《転生屋の珍客共〜最強の吸鬼が死に場所を求めて異世界にて働きます〜》第28話 機械人間は淡々と

半分機械だと聞いてんなものを想像しなが思っていたよりも人間らしかった。

というのも來た客はほとんどが人の姿だったからだ。機械らしいのは目の周りに裝備しているゴーグルのようなもの。

それ以外はほとんどが人間のそれと変わらない。よく見てみると機械の部分とそうでない部分がちらほらと確認出來る。

今はリルフィーが彼にこの転生屋の事を説明している。無駄に映像ありでだ。しかも出演者、監督等は全てリルフィーになっている事から準備期間に一人で作ったものかもしれない。

協力を強いられていたらと思うとゾッとする。

そして十分程度流れたその映像が終わると誇らしげにを張るリルフィー。

「というわけで、ようこそ転生屋へ」

映像を見ていない俺たちからしたら何がというわけでなのか分かったものではないが、これで次の段階へ移れる。

「大容は把握しました。それで私は何をしたら良いのでしょうか?」

やけに呑み込むが早い。こちらとしては有難い限りだが、しくらい困してもいいというのに。

これでは調子が狂う。

「どんな世界に、どんなのに産まれ代わりたいのかを決めるの。先に何に転生したいかが決まれば自然とどんなに世界に行くかも決まると思うけど」

「助言痛みりますが、既に何に転生したいかは決まっていますのでどんな世界があるのか分かるようなデータを渡して頂ければこちらで読み取ります」

「データ?」

首を傾げるリルフィー。

先ほどの映像はここにはない技を用いていた。シュエルのいた世界でたとえると魔法のようなものだ。

多分、バルドルの力を借りたのだろう。

彼の世界にはあれを実現させるがあり、ここにもそういったがあると勘違いしている。

「私の世界では換はここにデータのったものを差し込んで行うのですが、やはりここにはないのですね」

脊髄に當たるところには小さながあった。そのの中には部品のようなものが見える。何かを接続する為のものらしい。

「はい。ですがこの本ならば全て世界の報が閲覧出來ますのでこれを參考にしてください」

「良いのか?」

あの本は普通の本ではない。この転生屋には欠かせないだ。

「フラガラッハと同様で私にしか使えないようになっていますので安心してください」

それもそうか。セリエがそんな単純なミスをする訳がない。

「ではこれはお借りします。何処か集中出來る場所があると助かるのですが」

「部屋を用意してあるからそこを使うといいわ。それじゃあ、案するからついて來て」

どうやらあの映像を作っていただけではないようで、客を転生屋の中へと連れて行った。

「それにしてもあの様子だと全ての異世界を確認しそうだな。まあ、半分機械だからそういったのは得意なのかもしれんな」

「得意でも量が量ですからかなりの時間がかかると思いますけど」

「全ての世界の報を読もうとなると仕方のない事だ。悔いの殘らないような選択をするには自然と時間がかかる」

時間を惜しんでいては良い選択は出來ない。そんな事は誰でも知っているからこそ、彼はじっくり考えようとしている。

「ですがこれでまた暇を持て余す事になりますよ」

「慣れているさ。しかし、客がいるというのに何もする事がないというのは虛しいな」

「それでは私の仕事を手伝っていただけますか? 丁度男手がしかったところですので」

「喜んで引きけよう」

資料室の本を読み漁るというのもありだが、セリエからの頼みなら斷る理由はない。

こうしてルインは客が転生先を進めるまでに彼の手伝いをする事にした。

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