《転生屋の珍客共〜最強の吸鬼が死に場所を求めて異世界にて働きます〜》第36話 長期戦へ

は自然なものではないのが見けられた。どうやら敵側が自分たちが有利な地形を作り出したようだ。

つまりこの窟は要塞と変わらない。

守りに徹した敵を攻め切るのは困難でニッグたちの士気とは裏腹に前線を上げられないでいる。

「このままではいけないな。まずは分かっている範囲での地図の作をして策を練ろう。ヨルム、すまないが兵たちから報を集めてきてくれ」

勢いで攻め切れるほど敵は甘くはなく、形勢が逆転される前にファフナーは撤退指示を出した。

おかげで無用な被害は出さずに済んだが狀況はあまり良くない。ニッグの様子からして敵が所持しているという兵は勝敗が決するほど強力なもの。殘された時間は定かではないがこのままでは敵の思う壺だ。

「そんな悠長なこと言ってないで俺に任せろ。次こそは奴らを絶やにしてやる」

「ラドン、俺も同じ気持ちだけどここはファフナーに従おうぜ。急いでも負けたら意味ないぜ」

「ニッグがそう言うなら……だが、あまり長くは待てないからさっさと準備済ませろよ」

それだけ言い殘すとラドンは兵たちの方へと行ってしまった。

「さて、どうしたものか」

これにはファフナーも頭を悩ませる。

まずはヨルムが戻ってくるのを待つしかないが、その時間も惜しい。紙を広げて分かっている範囲での地図を作戦をし始める。

「思ったよりも道はないのだ」

り組んでいると聞いていたのでてっきり複雑な道筋になっていると勝手に思っていたが、道は三つしかない。いや、これはあくまで分かっている範囲だからこれから先、そうなっているのかもしれないな。

ないのではなく、そうされたのだ。奴ら、窟を破壊して道を塞いでいた。元の姿なら問題はないがこの人間の姿ではあれはどうしようもできない」

「けど、何故三つも殘したのだ? 一つに絞れば數の有利では押し切られないというのに」

「二つは罠なんだろう。當たりを引いても他の道を確認させるために戦力は分散されてしまうという訳だ」

下手に手を出したら返り討ちに遭う可能があり、迂闊に行は出來ない。これもまた敵の時間稼ぎ。

「敵はこの戦、まともにやり合うつもりはないようだな。どうするつもりだ?」

「一つ一つ確認している時間はないはず。ここは」

ヨルムが戻ってきて報告をけるとすぐに兵を三分割にして、更に奧へと進軍を始める。

ニッグ、ラドン、ファフナーとヨルムが各軍を率いる事になり二人は真ん中の道を行くニッグの後を追う事にした。

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