《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第2話

貓耳娘は橋を渡りきると、四つん這いになり肩で息をし始める。

大地は目の前の貓耳娘を見ながらフリーズしていた。

貓耳娘はスラッとした格で長は150センチぐらいだろうか、黒髪ショートから貓耳が生えており、服裝はお腹周りが破れている簡素な黒いシャツにナイフが裝著されている短パンを履いている。

するケモミミ娘を見てフリーズしていた大地だが、目の前で辛そうに呼吸をする貓耳娘の様子をみて我に返ると、新しく水のったペットボトルを再現しキャップを開けた狀態で貓耳娘の顔の橫に置く。

「大丈夫か?水良かったら飲んでくれ。」

「あ・・りがとう・・ござい・・ます・・」

貓耳娘は四つん這いから座りになり、ゆっくりと水を飲む。し落ち著いた後、お禮を言おうと大地の方へ顔を向けた瞬間、貓耳娘が狼狽し始めた。

「人間が何故ここにいるのです!」

貓耳娘は慌てた様子のまま、腰から短剣を取り出し両手で構える。大地は意味が分からず説得を試みるが聞く耳を持たない。

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「俺のするケモミミに手荒な真似はしたくなかったんだが。」

大地はボソッとつぶやくと貓耳娘の両手に手錠を再現する。

急に両手を封じられた貓耳娘は手錠を外そうとして短剣を落としてしまい、その短剣を拾おうとしてそのまま転倒してしまう。

転倒した衝撃で大地の方へ弾かれる短剣。大地がそれを拾い上げたのを見ていた貓耳娘は怯えた表で大地を見つめる。

「私を奴隷にでもするつもりですか!? それとも殺すつもりですか!?」

「あのな、殺すつもりなら今してるだろ?俺は君をどうにかするつもりはない。とにかく話がしただけなんだ。」

「えっ本當に殺すつもりも奴隷にするつもりもないんですか!?人間なのに?」

「君の中の人間がどんな存在なのかは知らんが、さっきからそう言ってるつもりだったんだが。わかってくれたなら手錠を外すけど、どうする?」

「不思議な人間ですね。わかりました。これを外してください。」

大地が宣言通りに手錠を外すと、目をキョトンとさせながら大地を見る。大地は貓耳娘に自己紹介をする。

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「俺の名前は石田大地。さっきは手錠で両手を拘束してすまなかった。そうでもしないと話が出來ない狀況だと思ってな。」

「あっ私の名前はルルです。こちらこそ助けてもらったのに、攻撃しようとしてすみません。というか・・・ なんで人間の大地さんがこんな所にいるんですか?」

ケモミミからの名前呼びに一瞬キュンを覚える大地だが、直ぐに気持ちを立て直しルルの疑問に答える。

「違う世界から飛ばされて、気付いたらこの林の中にいた。」

「違う世界ってなんですか?」

怪訝そうな顔で大地の顔を見るルル。そんなルルの表に気付き、大地は頭を掻きながらため息をついた。

「今言えることは、あの魔獣みたいなのがいない世界ってことぐらいかな。」

ルルは頷きながら「それはいい世界ですねぇ~」つぶやく。

ルルの敵対心が薄れているのを確認するとルルのインプットを行う。

名稱 ルル=ディシント

種族 貓人族

年齢 16歳

能力値

腕力E 力D 敏捷C 魔力C

保持スキル

「水魔法」「敏捷強化」

狀態

「栄養失調」

ルルのステータスを確認した大地は無言でルルの前に料理を再現していく。

ルルは目を輝かせながら料理を見つめる。

「お腹減っているんだろ。時間的にも夕飯時だし、まずは食べてからにしよう。」

ルルは最初疑っているのか料理の匂いを何度も嗅いでいたが、大地が食べ始めたのを見ると、安心したのかがっつくようにルルも食べ始めた。

味しい!! 大地さんこれ何て料理ですか?」

「それはハンバーグっていう挽を丸めて焼いた料理だ。」

「あっこれも味しい!! 大地さんこれは?」

「それは唐揚げ。鳥のを油で揚げた料理。」

「これも凄い風味が良いですね!! これは―――」

「それは味噌。味噌っていう豆から作る調味料を使ったスープみたいなだ。」

よほど味しかったのだろう。ルルは一つ食べる度に歓喜し料理について説明を求める。

大地は何度も質問してくるルルにうんざりしながらも、目の前で嬉しそうに食べるルルを微笑ましそうに見つめる。

食事を終えた大地は満足そうにお腹をさするルルにこの世界を聞こうとすると、急にルルが焦ったように聲をあげる。

「あっ!! やばい・・村の事すっかり忘れてた!! 今頃みんな心配してるかもな・・」

「村があるのか!?!?」

「えっ村という程のものではないですけど・・・」

「よし!!案してくれ!!」

「えっでも・・・」

「よし。わかった。案してくれたら、さっきと同じ様な料理をまた食わしてやる。」

「・・・・・村への案は出來ますが・・その後の事は保障できませんよ?」

「そんな危険な場所なのか?」

「あの~それ本気で言ってます? 本當に変な人間ですね。まぁその辺の話は村に行きながら話ましょうか。」

そう言うとルルは立ち上がり、大地に手をばす。大地はその手を取りながら立つと、橫並びに村へと歩き出した。

村へと歩く道中、大地はルルから今からいく村の事、獣人の事について聞いていた。

「私達、獣人の祖先は人間に國を追われ、この林に逃げてきたそうです。だから獣人で人間を恨んでいない人はいません。だからもし大地さんが村の近くまで行けば警備兵に捕まってしまいます。私も一応説得しようとは思いますが、あまり期待しないでください。もし襲ってきそうなら、大地さん不思議な力を持ってますしそれを使って逃げてください。」

「逃げるって簡単に言ってくれるな。何も知らない狀況で林の中一人はさすがに厳しいだろ。」

「確かにそうですけど。いざとなれば橋を出した時みたいになんかすごいの出せるんじゃないですか?」

「すごいのって何だよ。とにかく俺は村にりたい。命助けて飯食わしたんだから、協力してくれ。」

「・・・とりあえずやれるだけやってみます。でもあんまり期待しないでくださいね。」

そして村まであと一キロというところでルルの予想通り警備兵と思われる獣人が現れた。

「ルル無事だったのか!!」

目の前には調は2メートル近くあり虎を擬人化したかの渋い男と、その後ろに熊を擬人化したような大柄な男が2人控えていた。

安心した表で虎の男はルルに聲をかける。しかし隣にいるのが人間だとわかると怒気を込めた口調でルルに問う

「何故ここに人間がいる!! ルル説明しろ!!」

「私が魔獣に襲われていた時に助けてくれたの。」

「人間が獣人を助けた? そんな事信じれるわけないだろ!!」

「信じてくれるとは思ってないけど、本當の事だもん! とにかく大地は他の人間とは違うの!  お爺様を呼んで來てください。人間を特に嫌ってるガランじゃ話になりません。」

ガランはキッと睨むように大地に視線を移す。その目には濃に凝された憎悪の炎が宿っている。

「おい人間!!どういうつもりだ。ルルに餌付けでもして信用させたか? けどな俺は騙されんぞ! 大方俺たちを信用させて、後々帝國にこの村の報を売るつもりだろ。どっちみち村の場所を知られた限り生かして返すわけにもいかんがな。」

ルルが餌付けと聞いてビクッと反応する。ガランはそれを見て呆れた目線をルルに向ける。

「獣人が人間を恨んでいるのはルルから聞いた。俺に獣人に対する敵対心はない。どうやったら信じてもらえる?」

「・・・・じゃあまずはルルを開放しろ。」

ルルの開放を指示された大地はルルに小聲で話しかける。

「さっきのお爺様ってのは話が通じそうか?」

「今でも流のある人間がいるみたいだから、話自はしてくれると思う。」

「よし。じゃあ先に村に戻って、そのお爺様に俺の話を通してくれないか。」

「うん。わかった。」

「おい!!何をしてる!!早くルルを開放しろ!!」

痺れを切らしてガランが怒聲をあげる。大地はルルの背中をポンと叩くとガランの元へ送り出す。

ルルも一瞬心配そうな表を見せるが、大地の何も気負わない表を見て安心したのか、ガランの元へ走り出す。

「そっちの條件は飲んだぞ。」

「じゃあ次は両手を後ろに組んで、後ろに向いたままそこに座れ。」

「わかったよ。」

大地は指示通り、両手を背中の真ん中で組み、後ろを向いたまま座る。二人の熊の男が大地に近づいてくる。

「もししでも変な行をしたら即刻切るからな。」

「へいへい。」

大地は軽口を叩くと、抵抗することなく熊の男達に両手を縛らせ、目隠しをされる。

すんなり高速される大地に怪訝そうな目を向けるガラン。

「人間。お前いったい何を企んでいる?」

「だから言っただろ。俺に敵対心はない、どうやったら信じてくれるかって。」

拘束されながらも、軽い調子で話す大地にこれ以上聞いても意味がないと判斷したガランは大地を連行させるように指示を出す。

大地はルルが上手く話をつけてくれていると信じ、素直に連行されていった。

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