「おいおい。もうすぐ學園に著くんだ。しはその眠そうな目を覚ませよ」

今俺たちは學園に向かって朝の道を歩いている。

練習から三日。ネルとルティーは魔力によっておかしくなったことを反省し、それ以來頭に集中させることは控えている。それと、ちょっとした護を覚えさせた。

魔法使いは魔法を使い戦うものだが、間合いを詰められれば何も出來ない。だから護を覚えさせた。

しかし、魔法使いにはキツかったようで、何度も倒れたりしていた。なので、倒れる度、治癒魔法を使い復活させた。

ハクとルナは、遊びを行いながら組み手をしている。々な場所に行かせ、地形の使い方やその場での奇襲の仕方、罠の張り方などを教えた。

こうしてあの三日をすごし、今日、學園を通う日を迎えたのだ。

と言うのにこいつらは……。

「起きろってーの！」

パチンッ！パチンッ！パチンッ！パチンッ！

バタッ！バタッ！バタッ！バタッ！

『いったぁーい！』

四人はおでこを抑え、涙目になりながらそう言った。

おでこを抑えている指の隙間からは、し赤みが見える。

俺が四人にデコピンをしたのだ。そして、そのデコピンの勢いで、四人は転倒した、という事だ。

「ほれ、目が覚めたか。赤くなっている場所は前髪で隠せるだろう。早く行くぞ」

そう言って俺はもちをついている四人を放ったらかし、學園へと足を運ぶ。その後ろ手四人は起き上がり、「まってー」と言いながら著いてきている。

それから十數分後。

城より小さく、でも他の民家よりも圧倒的に大きい建と豪華な門が目の前にある。

ここが俺たちが通う場所、魔法學園クルウェントである。

そして、ちょうど……

カラァーン！カラァーン！カラァーン！カラァーン！

約束の鐘の音が鳴った。

目の前の魔法學園クルウェントの門には、案役と思われる教員が一人いる。

「貴方がシンヤ様一行ですか？」

「はい」

「では、これより學園長の元に行きます。著いてきて下さい」

俺たちは彼の後ろを言われた通りついて行く。

學園を案されている間、教員のような方は見つかるが、まだ生徒は居ないようだ。

「著きましたよ」

「えっ？」

ネルから小さな疑問の聲が零れる。

それもそうだろう。何故ならここは、芝生が広がる大広間だからだ。

あぁ、程。そういうことか。

俺はそう思い、案人に視線を向けると、案人はニッコリと笑った。

「こちらです」

案人と俺たちは、大広間の奧にある一本の大きな木の元に行った。

「それでは、行きますよ」

すると、足元に魔法陣が現れ、俺たちはその場から姿を消した。

目を開けると、そこにはし古ぼけた扉がある。

「ここが、學園長のいる部屋ですか？」

「はい」

「隨分と手間のかかる」

「學園長の部屋に行くには、學園のどこかに移している、學園長の部屋へと繋がる転移魔法陣を見つけないといけないんです。見つけるためには、【魔力知】のスキルを覚えないといけないですが」

案人だった男はそう言い、部屋をあとにした。

そう言えば名前を聞くの忘れていたな。

そう思いながら、俺は扉を叩こうと手を出した。すると、

「貴方はいつもその真っ黒な服を著ているの？」

そう扉の側から聲をかけられた。

その聲はの聲。聲的には若いか。

俺はその返事を、扉を開けながら答えた。

「ええ。これが俺の正裝です。まぁ、これ以外に服を持っていないんですけどね」

「ふふふ。程。では、この學園の服を用意しようか？」

扉を開けると、そこに居たのは、太のに當たりながら、海のように深い青のをした目と髪を持ち、その髪で太のを反させ、し口角を上げただった。

「いいえ。これは両親から頂いた大切な服です。ごうとは思いません」

「そうかい。確かにいい服だ。私の鑑定スキルが弾かれるほどに……」

學園長はし興味ありげな視線を飛ばしてくる。

「まぁそんなことより。ようこそ魔法學園クルウェント」

そう手を広げ、笑顔で學園長のは言った。

「私は學園長のトレイラー・スミス。気軽にタメ口でスミスと呼んでくれ」

「はい。よろしくお願いします。スミス先生」

「ん？タメ口でスミスと呼んでくれ。私はこれでも20代だよ？あと、そのフードは外すようにね」

「わかった。これでいいか？スミス」

「うん。君がシンヤくんだね。それと、後ろにいるのが編することになった四人だね」

うん？一瞬スミスとネルの雰囲気が変わった。何故だ？まぁ、いいか。

「ああ。これからよろしく頼む」

「わかっているよ。サーナス様からのお願いだからね。斷れないよ」

スミスは笑いながらそう言い、學園について説明をしだした。

この學園は全寮制であること。

その上、教員も同じ寮に住むこと。

教員の服裝に決まりはないが、生徒には學が決まった時點で、家に制服を送らせてもらっていること。

なので、四人には數日後送られる。

他にも、その月に生徒がける教科のプリントを渡された。

「そう言えば、シンヤくんは何が得意なんだい？魔法？？でも、その見た目からして、最近よく聞く『覇王』と言う冒険者と思われるから、両方得意かもね」

ははは、別の國にも有名になっているのか……。

俺は深くため息を吐いた。

「そうだよ。俺は覇王って呼ばれる冒険者だ。だからスミスの考えているとおり、俺は魔法もも得意だよ」

それを聞いてスミスは、キラキラした顔でこちらに近づいてきた。

「なんだ？」

「後でどんなことが出來るか、私の部屋に來て見せてくれないかい？」

「あー、まぁいいか。あぁ、大丈夫だよ」

「やった！」

まだ20代だからか、そのやった、という時の表が輝いているよこの人。

「あっ、そう言えば全寮制って言ったけど、當然生徒と教員、男との寮は離れてるからね」

「當たり前だ」

「うん。じゃあまずは、シンヤくん達がこの學園に學できるレベルなのか、実力を見せてもらおう」

「どうやってだ？」

「外に出ればわかるよ」

俺たちはスミスが言った通り、學園長の部屋を出た。

すると、目の前にあった景は、かつて、俺の世界でローマ帝政時代に作られたとされる建築、その戦いで多くの人々を魅了したとされる場所。

それは、正式名稱フラウィウス円形闘技場。またの名を、コロッセオ。