は俺たちのことを弁明したそうな顔をしていたが、その前に、王宮に連れていかれていた。

「いや、俺たちはたまたまケルビン王子とマミー王を見つけ、一緒に來ただけだって」

俺たちって言うか、実際に助けたのはネルとハクとルナの三人なんだが。

そんなことを心の中で呟いていると、騎士たちは頑固だったようだ。

「噓をつくな!」

本當のことを話しても、「噓をつくな」の一言で一蹴される。

「じゃああの水晶を使ってくれよ。犯罪を犯しているかがわかる水晶」

俺がそう言うと、自分たちは忘れていたらしく、急いでそれを取りに行く。

そして持ってきた水晶を俺たちの前に差し出し、俺たちはそれにれた。水晶は青に輝き、無実だと証明される。

水晶の輝きを見た騎士たちは、慌てて俺たちに頭を下げる。

「で、では、分証明ができるものを出してください」

そう言われたので、俺は無限収納インベントリにれていた黒の冒険者カードをハクとルナの分を合わせて三枚取り出し、ネルは腰にあるポシェットから銀の冒険者カードを取り出す。

「い、EXランクの冒険者の方とSランク冒険者の方は !?さ、先程は失禮致しました!」

周りの騎士から、またも思い切り頭を下げられる。

その様子を見ていた、俺たちの後ろに並んでいる行商人などの人達からは注目を浴びたため、頭を下げるのを辭めてもらい、クルウェント王國の中にっていった。

中にいる人達の多くはとんがり帽子にマント、そして各々違う杖を持っている。まさに魔法使いといった所だ。

この國は、各國の中でも最も魔法に関して最前線に立っている、魔法國家でもあったのだ。

その後盤上の地図ボードマップを使い、宿を探した。

部屋を決める時は、ハクとルナが一緒のベットで寢たいと言うので、ネルと同室にし、二人部屋にしてその宿に止まった。その宿は布がなく、あったのは藁だった。なので、俺は布を無限収納インベントリから取り出す。

検問などに神的に疲れた俺たちは、夜ご飯の時間になるまでぐっすり眠っていたのだった。

そして次の朝、鳥の可い鳴き聲が聞こえ、腰辺りが暖かく布を捲ると、ハクとルナが抱きついている。

ネルは一人ベットで深く眠りについている。

ルナは【隠蔽の指】を外しているため、耳と尾が確認される。俺はそのもふもふの耳と尾を堪能して

日のに當たっていた。

すると、多くの數の気配がこの宿ってきて、俺たちの泊まっている部屋の前に止まる。俺はルナの指に【隠蔽の指】を嵌め、布をかける。

木材で作られた扉を叩く音がなり、俺は三人を起こさないように扉を開けた。

そしてそこに立っていたのは、先日俺たちが助けた、ケルビン王子とマミー王だった。

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