《転生屋の珍客共〜最強の吸鬼が死に場所を求めて異世界にて働きます〜》第85話 塗られた來訪者
彼は手を合わせて何もない空を仰いでいた。
ウェーブのかかった金髪が風で揺れ、その瞳が濡れているのがわになる。
彼の隣にはネルが橫たわっており、それがこの場所が儀式をしているところだということを表している。
つまり今回の目的地になるところでそこを引き當てたのはルインだった。
「まさか我々の悲願を阻もうとする者が不死の者とは。どうやら天界の方々は何か企んでいるようですね。それでは私がこの儀式を功に導き、神様の力で正しい方向に修正させなくては」
「天界の事なんて知るか。俺たちはそいつを連れ戻しに來ただけだ」
「ならばこのを返せば我々の邪魔はしないと?」
「俺たちはな」
だが、彼たちには別の者を用意している時間はない。それよりも先に天界の者が討伐部隊を編して送ってくるだろう。
「る程。それもそうですよね。もう私たちに引き返すという選択肢はないということですか。それはとても嘆かわしいことです」
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「大人しく投降する気はないか?」
「殘念ですが儀式が終わるまで私はここで邪魔者を排除すると決めたのです。悲しいですが貴方とは戦う運命があるのです」
涙を零し、それが白い地面に落ちるとそれが堅牢な盾となった。それは彼が涙を流す度に數が増え瞬く間に彼の周辺は盾で覆われた。
「なるほど。どう見ても平和主義そうなお前がここを任せれている理由が今ようやく分かった」
あくまでこの天使共の目的はネルを神に仕立て上げることにある。ルインたちとの勝敗がどちらに転んだとしてもその目的が果たされれば良い。
そして一番重大なこの儀式の場には最も戦闘能力の高い者か、時間稼ぎに適した能力を持つ者が守るのが定石。
彼は後者にあたる。
「そこまでしてお前たちは何がしたいんだ?」
「我々は天使としての責務を果たすのです。ただ従うのではなく道を誤ったらそれを正すのも仕える者としての役目」
「つまりお前たちは主人を見限って新たな主人を自分たちの手でつくろうという魂膽か。それはまた隨分と勝手だな」
「事実、聖杯を無斷でつくられていたというのにそれに何世紀も気づけないでいたと聞きました。そのせいで多くの人間が苦しんだ。とても嘆かわしいことです」
「そうか。だがそうやって涙のを流すのはやめてくれないか? この盾を壊すのはちと骨が折れるのでね」
今あるだけでも両手だけでは數え切れないほどある。これを全て片付けるのは時間がかかってしまう。
早速一つ壊したところでルインはその強固さに焦り出す。
「その力……。まさか不死の存在が神の手下になっていたとは」
「別に奴らの手下になったわけではない。だがお前たちの野はここで終わりだ。そちらが天使としての役目を果たすなら俺は転生屋としての役目を果たすだけだ」
新しい神は天界に混沌をもたらす。そうなったら転生のシステムに狂いが生じる。それだけはあってはならない。
爪で手首を切り、そこから流れ出すを刃として飛ばすがそれは空中で靜止している盾に防がれてしまう。
「戦いは何も生みません。ただ失うのみ。これほど無意味で悲しいことはあるでしょうか」
「そうと分かっても戦わなくてはいけない時があるのさ」
盾に付著したは徐々に侵食して全を包み込んだ。すると盾は支えをなくしたかのように地面に落ち、そのままガラス細工のように々に砕け散る。
このまま同じ方法で盾の數を減らし、盾をつくり出している本である天使の元を切り裂こうとした瞬間、ルインの手が屆くよりも前に後方から放たれた何かに貫かれて地に落ちた。
無數にあった盾が消滅したとこらからして天使は絶命したのだろう。だがそれを確認する暇はなく、突如現れた人に視線を向けその正を知ったルインは驚愕を隠せなかった。
「どうしてお前がここに⁉︎」
黒い帽子の下の狩人の赤い瞳、指の爪が全て剝がれていながらも涼しい顔をした初老の男。
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