學園長の部屋を出てやって來たコロッセオ。

そのコロッセオの姿は、イタリアの首都ローマに存在する本と、同じ姿をしていた。

何故、あの世界の建築が、この世界に存在している……？何故、あの世界のコロッセオの姿と、壊れた部分などが全く同じなんだ……？

俺はし、目の前に巨大な建築を見て唖然としていた。

………！

すると、後ろの方から、幾つか飛んでくる魔力が知された。

俺は魔法の著地點が今いる自分の場所だとわかり、魔法が著弾するほんの一瞬にその場を移した。

すると、その地面から、幾つもの巨大な棘が現れた。

いつも通り無効化してもよかったんだが、あまり知られていいスキルではなかいからな。

他にも、ハクとルナは魔力を知し、己の武で迎撃。ネルとルティーの【魔力知】のスキルはまだまだの為、俺との訓練でじるようになった、自分たちに向けられた攻撃的意識・・・・・、それを知して、ネルは魔法で相殺、ルティーは背負っていた弓で貫いた。

「おお……！」

振り向いてみると、居たのは男が二人とも二人。魔法を放ったとおもわれる四人だ。

四人は俺たちが魔法を防いだきに稱賛の聲を上げた。

「君たちには、これからこの四人に、実力を審査してもらう」

魔法を放った四人組は、綺麗に橫一列になり、自己紹介を始めた。

「俺の名前はゴーレスってんだ。元々魔法騎士だったんだがな、見ての通りこの有様よ。だから今は、主に魔法騎士を目指す奴らを鍛えている。よろしくな！」

ゴーレスと名乗った男は、剣で切られたと思われる手をこちらに見せてそう言った。

「私の名前はローカリーナよ。この學園で錬金の教師をしているわ。もし錬金に興味があるなら、私の元に尋ねてきてね」

ローカリーナは、し砂をかぶっていた眼鏡を外し、そのレンズを拭き終わってまた眼鏡をセット。

「ふんっ！中々出來るらしいな。だが、今のを避けることぐらい、特待生の中だったら誰でもできるっ！」

「はいはい、どうして毎度毎度そう突っかかるの。ごめんね。こいつはレンガ。いつもこんなんなのよ。気にしないでくれていいから。私はリリカ。よろしく」

一人の男は、何故か初めから威嚇をして、それを一人のが治めている。

そして、二人はまだ何かを言い合っているようだ。ずいぷん親しいみたいだし、何だか夫婦みたいだな。

「「夫婦じゃない！」」

あれ？俺、今口に出したっけ？

「直だ(よ)！」

「俺たちのことを見ると、みんな夫婦夫婦とかほざきやがる」

「ほんと、やめてほしいわ」

話がよく噛み合い、息が合っている。この二人は、昔から仲がいいのか？

「はっはっはっ、相変わらずお前らは仲がいい。さっさと結婚しちまえよ！」

「何を言っているんだ、ゴーレス！誰がこんなと！」

「やめてちょうだい！冗談でもきついわそんな言葉！」

「ふぅら、息がぴったりと會っているぞ」

ゴーレスはニヤニヤと笑いながらレンガとリリカを煽り出す。

それに反応し、二人はゴーレスに噛み付いていく。

「ねぇ」

突如一つの小さく、冷たい聲が鳴り響く。その聲が響いた瞬間、わいわいと話し合っていた三人の肩がピクリとき、顔がサッと青くなった。

「ねぇねぇねぇねぇ。婚期を逃した私の目の前で、そんな可哀想なこと私の前で、いつまでイチャイチャイチャイチャしているのかなぁ〜？」

その聲の主は、背後に『リア充発』という怨念が何故かハッキリと現れている、眼鏡をかけた錬金師、ローカリーナだった。

そうか、婚期を逃していたのか……。

「そこぉ！憐れみの目で見ない！もっと悲しくなるから！」

こちらの視線に気づいたらしく、ローカリーナはビシッとこちらを指差しそう言った。しかも、し涙目だ。

「可哀想……」

「口に出さないで！？泣きたくなる！」

「はっ、はい！」

ルティーがし呟いた聲は、一瞬にしてローカリーナに屆き、また指摘される。

その反応速度は、錬金師に必要なのだろうか？

「あー、あれはほっといていいよ。いつもの事だから」

「そうなのか。彼らは隨分と仲がいいようだが、いつからの付き合いなんだ？」

「レンガとリリカは馴染よ、昔からの付き合いでね。四人が出會ったのはこの學園なんだけどね」

「へぇ」

四人はまだわいわいと話し合っていた。その様子は、昔から信頼し合っている者達のように見えた。

「はいはい。楽しいお話はそれまで。これから彼らの実力を見てもらうんだから。時間がもったいない」

スミスがそう言うと、四人はハッとし、スミスのもとにやって來て、また綺麗に橫一列に並ぶ。

「ではまず。誰と誰が戦うのか、これで決めたいと思いまーす！」

そう言ってスミスが手に持っていてた袋から取り出したのは、

「花火？」

しかも、打ち上げ花火だった。

彼はそれを、地面に置いていく。

ん？8個……？

「おっ、よく花火のことを知っているね。これ高いし、作るのが難しくて、あまり出回らないのに」

なんと…！この世界は花火を作る技さえ、知られていないのか。

「どうして花火なんだ？そんな貴重ななら、こんな時に使わなくてもいいだろうに」

「いいんだよ。これは彼が開発したんだから、また彼が作ってくれるよ」

彼とは、ローカリーナの事らしく、ローカリーナはし照れている様子だった。

「じゃあ、一人一本取って、打ち上げた時同じの人が戦うってことで」

スミスがそう言うと、スミスの手の中にあった打ち上げ花火は、次々と取られていった。

「ちょっと待て。俺の取る花火がないぞ」

疑問があった。

ここに居るのは10人。スミスを抜いたとしても、9人いる。なのにあった花火は8つだけ。

まさかとは思うが、

「ああ。シンヤ君には、私とやってもらうよ」

やはりか。元々花火の數が合わないと思っていたら。

「どうしてだ？」

「もし君の噂が本當なら、この世にいる誰もが君に太刀打ちできない。もし、可能があるとするなら、それは君と同じ、EXランカーの者達だけだよ」

そう言い終わると、スミスはローカリーナ以外に花火の火の付け方を教えに行った。

「よーし、じゃあ著火！」

火魔法を習得している者達は、各々の指先に小さな燈火を現し、火魔法を習得していない者と自分の花火に、花火からちょこんと出ている導火線に火をつける。

ジジジジジッという音が鳴りながら、ゆらゆらと揺れる小さな火は、導火線を辿って進んでいく。

そして今、青く広がる空へと打ち上がる。

ハクの花火からは青が。

ルナの花火からは黃が。

ネルの花火からは黃緑が。

ルティーの花火からは赤が。

ゴーレスの花火からは黃が。

ローカリーナの花火からは赤が。

レンガの花火からは黃緑が。

リリカの花火からは青が現れた。

「これで、対戦相手は決まった」

スミスが小さく呟いた。その顔は、何故かし嬉しそうに。

ハクvsリリカ。

ルナvsゴーレス。

ネルvsレンガ。

ルティーvsローカリーナ。

「ではこれより、我が魔法學園クルウェントの編試験を開始する！」