《転生屋の珍客共〜最強の吸鬼が死に場所を求めて異世界にて働きます〜》第10話 聖剣と吸

死を覚悟したシュエルだったが目を覚ますとそこは天國でも地獄でもなく、とある異世界だった。

そして自分がいつの間にか招待狀を握っていることに気づき恐る恐るその中を確認する。

容は自分が転生の機會を得たというもの。

現狀が飲み込めないでいるとピンクの髪のが彼の眼の前に現れた。

「ようこそ転生屋へ。店長のリルフィーよ」

「転生屋……」

「まあ、最初は戸うかもしれないわね。けど安心しなさい。ちゃんと要は聞くわ。なんたってここはサービス満開で営業してるからね」

説明をされてもまだ自分に何が起こっているのか理解出來ていないのに追い打ちをするかのようにもう一人、関係者が來てしまう。

「それを言うならサービス神です。お客様が困っているので自慢よりもまずご案を」

「分かってるわよ。それじゃあ、これから転生の手続きをするから」

何が何だか分からないがシュエルは彼たちについて行くがそこで自分の現狀を知ることとなった。

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二人はとある小部屋の前で気づかれないように扉を開けてその中にいる勇者の顔を確認して今後の対策を立てていた。

「奴が今回の客か。隨分と手練れようだな」

「そんなことが見ただけで分かるなんて流石ね。彼はここに來る前は勇者をしてたの」

「勇者か。の勇者とは珍しい。それに……何か妙だな。気配が二つある」

これまでにそういった奴はいるにはいたが、二重人格だからというものだった。彼もそうなのだろうか?

「そうなのよ。実はね、と聖剣が合してて無意識で聖剣が出てきて攻撃してくるの」

間一髪でかわして何事もなかったが、危うくこちらが殺されていたと言う。転生屋の店長が返り討ちに遭ったとなると笑い事では済まされないだろうな。

「確か転生はフラガラッハという剣で殺してからでないといけなかったのだったな」

曖昧な記憶で転生の流れを確認するルイン。失敗した例だが実際に転生をけたおかげで知識はしある。

「ええ、と魂を分離させて魂の方を私たちが他の世界に移させるっていうのが流れなんだけど逆にこっちが殺されそうになったのよ」

「ふむ、それは厄介だ。しかしそれだけなら俺が彼をフラガラッハで刺せば良いだけだろう」

不死ならば聖剣だろうが関係ない。もし聖剣の力とやらで不死が無効化されてもルインからしたらそれはそれで自分の問題が早急に解決出來るのでむしろそちらの方をんでいる。

「殘念だけどフラガラッハは私にしか使えないようになってるのよ。諸々の事でね」

諸々の事とは何なのかーーという野暮な質問はしない。

「となると一気に難易度は跳ね上がるな。聖剣を避けて刺すということが出來れば文句はないが……」

「私がそんなこと出來ると思ってるわけ?」

悪びれる様子もなく堂々と言い切るリルフィーに呆れを通り越して心する。

「いや、言ってみただけだ。だが本人が転生をんでいるのに聖剣がそれを邪魔するとは」

まるで聖剣に意思があるかのようだ。聖剣というのは神がつくったものだから意思があったとしても何ら不思議ではないのだが。

「別にんで來たわけじゃないみたいだし、聖剣が自分のの中にあったのも知らなかったみたいよ」

る程、んでいないというのにここに招待されたというのか。基準がよく分からんな」

俺は無理やりここに來ただ。客として來た者がどういった風な扱いをけるかは知らないが今のままでは転生させられない。

「そこは上の方が決めることだから私は何とも。とりあえず本人は転生するなら平和な所っていうことだから早速作業を始めたいんだけど……」

「魂回収の目処が立たない限りそれは無理そうだな。どれ、ここで悩んでいても仕方ない。俺も勇者とやらと會ってこよう」

ここで見ていても彼のことは分からない。會って話せないと見えてこないものもある。

扉を開けて覚悟を決したルインはその部屋へと踏みった。

「失禮する。俺はここで用心棒をしているカレイド・ノスフェラトゥーグ・ルインだ」

「今の私には近づかない方がいいですよ。勝手に私の一部となっている聖剣が攻撃してしまいますので」

「知っている。俺のを案じているなら無用だ。何故なら……」

そっと手をばすとそこは聖剣の程圏で目に見えない速度でルインの腕はシュエルから出現した黃金の剣によって切り落とされるがすぐに切斷面から赤い糸ようなものが出て、まるで斬られたのが見間違いなのではと疑ってしまうほど元通りとなった。

「俺は不死なのでな」

どんなに斬られても、を流しても、どんな方法でも死ぬことの許されないほどの再生能力がこれだ。

これがある限り俺は死ねない。一回、灰になるまでの攻撃をけた時にもこうして再生した。本當に嫌気が差すほどの回復力だ。

「不死……ここに來てから驚かされてばかりですね。死んだと思ったらこんな世界に飛ばされるし、更に転生をさせてる店で不死の方と出會うなんて」

「皮だろう? だがこれでただ座って待っている必要はなくなった。転生するにはお前を殺さないといけないのだが聖剣が邪魔でな。どうにかならないかと思って來たのだが本當に制はできないのか?」

「今のところは。時間があれば制するコツが摑めるかも」

「その可能を信じて今は待つしかないか。では先に要を聞こうか」

「要ですか。それなら言ったはずです。平和な所なら何処でもいいと」

「ふむ、それは本音か? 裏切られて何か諦めているだけではないのか」

「貴方、何者ですか?」

「ただの不死の化けさ。長年生きていたせいで人を見る目は隨分と養われてなーーというのは噓で々力を使わせてもらった」

卑怯かもしれないがこれが一番手っ取り早かったのだ。別にこいつが何処に転生しようと関係のないことだが、転生屋として客を満足させなくてはな。

「本當に驚かされますね。分かりました。では本當のことを言います。私は元の世界に帰りたい」

の口から真実が告げられた。

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