《始創終焉神の俺、異世界を満喫する!》異界の神と世界の王 1 自然王降臨

「見つけた,,,」

から出ようとする俺達の前に突如として現れたのは、黒いローブをに纏い影のオーラを現させている細の男だった。放たれるオーラからは俺達に対する敵意や殺意っといったじられないが、見るからに味方ではないのは確信できた。

「お前は誰だ?」

俺は他の皆に「合図を出したら窟の口へ走るよう」後ろに下げ、警戒をしながら問を投げ掛けた。それに対し目の前の男は淡々と答えた。

初にお目に掛かります竜鬼殿、

私は朧闇閻邪(おぼろみ えんじゃ)と申しますれば以後お見知りおきを。と言いましても貴方とお逢いしますのは今回限りとなりますが,,,」

そう言い終わるや否や、彼の背後から現された影のオーラが暴発するほどの勢いで膨張すると俺を覆い被そうと、まるで津波のように迫ってきた。俺は咄嗟に進化した固有スキル「破滅」で閻邪と名乗った男諸とも影を壊した。

津波のように襲いかかってきた影は、まるで異空間に吸い込まれるように消え去った。しかし「破滅」の効果を全く意に介さず無傷のまま立ち盡くす閻邪の姿があった。彼は相変わらずの仏頂面で靜かに呟いた。

「所詮進化してもこの程度か。これなら、私の主[終兜様]はおろか、私の創造主[魔滅罵 咫鵺(まほろば しや )]様のお手を煩わすまでも無い。消えろ,,,」

その2つの名前に俺は納得してしまった。終兜は俺の事をここまで執著に探っていたのか?そして、魔滅罵 咫鵺の名は俺が昔、全世界に災いを振り撒こうとしていた神の名前だ。まさか、あいつも終兜についていたのか。

そして、この閻邪は奴等が送り込んだ邪神なのだろう。確かに今の俺ではこいつに決定的なダメージを與えることは出來ないだろう。

「(絶対的な力の差、俺が持つ者だったのが今では持たざる者に下がってしまったか,,,せめて、他の皆が逃げる時間を稼がないとな。)」

俺は一人、心の中で自嘲しながら後ろの皆へ合図を出すと「創」で限界の量で剣を生み出し、閻邪に向けて一斉放した。その間に紅騎と蒼魔を先頭として、窟の口目掛けて走り出した。ベルクとラナは俺の考えを察したのか此方に走りだそうとしていたが俺が靜かに首を降ると歯を食いしばり、口へと走った。

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幾千の剣が閻邪目掛けて翔んでいく最中閻邪は右手を上に掲げるとそれを一気に振り下ろした。すると、時間が止まったかの如く剣は閻邪の周りでピタリと止まりそのまま魔力へと回帰させられてしまった。更に、それに留まらず振り下ろした右手から発せられた強大な手刀による風圧が俺に迫ってくる。その圧倒的な力の前に俺はただ立ち竦むことしか出來なかった。

「(ここで、終わり、か,,,)」

しかし、次の瞬間、俺に荒れ狂う風圧の刃が屆くことは無く、代わりに俺と閻邪を割くように土石の強固な壁が出來ていた。そして窟の口から大きな聲が聞こえてきた。

「そこまでだ!!」

そちらを見やると紅騎や蒼魔の真ん中に髭を攜え煌びやかな裝を見に纏う、恰幅の良い男が左手を突き出しながら立っていた。その眼は怒りと覇気に溢れており、膨大な魔力で満ち溢れていた。

「誰だ?」

閻邪は邪魔されたことに幾らかの苛立ちを覚え、殺気を込めた聲で聞いた。すると、男は口を開くより早くに閻邪の足元から數々の鋭い木を突き出した。閻邪は後ろへのステップで軽々と空わし、影のオーラを再び滾らせた。

「答える気は無いですか。ならば、ここで消えてください。」

そう言って放たれた影のオーラは先程より威力と速度を大幅に上げた一本の黒い槍となって男に飛躍していく。しかし、黒い槍は男に當たる前に異空間からびてきた草の蔓と石で出來た手によって目前で止められた。

そうして閻邪と男が攻防を繰り返し閻邪の気を逸らしている間にベルクと紅騎、蒼魔の三人が俺の元へ駆けつけてくれた。

「無事か、竜!?」

「あ、あぁ,,,それより、あの仁は?」

「彼こそアースガルド自然國國王のジル・ガイア様だ。事態の収拾のため家臣の反対を押しきって自らここにやって來てくれたんだ。」

「彼は國王にして神の如き恵まれた地の魔法を使いこなす國隨一の武人でもあられる方ゆえ、早々負けることは無いだろう。」

「だそうだ。だから竜、お前はもう休んでいいぞ。」

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二人の説明を上手く働かぬ脳で理解しながら、俺はジル・ガイアという名の男が放つ魔力,,,いや神力をじ取ったことで張の糸がぷっつりと切れたように意識を手離してしまった。

「まさか、ここに居たとはな,,,自然神・・・」

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「うぅ、はっ!?ここは!?」

俺は次に目を覚ますと、部屋に備え付けられている大きく清潔な真っ白のベッドの上に橫たわっていた。そして俺を取り囲むように見知った面々が心配そうに俺を覗き込んでいた。

「おっ!目ぇ覚めたか、竜?」

「安心しました。どこか、おに悪いところはありませんか?」

「良くぞご無事で、竜鬼さん。お疲れ様です!」

「まだ解決してないことも多いがひとまず安心だな。」

「あぁ、全くだな。あっ、俺ガイア様に報告してくるよ。」

「この度はご迷をお掛けしました。神王様も目覚めてくれて良かったです。」

前から順にベルク、ラナ、アテネ、蒼魔、紅騎、ペトラがそれぞれ安堵の言葉を口にすると、丁度部屋のドアから紅騎とれ替わりで俺の配下の四人がってきた。

「竜鬼が目覚めたとは本當か!?」

「主様がご存命で何よりでございます。」

「頭領、お疲れ。皆、生きてる、良かった。」

「いや~、お頭も目覚めて喜ばしいことだ!」

ゼータを先頭にサーガ、アルバロス、フロンティア達の四人は腕や頭に包帯を巻いていた。俺は怪我の合と共に今回の事件の結末を聞いた。すると皆は笑いながら「大したことはない。」と言って、ゼータが代表して事の顛末を答えた。

要約すると、今回の事件での負傷者は數千に上ったものの死者は出ずに済んだらしい。

そして、首謀者たるラノールとシャルドネの骸は未だ決定的なものではないが、焼けきった二人の特徴と合致する死を以て死んだとすることに決定したらしい。

最後に、朧闇閻邪と名乗った終兜の手先であろう邪神は、ジル・ガイアとの激闘の最中、耳に手を當て短いやり取りを數回繰り返すと、霧のようにあっという間に消えていったという。

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ここまで聞いた俺はベッドから起き上がり白の寢間著から自の著に著替え、軽くかしてみた。多の倦怠は殘るがひとまずに大きな損傷や後癥は無いことが分かると俺は[創造]改め[創]となった新たな自の力で回復薬を作り出しゼータ達四人へ與えた。すると、四人の傷はたちまち治り、俺の創で作り出した上級の回復薬に使った魔力が、創造の時よりはるかに量で済んでいることが確認できた。四人は謝と共に、俺の進歩に気付き祝辭の言葉を掛けてくれた。

「起きた早々で申し訳ありませんが、これからガイア様との謁見、もとい今回の事件の詳細な確認を行いますが構いませんか?」

 

一息ついた所で微笑んでいたペトラが真剣な顔になった。聞くとここはアースガルド自然國の中心で閻邪が去ってから俺は、この王宮の醫務室に運び込まれたようだ。そして、閻邪が去ってから実に24時間が経過しようとしている今、目覚めた俺を中心にこの國を救った者達と話をしたいらしい。

俺にもこの國の國王について聞きたいことがあるので了承すると、數分して戻ってきた紅騎と蒼魔に連れられてアースガルド自然國國王ジル・ガイアとの謁見の間にやってきた。重苦しい扉の前では俺達を取り囲むように立っていた兵士が揃って敬禮をし、謝の言葉と涙を溢した。彼等の中では俺達は英雄で、國王本人から堂々とした態度で構わないと言われているらしく、荘厳な扉がゆっくりと開かれ周りの視線を気にせずに赤い絨毯の上を進み玉座の前で靜かに立ち止まった。その間周りの宰相や貴族からは鳴り止まぬ拍手喝采と歓迎と謝の言葉を浴び、玉座に座る彫りの深い白い髭を攜えた黒髪の男はその目元にうっすらと笑みを浮かべていた。

俺達の室が終わりジル・ガイアがゆっくりと右手を挙げると、それまでの大きな拍手や歓聲が噓のようにピタッと止んだ。周りが落ち著いたのを確認し終わるとジル・ガイアは自ら口を開いた。

「まずは此度の窮地を救ってくれたことを心より謝する、紅騎君、蒼魔君、そして,,,竜鬼様とその仲間達の方々。」

そこからは今回の事件の収束に関係する意見が幾つか飛びい、數時間して何事もなく謁見は終了した。すると、ジル・ガイアは自分と俺達以外の全ての宰相や貴族をこの部屋から退室させ、殘された者達の本當の會議が始まった。

「まず、確認だがお前は自然神だよな?」

「ええ、またこうして會うことが葉うとは、栄にございます。」

堅苦しくも、どこからかい微笑みを浮かべながらジル・ガイアこと自然神が答えた。

その発言にゼータ達四人とベルク、ラナ以外の者達が聲を上げて驚いた。しかし、その強さと、この國が作なのに納得がいったのか、深くは聞いてこなかった。そして、ジルが口にしたのはこれまで明かされなかった謎の、神が消える事件の真相だった。

「私が消えたあの日、目の前に現れた空間の裂け目に吸い込まれ、気付くと私はこの地におりました。それが約50年か前のこととなります。私が放り出されたこの土地は乾ききっており、自然災害も多い場所でしたが、そこに生きる者達がおりました。私は自らの使える力を使用しこの國を作り上げました。そして、その國の王として私は今ここにいるわけであります。」

サラッと50年前といったが、俺達神にとって數十年とはあっという間に過ぎてしまう。俺も今では人間として楽しみや悩みが出來たことで普通の時間の流れをしているが、神々の王であった頃の一年が一分のように過ぎていったあの日々が今はどこか懐かしく思えてしまう。

「こちらから質問しても宜しいでしょうか?」

俺は肯定の意を示すとジルな真剣な顔で聞いてきた。

「あの邪神、閻邪から終兜の神力をじました。私がいた頃であれば竜鬼様への反逆が出來る神などおるはずがありませんでした。一、神界では何がおこっておるのですか?」

あの短時間で終兜の神力をじとるとは、さすが、最古の神の一柱。心した俺はここまでの経緯を事細かに話した。

話し終わる頃にはジルは複雑な顔をしていた。

「なるほど。遂に貴方と対等以上に渡り合う神が誕生しましたか。しかし、終兜がそこまで竜鬼様を邪魔と思っているのなら、この世界も危ういですからな。私も一國の王としては、到底心から喜べるものではございませんな。」

バッサリと言って放ったのはジルの本心。彼も俺が造り出した神の一人なのだが、俺よりも心やの発達が早く、最古の神々は俺を叱ってこれる、いわば親といっても過言ではない存在なのだ。そんな彼に言われた通り、俺もこのまま自分のせいで世界を破壊させるわけには行かない。そのための俺の考えていた策をこの期に話しておくことにした。

「勿論だ。だから、俺も自を鍛え直そうかと考えていてな。この世界を回って俺の力を持つ魔を片っ端から倒しに行こうと思う。」

その瞬間周りの仲間達からは、それぞれ困や驚きをにしており、ジルだけが冷靜に俺の話に対する案を口にした。

「然らば、全國の王に竜鬼様が向かうことを伝えておきましょう。そうとなっては善は急げ。ささ、お早く。」

俺はジルと念りに換を行ってから、アースガルド自然國の町にでた。ジルは俺達に目立たないようにと旅人のローブをくれた。おかげで、周りの人々からバレている様子は無くスムーズに宿を取ることが出來た。

「それじゃあ、これからの方針について、決めていこうか。」

各々、思うところはあっただろうがこの件は早期行が求められるのだとじ私語を慎んでいた。

「紅騎と蒼魔はどうするんだ?」

「俺達は一先ず天國と魔國にそれぞれ戻って平和條約を結び、貿易やお互いの國民の意識の改善を図ろうと思う。」

「真の黒幕であるラノールとシャルドネも消えた今ならば國民の不安を取り除きつつ、友好な関係を築いていけると思うんだ。」

彼等は今や天國、魔國の最上位の権力者なのだ。突如異世界に呼ばれ、この年で一國の王になるとはプレッシャーも半端ではないと思うのだが、これまでの経験が二人をここまで長させてきたのだろうか。

「そうか、ならアルバロスも一緒に行くと良いだろう。」

「俺は、構わ、ない。」

「良いのか!?こちらとしては嬉しいことなのだが。」

「天魔にとって、アルバロスという神に等しき存在がいれば話を聞いてくれるはずだ!」

三人の了承を得れたので、三人は天國、魔國をいずれ統合して天魔國となるよう頑張って貰おう。

「そして、ゼータには神界に戻って現在の狀況を確認、報告してほしい。」

「分かった。終兜達に反抗する神々の指揮は任せていくれ!」

終兜達を信仰する神がいるならついてくれて構わない。俺のむ全員が本音で語り合える上下関係を無くした世界のために必要ななのだから。しかし、終兜達を否定して、存在を抹消される神々が出ないとは限らない。そのためにゼータには神界での反抗勢力の統率を任せておきたいのだ。

ここまでは決定事項だがサーガとフロンティアには任せる任務は無くどうしようか悩んでいた。すると二人は自らの要を口にした。

「それなら、私は世界の環境問題を見て改善できるよう回りたいのですが構わないでしょうか?」

「俺もこの世界の魔法水準をしでも上げられるように、世界を見てきたいんだがいいか?」

詳しく聞くと二人ともこの世界の弱點を補い、これからの困難に乗り越えられる力を蓄えていたおきたいらしい。それならば俺も賛だし、むしろ、こちらから依頼したいほどだ。

「あぁ、頼む。この世界の力を高めてくれ。

そして、最後にペトラ、お前はどうするんだ?」

ペトラは義手の方の手を、前に持ってくるとおもむろに手を開いた。その中にはテトラ型の謎の魔法石が握られていた。

「私は、レザリウス國に戻り今回の事件をまとめようと思います。そして、この魔法石は、近年現れた謎のダンジョンの口の鍵にソックリなんです。もしかしたら、これがあのダンジョンを開く鍵なのかもしれません。」

「そのダンジョンが俺達と何か関係があるのか?」

「はい、このダンジョンは神王様が亡くなった日に空から落ちてきたの塊と同位置に出來たものなんです。ならば、多分このダンジョンにも神王様の力が眠っているのではないでしょうか?」

早速、俺の力の在処が分かりそうとは。それならば、俺の最初に行く場所も決まったな。

「よし、じゃあ俺とベルク、ラナ、アテネはペトラと一緒にレザリウス國のダンジョンを攻略する。」

「「「「了解!」」」」

四人も納得し、無事全員が目的を発見したため、今日は、アースガルド自然國の観をすることで1日が終わった。

翌日、俺が目を覚ます頃にはほとんどの者が支度を始めていた。といっても、全員[アイテムボックス]を持っているため手荷は無いのだが。向かう場所の進路や武の手れ、食品の管理など詳細に決めていた。なにせ、ここからは別行となるため、各々のレベルアップを図る良い機會でもある。準備を怠らないに越したことはない。俺は紅騎と蒼魔に「武はそれで良いのか?」と聞いてみたが、

「確かに憎い剣だが力は絶大だしな。これで守りたいものを守れるなら何だって構わない。」

「我等を利用したあいつらからの贈り、最大限に利用してやろうではないか。」

と本當に心の長をじた。転移させられて、地球への帰還方法を探していたのに今では自國の民のために奔放することになって。それでもここまで強くあり続けられるのは人間の順応力といったものなのだろうか?

皆が準備を終える間に久々に俺も自の武を見直すことにした。俺はスキルを発し[創]の世界へとっていった。

(何を造るのですか?)

(「新しい刀を頼む。」)

(畏まりました。開始いたします。)

そこから、俺は試行錯誤を重ねつつ今の俺が持てる限界の刀を造り出すことになった。

出來上がったのは一本の刀を象った[世界]だった。刀の刃には神界でしか取れない神煌石(しんこうせき)を打って造られた銀の刀に白金の線がっている。柄には天魔のを押し固めることで出來る魔力伝達が最速とまで言われる白黒の杖となった。鍔には誠の王のみしかけ付けない意志ある王冠の中心に嵌め込まれていた漆白の覇石だった。これにより、この刀と俺の波長を合わせれば刀の形狀を無限に変えることが出來る。鞘には古代の守護魔竜自の肺を加工した空気中の魔力を無限に保管する純黒のが出來上がった。

これら一つ一つの素材だけで世界中で戦爭が起こるほどの四神寶とかつて呼ばれていたの結晶が今俺の手に握られている。そして、初めて持ったはずなのにその形狀、重力、魔力、全てが俺に染み付いてくる懐かしさをじる一品となった。

(「完だ。」)

(主からの完の意を諾。お疲れ様でした。)

[創]の世界から戻ってくるとほとんどの魔力を消費しているのが分かった。しかし、そのおで新しい力を手にすることができた。

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名稱 神龍王魔の夢幻刃  

ランク 神帝王    分類 究極の武 

説明 その刀から放たれる斬擊には、神力が含まれており並の武では、け止めきれない。その柄を摑み放たれる魔法は念ずるだけで発する。その鍔にれ意識することでこの武は無限の姿となり力を振るう。その鞘は常に空気中から魔力を吸い続け、この武を不壊、不滅の武に知らしめる。全ての能力は主の意志で切り替え可能。

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かなり強めの能力を得ることが出來たのではないのだろうか。一先ずこの刀でどこまでやれるのかダンジョンで試そうと思っている。どうやら、ベルクとラナも俺の力が上がったことで武としての力が上がっているらしく、更にアテネも自のレベルを上げたのでダンジョンには久々にこの四人で挑もうと思っている。そのための策はすでに練り始めている。

などと一人で考え込んでいると皆が準備を終えており、俺達は朝飯を食べると宿を出た。さすが、自然國なだけあって、料理に出る食材は鮮度が良かった。まぁ、一番したのは水なんだけどね。一切の濁りが無く無明、味はほんのりと甘味があり、の中から洗浄されていくように澄んでいた。

アースガルド自然國の門前に集まった俺達はお互いの無事と更なる力の獲得を願ってそれぞれの道へと進んでいった。

「それじゃあ、皆気をつけて。次會うときは連絡するから、それまで各自鍛練を忘れずにな。」

「頭領、も、には、気を、付けて。」

「竜鬼に追い付けるよう俺達も強くなるから。」

「それまでには我等も國を1つにしてみせようぞ。」

「竜鬼、神々がどう行しようと、俺は俺のやりたいようにやるからな。」

「主様の力をこの世の中に広めて參ります。」

「お頭には、お頭しか出來ねえことをやってくだせぇ。」

それぞれが自の道を進んだ後には俺とペトラしか殘っていなかった。ベルク、ラナ、アテネの三人には、になってもらってるため、ここからの移はペトラの持つ魔法玉を使用するらしい。詳しく聞くと、國の重鎮にはどれだけ離れていても一瞬で祖國に戻ってこられる魔法が込められた魔法玉を渡されるらしい。効果は対象者を指定位置まで転送するらしいのだが、対象者は二人までという上限があるため三人にはになってもらったという訳だ。

「それでは私達も行きましょうか。」

「レザリウス國に行くのも久し振りにじるな~。」

この事件でかなりの時間を過ごしたようにじるのも俺が人間になったからなのだとけ止め、ペトラと共にレザリウス國へと向かった。青白いの中に進むと重力がふと無くなり、が徐々に消えていった。あまりの量に目を瞑っていると、重力が戻ってきても弱くなった。目を開けてみるとそこはレザリウス國のギルドにあるペトラの部屋だった。

「本當に一瞬で著いてしまったな。」

「中々便利でしょう?」

そのまま俺達はレザリウス國の王達との面會を行うため城へと向かった。その道中、思わぬ再開があった。それは、金髪碧眼で神々しい鎧を著ている此方を見付けて泣きながら走り寄ってくると、尖った耳と黒髪に深緑の目が印象的なダークエルフのだった。 

「竜鬼ざぁぁん。グスッ、よ、よくぞご無事でぇぇぇ。」

そう言ってそのまま抱きいてきたレザリウス國の真の勇者クラン・メリベアスを泣かせてしまった。そんなに心配してくれていたのか。申し訳ないことをしてしまったな。

「あぁ!す、すみません、突然!ご迷でしたよね?」

「いや、むしろ心配させてしまって本當にごめんね。」

そういうと後ろから歩いてきた冷靜な、しかし目を潤わせている盾の勇者シオン・ベルベットが口を開いた。

「本當よ、バカ!どんだけ心配したと思ってんのよ!」 

周りからは「クラン様を泣かしているあの男は誰だ!」とか「シオン様に心配させるとはあの男許しておけん!」とか囁かれたり、こちらを見やる目線が痛いので、なんとか二人を落ち著かせその場を離れ急いで王城にるとペトラがニヤニヤしながら話しかけてきた。

二人を心配させるなんて罪深き人ですね~、神王様?」

「お前までやめてくれよ。本當に反省してんだから許してくれよ。」

「い、いえ、竜鬼さんではなく、私達が悪かったのでお気になさらないで下さい!」

「そうね、さっきは悪かったわ。ご、ごめん。」

とりあえず、お互いの近況を報告しあうと二人もダンジョンに一緒に行きたいと言い出して、「積もる話もあるでしょうから~」と言って一人で面會に行ったペトラは國王のベノムとの面會を終わらせ、謎のダンジョンには俺と俺の同行者なら誰でもって良いことになったらしい。

「(二人も勇者だし、二人を鍛えればこの國の守りも上がる。別に悪い話ではないか。)」

「分かった。一緒に來ても構わない。ただし、俺が引けと言ったら無理せず必ず引いてくれよ。」

「分かりました。足を引っ張らないよう頑張ります。」

「分かったわ。それじゃ、宜しく。」

二人も加わりダンジョンには総勢俺、ベルク、ラナ、アテネ、クラン、シオンの6名で挑むこととなった。ペトラはギルドの仕事が溜まっていると職員に引きずられて行った。帰り際に、「病み上がりなのに~!」とか言ってたけど愁傷様だな。

ダンジョンはレザリウス國の唯一の森[想(まそう)の森]と言う所の奧地にそびえ立っていた。草木に覆われ苔が生えており、到底最近出來たとは思えないが、ペトラが言っていた通りダンジョンには不自然な窪みがあった。連れていかれる間近にペトラが渡してくれたテトラ型の魔法石を嵌めてみると小規模の地揺れが起こりゆっくりと扉が開かれ下へと続く階段が現れた。俺はクランとシオンに伝えてからベルク、ラナ、アテネを呼び出すとそれぞれの獲を確認してダンジョンに潛っていった。

____________________

「なぜ、止めを刺さずに呼び出されたのでしょうか?」

「すまないね、閻邪よ。もうし離れてくれないか?人間共の世界に降りた神などと、一緒に居たくないのだよ。」

殺気を込めて放たれた言葉に有無を言わせず閻邪のは終兜によって壁に叩きつけられた。しかし、終兜の目には一切のも願も伺えない。王座に座る終兜は背後から現させた紫黒の手で閻邪の右手を摑むと自の力を流し始めた。

「今回、君が戦ったことで、竜鬼一同は己を鍛え始めるだろう。大いに結構!いやむしろそうしてくれなければ面白くない!!君には彼が強くなってから徹底的に潰してほしい。そのために私の力の一部で君の右腕を私の持つ剣と同一のを與えようじゃないか。どうだい、栄だろう?」

そうして、虛構を覗く瞳を向けられた閻邪は痛みに堪えながら必死に聲を出した。

「は、はぃ、いッ。恐悅至極に存じ、上げ、ま、す。」

質問されたから答える。その當たり前のやり取りに終兜から返ってきたのは力を込められた手と激怒の言葉だった。

「誰の許しを得て私に口を開いたッ!!」

閻邪の右腕がギシギシと凄い音を立てて関節と反対の方向へ曲げられていく。閻邪は理解不能な理不盡と激絶な痛みに阻まれ、謝罪の言葉を口にできなかった。數分その痛みに耐えると突如右腕の手が力を緩め、終兜からも怒りのは抜け去りいつもの淡白な無表が殘っていた。

「何をしている?早く出ていけ。」

もはや口で通じる相手ではない。そうじた閻邪はすぐさま終兜の王宮から抜け出した。すると待っていたのは自の想像主[魔滅罵 咫鵺]だった。

「咫鵺様!終兜様は一どうなされてしまったのですか!最早あれは狂神の域ッ!一あの頃の冷靜沈著、頭脳明晰だった私達の終兜様のに何が起きてしまったのですかッ!?」

閻邪の問い掛けに咫鵺はゆっくりと口を開くと靜かに語った。

「分からない。あの方に何が起こったのか。しかし、我等はあの方に付いていくのみだ。」

閻邪はすぐ悟った。「こいつは誰だ?」「こいつが、あの魔滅罵 咫鵺様なのか?」と。咫鵺様は派手なきと言が特徴だった。しかし、今目の前にいる、咫鵺様の皮を被った存在とは遠くかけ離れている。すると目の前の咫鵺モドキは口に笑みを浮かべ呟いた。

「私から・・・力を貰っただろう?あれは與えられただけでは使いこなせないのだよ。」

そう言ってゆっくり、ネットリとこちらに近づいてくる。閻邪のはその場から離れようとしているのに自の右腕がそれを拒む。

「まぁ私,,,いや、俺様・・の存在に気付いちまったからにはもうその人格、要らないな。」

とうとう目前にまでやって來て閻邪の頭蓋骨を鷲摑みにした咫鵺モドキははっきりと、その顔に憎悪の笑みを浮かべて手に力を込めた。

「う、ウォォァァァッ!!!」

、、

、、、

-私は誰だ?私は閻邪。-

-私は何をする?私は竜鬼を殺す。-

-それは誰のため?それは終兜様のため。-

私は重たいを起こし、右腕俺様をもってゆっくりと歩き出した,,,

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