《転生屋の珍客共〜最強の吸鬼が死に場所を求めて異世界にて働きます〜》第2話 転生屋にて
吸鬼、カレイド・ノスフェラトゥーグ・ルインにとって働くというのは長い年月を生きてきたが初めてのことだった。
というのも働く必要がないからだ。
働くというのは基本、お金のためであって彼は死をせずしいは力盡くで集められる。つまり働く必要がなかった。
なので働くということに対して無知な彼はこれから働くことになる転生屋の長であるリフフィーに教えを乞うことにしたのだがーー。
「まずあんたの役割を決めるわ」
「役割? ふむ、それは確かに重要なことだな」
仕事には役割がある。彼が店長であるようにその人の役割が必要になってくる。働くとなると尚更だ。
「でも正直、今のままでやれてたから何をしてもらうとは全然決まってないけど」
「適當でいいだろう。俺もここでの目的は済んだらすぐにここから去るだ」
それも死去という形でのこの場を去るだ。誰も死人を働かそうとは思うまい。
「それは店長として許せないの! まあ、でもひとまず私の用心棒ってことにしとくから」
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用心棒か。
こんな所に襲撃するもの好きはいないだろうが甘んじてその役割を任されるとしよう。
「うむ。しかし、これからどうする? 早速、客を迎いれるか?」
「それは招待狀を持った人が來てから。當分こないと思うからその前に他の店員を紹介するわ」
「ほう、貴様だけではないのか」
「當たり前よ。人員は足りてるのに神様は何を考えてるのかしら」
「上の正は隠す気はないのだな」
「だってあんた気づいてるみたいだし、隠す必要なんてないでしょ」
「それもそうだな。しかし、奴はここには來ないのか」
連絡はしてくるものの顔を出す気配一切見せない。神なら俺を殺せるかもしれないというのに。
「一応、この転生屋で一番偉いんだけど顔を出すことはそんなにないわよ。あっちはあっちで忙しいみたい」
「ふむ、それではここの運営は実質貴様に任されているのか」
「そういうこと。てか店長として言うけどその口調はどうにかならないの?」
「これが俺の普段の喋り方なのだが、何か変だったか?」
「なんか偉そうなのよね。客商売なんだからそれはどうかと思うのよ」
「なるほど、言われてみればそうか。だが突然変えろと言われて難しいな」
意識をしても慣れてしまっている以上、今の口調を変えるというのは簡単ではない。直そうと思っても時間がかかってしまうだろう。
とルインが悩んでいると一人のが間にってきた。
「別に変えなくてもいいですよ」
まるで辭書のように分厚い本を持っているは淡々とした口調でそういう。一瞬、機械か何かと思ったがそうではない。眼鏡と水のお下げ髪が似合うだ。
「セリエ、どうして変えなくてもいいのよ」
「どうせここに來る方はそんな事を気にしないからです。それよりもここの仕事を覚えるのが先ですし」
「ほう、何故俺が客ではないと分かった?」
まだリルフィーは俺と會ってから別れていない。俺がこの転生屋で働くことになったことはこれから回って話をしようとしていたというのに。
「正式にここにお客様が來る場合は招待狀が発行され、バルドル様から報告されますが今回はそれがなかったのと、店長の聲が私の仕事部屋まで屆いていたからです」
「ちなみにバルドルってのは神様の名前ね。神様なんてたくさんいるから必要なんだって」
八百萬の神と言われるように數が多いから人の子のように名前が必要になってくるわけだ。それにしても隨分と立派な名前だな。
「それでこいつはここの店員ということで間違いないんだな」
「そうよ。この生真面目なのは転生先の世界を決めてるセリエ。まあ、それ以外にも々やってもらってるけど」
「その々に多くの仕事が含まれてるので人手が増えるのは個人的に助かりますけど本當に大丈夫ですか」
「大丈夫よ。神様から直々に許可が下りたんだもん。それよりも他の皆が何処にいるかわかる?」
「多分、いつもの所にいると思いますよ。では私は仕事が殘っているのでこれで」
忙しそうに彼はルインが名乗る前に行ってしまった。
「ちょっと無想だけど仕事熱心のいい子だから仲良くしてあげてよね」
「分かっている。それで他の連中は?」
「これから案してあげるわよ。それより先に言っとくけどここにはあんたみたいなワケありの奴らが集まってるけどあまり深く関わらないのをオススメするわ」
「馴れ合いは不要だと?」
まあ、俺はここに死にに來た男だ。馴れ合って、いざ死ぬ時に悲しい思いをさせるのは免だが。
「そうじゃないわよ。自分の問題は自分で解決しなくちゃ意味ないじゃない」
「そうだろうか……」
ルインは疑問に思った。
一人で生きてきた彼はこれまでどんな問題も誰の手を借りることもなく一人で解決してきた。
それでもそれは周りに誰もいなかったからだ。仲間も友も。ここにはそれらがいるのだから助けを求めていいと思うのだが、リルフィーはその考えをまるで拒否したかのようだった。
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