《神々に育てられた人の子は最強です》ルティーVSローカリーナ
ルティー視點
「じゃあまずは、ルティーちゃんとローカリーナだね」
(うわー、この人さっき注意されてから、し苦手なのよね)
そう思いつつ、スミスさんに指名された私達は、コロッセオの中心で立ち會い、向き合いながら自分たちの武を構える。
「ルールは簡単。私がどっちかが戦闘不能と判斷したら終了だよ。
それじゃあ、準備してね」
スミスさんは観客席へと下がっていく。
「いやはや、さっきはごめんね。私、リア充を見てしまうと、よく格が変わるらしいんだ」
「はっ、はい!」
「もうそんなかしこまらなくてもいいって。これはただの編試験。もっと気楽に行こう」
思わず聲がうわずってしまった。深呼吸を行い、気持ちを落ち著かせる。
その様子を見て、ローカリーナさんも安心した様子でまたしっかりと武を構えた。
「それでは、始めっ!」
スミスさんが聲をかける。
(速攻で行こう!)
パンッパンッパンッ!
スミスさんの開始の言葉と同時に、軽い破裂音がした。
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その音の正は、放った弓の音だった。
背中にある矢筒からすぐさま矢を取り出し、弓を構える。
『大地壁アースウォール!』
ローカリーナさんも、すぐに足元の土で人間一人を凌駕する大きさの壁を作り上げる。
(【無詠唱】で、この魔法を発するスピード。やっぱり、この學園の教員を務めてるだけのことはある!)
「でもね、ただの大地壁アースウォールだけじゃ、この矢止められないのよ」
私の矢は、大地壁アースウォールにヒビをれ、貫いた。
「うそ!?」
ローカリーナさんは、慌てて橫に回避する。ギリギリ、矢はローカリーナさんの著ていたマントを貫いてには當たらずにすんだ。
私の矢は、誰にも當たらず、そのままコロッセオの地面に著地する。
ゴォンッ!という音を出して。
周りを見ると、他の教員は驚いた様子で、矢が著地した場所を見つめた。
そこにあったのは、小さなと、そこに突き刺さる私の矢だった。
「まさかその弓と矢って屬魔法付與エンチャント……!多分、薄く付與しているのは、風魔法……」
(うわっ、やっぱ凄いよ。初見で私が屬魔法付與エンチャントしている屬がバレるなんて)
でも、多分今の私は笑っていると思う。三日間の間だけど、シンヤが作ってくれた空間の中で、みっちり練習した付け焼き刃の屬魔法付與エンチャントが、実踐でちゃんと使えたんだから。
「まさか屬魔法付與エンチャントが扱えるとはね。このまま練習すると、もっと凄い人になりそうね」
ローカリーナさん、何か言ってるけど聞こえない。だけど、し笑ってる。
『巖石弾ロックバレット×8!』
空中に、八つの巖が生され、こちらに向かって猛スピードで飛んでくる。
(でも、私の矢の方がまだ早いっ!)
四本の矢を取り出し、放つ!
しかし、撃ち落とせるのは同じ數の四つの弾だけ。なので、またすぐさま矢を取り出し撃ち落とす!
「凄いね。でも、これは避けられるかな?」
『大地針アーススピア』
(ん?今ローカリーナさん何か言った?)
ローカリーナさんの口が、しいていたから気になったけど、何も無いよね。
(えっ!?)
そう思ったが、私は風で微妙な揺れを下からじ、思い切り後ろに飛んだ。
すると、先程まで私がいた場所から、いくつもの針が下から現れた。
(これは、大地針アーススピア!まさかさっきボソボソと言っていたのは、魔法名だったのね!)
ローカリーナさんは驚いた様子で、こちらを見ている。
「いやー、まさか今のを避けられるとはね。驚いたよ」
「私もです。まさかあんな小さな聲で魔法名を言っていたなんて。聞こえるはずないじゃないですか」
「別に、魔法名はちゃんと敵に聞こえるように言わなければいけないって言う決まりはないからね」
それもそうだ。いちいち敵の前で魔法名を言えば、どんな魔法を使うかバレてしまい、敵も対抗出來る魔法を使う。
當たり前だ。
「ひぇー、まさか屬魔法付與エンチャントを使えるなんて、今の私の魔力じゃ太刀打ち出來ないよ。
早く終わらした方がいいな」
ローカリーナさんはそう言ってるけど、付け焼き刃と言っても実踐で使えるレベルの屬魔法付與エンチャントに、ちゃんと対抗出てきていた。
すると、ローカリーナさんが突如回り始めた。どうやらローカリーナから仕掛けるようだ。
『砂嵐サンドストーム!』
ローカリーナによって発された砂煙が、コロッセオ全を包み込む。
(くっ、見えない)
ローカリーナさんがどこにいるのかわからない。観客席すら見れることがない。分厚い砂の壁で阻まれている。
(でも、砂ならいける!)
『風弾ウィンドボム×3!』
三つの風の球は、砂嵐の中にっていった。
ボウンッ!ボウンッ!ボウンッ!
私とローカリーナさんを包んでいた砂嵐の砂が、風弾ウィンドボムの行ったところから押し返された。
砂嵐は晴れ、私とローカリーナさんはポツンと立っていた。
「なんの為の砂嵐だったかは知りませんが、これで決めさせて貰います!」
私は弓矢を引き、ローカリーナさんに狙いを定めた。
「ねえ、貴方、シンヤさんのことが好きなんでしょ」
……………え?
………え?
…え?
(えーーーーーーー!?)
「ど、どどどどうしてそれををををを!?」
「あはは、やっぱりそうかい。
どうしてかって?それはね、私の『リア充発』という野が言っているんだよ。『あのシンヤさんはハーレムだ。全員彼に惚れている』ってね」
ローカリーナさんはニコッて笑った。
突然の言葉に揺。しかも、それは今一番悩んでいた事だった。
そんな事を、私の悩みの核心をいきなり摑んできて、シンヤの方をチラチラっと見ては、一歩、二歩と下がってしまう。
カチッ
「カチッ?」
しかし、自分の足がある地面の場所から、謎の音が発生し、先程の揺が一瞬消える。
っと同時に、
プシューーーーー
足元から白い煙が出てきた。
私は風魔法を使い、その煙を発散しようとしたが、さっきの揺のせいで、反応が遅れ、意識が朦朧とし、地面に倒れるのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
シンヤ視點
「終わりだね」
スミスは立ち上がり、皆はそのスミスの姿に注目する。
「勝者、ローカリーナ!」
その言葉に、観客席にいた者達から拍手が送られる。
はぁぁあ。多分ルティーが眠らされたのは、ローカリーナが作った催眠ガスだろう。錬金でよく作れたものだ。
しかし風魔法ならガスを退けられただろうに。このバカは。
「それにしてもアイツ、なんでいきなり揺して引き下がったんだ?俺の方をチラチラ見ては、し俺の名前が聞こえたような気がするが」
「それが原因じゃないの?」
スミスは小さく笑いローカリーナとルティーの元に行く。
はて?どうして俺が原因になるんだ?
それはさておき、俺もルティーたちの元に向かおう。
近づいてみれば、ルティーはスースーと寢息を立てている。可いやつだ。
「さて、じゃあ次と行こうか!」
スミスはワクワクしたような顔で言った。
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