《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第16話
大地達は意気揚々に林の中を駆け抜けていた。
今大地達が乗っているのは大人數移を目的とした超大型車、そういわゆる大型バスだ。
材質はもちろんディシント鋼で作っており、大きな晶石を積んでいる。
窓は付けず吹き抜けにしている為、心地良い風が車にってくる。
もちろんセキュリティをバスに設定している為、どんな事があっても壊れることはないし車に攻撃が屆くことはない。
このバスの作には多手こずってしまい數日間を費やしてしまった。
ただのバスなら直ぐに作れたのだが、目的地に何時つけるかわからない以上、三十人程度の人數が暮らせるだけの設備がしかった。
その為大地は快適さを求め試行錯誤を繰り返していくうちに、見た目はバスだが中はハリウッドVIPが使う様なキャンピングカーになってしまっていた。
細かい裝にこだわってしまい不必要な時間を使ってしまったのはみんなには緒だ。
最初にこの大型バスをルル達に見せた時の反応には笑ってしまった。
何故なら度肝を抜かれたように大口を開けたまま唖然とした狀態で固まってしまっていたのだから。
パーキ達だけは目をキラキラさせて質問攻めをしてきたのだが、その様子を見る限りパーキ達子供達の方が事に対するはあるように思える。
そんなこんなで度肝を抜かれたルル達だったが一度乗ってみると意外と快適だったらしい。
「はやぁ~い!」
「こらフィア顔を出すのは危ないからやめなさい!」
「ゼーレ姉ちゃん景がぐるぐる変わるよぉ~」
「マーレまでフィアの真似はしないの!!」
「ライラこの椅子フッカフカだぞ!!」
「パーキ!!危ないから飛んだり跳ねたりしないの!」
「大地さん・・私し気持ち悪くなっちゃいました・・・」
「ルル大丈夫か?しんどいなら橫になれ。」
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「あ!じゃあ膝貸してください!」
「お前酔ってないだろ・・・・」
車では既に子供のようにはしゃぐフィア達を叱るゼーレ達という構図が見事に出來上がっていた。
ゼーレの叱りながらも楽しそうな表を見せているところを見ると、なんだかんだバスでの移を楽しんでもらえているようだ。
まぁ若干一名楽しめていない者もいるが。
まるで遠足に行く園児のように賑やかな車中ではレイとガランとマヒアが目的地への線を話し合っていた。
目指しているのはトームとユーリスの境のサイラスが居ると思われる領地。とりあえずトーム方面に出る事を決め、大地に報告するレイ。
「大地さん、次はあっちの方角をお願いします。」
「了解。みんなシートベルトしとけよ。し揺れるぞ。」
ルルに無理やり膝を取られた大地がアウトプットを使い出す。
するとバスの前方からザレウスが出したのと同じ熱線の魔法が出現し、レイに指示された方角へ放される。
瞬く間に林は焼き払われ一筋の道が現れる。
「こんな林の抜け方大地しか出來ねぇよ・・・」
「なんともまぁ規格外なお方だ。」
ガランとマヒアは今更だなとじながらも嘆していた。
もちろん大地達が通り抜けた道にはアウトプットにより新しい林が出來上がっていた。林に道が出來ていては帝國に怪しまれる可能も高い。超高速ながら慎重に林を抜けていく。
村には獣人全員のコピーを作し、いつものきのプログラミングと、帝國が來た時に備え戦闘プログラムをれておいた。
また大地が作した武や防等は必要な以外は全て除去しておいた。これで帝國兵が來てもこちらの報を與えることはなく、適當に戦った後にコピーが死ぬ事である程度はごまかせるだろう。
しかしあまり安易に考えてはいけない。
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何故なら今大地達には拠點がない。それは戦う上でかなり不利な狀況だ。
ある程度ごまかせるとしても、自分達の報がいつ帝國にるかわからない。
帝國に命を狙われている以上、帝國に自分達の生存が知られる前に出來る限り早く拠點となる場所を見つけ、帝國との戦いに備えないといけなかった。
その為大地はそのサイラスと思われる人を足がかりに、トームに大きな拠點を作るつもりであった。
走り続けて約一日。ようやく鬱蒼と生い茂る林を突破した大地達。
「うわぁ~~~!!」
「なにこれ凄いよ凄いよ!!」
「すごいキレイ・・・」
「「「お外だぁ~~~!!!」」」
林を出ると、目の前には視界を遮るのない広野が広がっていた。
大地はただの広野にしているルル達や、大きな聲をあげながら興味深そうに外を眺めるパーキ達を見て、これまでルル達が人間の迫害により、どれだけの我慢を強いられていたのかを察した。
そしてそんなルル達の境遇を知り、どんなことをしてでもトームの領地を手中に収め、獣人の為の國を作る事を靜かに決意する。
『こんな事考えるなんて、俺は本當に人間にとっての破壊神になっちまったみたいだな。』
慨深そうにそんな事を考えながら、外を見ていた時、大地が急に兇悪な笑みを浮かべた。
『やっときたか。お手並み拝見と行きますか。』
大地は意識を村に殘したコピーに集中し始めた。
「シリウス小將。獣人の村まで殘り一キロです。」
「そうか。ご苦労。相手は赤い閃なる魔法を使う。常時結界魔法を張りながら進め。」
シリウスは部下に前進の指示を出す。副には宮廷魔法師第十位のメリアがついて來ていた。
メリアはめんどくさそうに頭を手の後ろに組んだ狀態でサリウスの後ろを歩く。
「メリア!もうし張を持ってけ!」
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「シリウス小將。正直五萬の兵を員する指示を出したのはやりすぎじゃないですか? おかげで私も副として付いていかないといけなくなりましたし。」
「貴様は本當にたるんでいるな。末席とはいえお前も宮廷魔法師だ。陛下の決定に対してむやみな発言はするな、味方を殺す趣味はないからな。」
「そうは言いましてもザレウスさんがやられたんなら、私じゃ相手にならないですよ。死んでこいって言われてるようなもんですよ。」
「ぬかせ。お前が日頃の魔法訓練で手を抜いているのはわかってる。上位になればそれだけ々な仕事が回ってくるからな。大方それが嫌なのだと思っていたが。」
「またまた!過大評価もいいとこですよ!」
「シリウス小將。メリア大佐。村が見えてきました。」
シリウスは前線の部下から報告をけ取るとメリアとの會話を打ち切り、そのまま進軍を命じる。
第一陣として一萬の兵が城門に向け、雄びをあげながら突撃していった。
しかし城門前に急に現れた巨人によって、突撃した兵は蹴散らされる。
「何事だ!? 報告せよ!!」
軍の中央辺りにいるシリウスは城門前で兵士がゴミのように蹴散らされている景に驚愕する。
「ゴーレムが三出現してきて現在戦中です。しかし普通のゴーレムと違い、理攻撃にかなりの耐を持っているように思えます。」
「前線の兵士はそのまま前線維持に努めろ! 魔法師隊! 前方三のゴーレムに複合魔法神炎を放て。」
前線の兵士達は戦するが、理攻撃が効かない時點でゴーレムからしたらただの壁でしかなく、次々にゴーレムにより圧殺されていく。
多數の兵士達が犠牲になる中、ようやく複合魔法の「神炎」の発準備が整う。
シリウスの散開の合図で兵士達が左右に散り、その瞬間魔法師達は神炎をゴーレムに放った。
神炎は不死鳥の様な形になり、ゴーレム達を食らうように飲み込むと、城門付近が炎に包まれた。
しかし三のゴーレムはその炎の中から出てきた。
魔法師達が驚きを隠せず、後ずさりする中、シリウスが檄を飛ばした。
「良く見ろ! ゴーレム共のは神炎により溶けかかっている狀態だ! 兵士は今まで通り前線の維持を行え。魔法師は兵士達の隙間から魔法を放て!」
確かにゴーレム達は無事とはいえないダメージを負っていた。
兵士達が檄に反応しゴーレムが溶けかかっている事に気付くと攻勢に出る。
しかし兵士達が突撃を開始しようとしたときゴーレムのきに変化が現れた。
これまでの城門の前でってくる兵士を撃退していた守りのきをしていたゴーレム達が、急に自ら突進してくる攻めのきを見せる。
ゴーレム達の攻勢に出る行に一時的に指揮系統が麻痺してしまう第一陣の兵士達。
ゴーレム達はそのまま急速に加速し第二陣にまでりこんでいった。
シリウスは再度檄を飛ばし第一陣と第二陣で挾み込んで対処するように指示を出す。
ゴーレムの囲うような陣形をとる兵士達。
すると先程まで攻勢に出ていたゴーレムのきが止まった。
兵士達は遂にゴーレムが力盡きたのだと思い、歓喜の聲をあげようとした時、三のゴーレムのがり始めた。
兵士達が不思議そうな顔でそれを見つめていると、そのは急に大規模な発に変わった。
ゴーレムを囲い込んでいた第一陣、第二陣は発に巻き込まれると、痛みをじる間もなく一瞬で全滅する。
「これはなんだ・・・魔法なのか?」
シリウスは驚愕の表を隠せなかった。メリアも口をポカンと開けたままけていない。
ゴーレムには大地作の遠隔の弾が備わっていた。村を出る前にパーキ達のゴーレムを改造のする際に埋め込み、晶石に送り込んだ魔力が盡きるのをスイッチに、遠隔の弾を起させるようにプログラミングしていた。
わざわざ発させたのは帝國兵の數を減らす為だけでなく、証拠隠滅の意味合いもあった。
一時的に揺していたシリウスだが、ゴーレムを排除したことに変わりないと気付くと、シリウス自も前線に立ち進軍を開始する。
數は減ったとはいえ、まだ三萬の兵がいる。ゴーレムがいない今、城門を制圧する絶好の機會と捉え、急いで城門を確保するように兵士に命じた。
警戒心を最大にして城門付近を進み、城門に辿りつく。何も起きなかったことに安堵する兵士達を目に警戒を続けるシリウスとメリア。
すると目の前の建から一人の人間が姿を現した。
「よく來たな。帝國兵。」
建から出てきた人はシリウスとメリアに聲をかける。
「お前が創造神か?」
「そうだよ。俺が創造神だ。」
建から出てきたのは創造神を名乗る青年。つまり大地のコピーである。
大地は飄々とした態度のまま、挑発染みた発言をシリウスに投げかける。
「お前らって何で人間至上主義なんて掲げてるの?」
「私達人間が一番優れているからだ。」
「何が優れてるんだ?」
「高い技力に獨自の魔法、高い知能、どれも他の種族にはないものだ。」
「小人族から教わった技に妖族から伝授された魔法、無駄に高くなった自尊心の間違いじゃないのか?」
「貴様。それ以上愚弄するならば――――」
「あーそういうのいいから。俺を殺りにきたんだろ? 愚弄しなくても殺るつもりなのに、今更愚弄するならばっとか言われてもな。」
「貴様は殺す!」
シリウスは怒りに満ちた顔で大地に向かって剣を振るうと、剣先から空気の刃現れた大地を襲う。
大地はすかさず回避するが、避けきれず肩の一部から小さな飛沫が舞う。
名前 シリウス
種族 人間
年齢 27歳
能力値
腕力A 力A 敏捷A 魔力S
保持スキル
「風魔法」「水魔法」「風霊魔法」
「結界破壊」
『結構強いな・・どっちか始末するつもりだったがコピーじゃ厳しいな。』
そんなことを思いながらもう一人の方を観た時、思わず大地は驚愕してしまった。
名前 メリア
種族 魔族
年齢 612歳
能力値
腕力S 力A 敏捷S 魔力SS
保持スキル
「闇魔法」「闇霊魔法」「魔法」
「魔力変換」「魔力吸収」「変換魔法」
『おいおい・・・魔族は滅びたんじゃなかったのか・・・』
唖然とした表をしながら、見た目はかわいらしいポニーテールお嬢さんの様なメリアを見つめる大地。
大地は「やるしかないか」とつぶやくと林に隠れている獣人に合図を出す。
すると後方の林から出て來た獣人が兵士に襲い掛かり、兵士達が一時混に陥る。
しかし劣化コピーでしかない獣人達は最初の奇襲で數人が兵士により討ち取られる。
するとゴーレムの時と同じように発を起こし、討ち取った兵士と周りにいた兵士は一瞬で塊となり果てた。
討ち取った瞬間に発すると知った兵士は獣人達に手出しが出來なくなる。
魔法師達が辛うじて遠距離より抗戦するが、討ち取れば発を起こす狀況に陣はれ、多大な犠牲を出してしまう。
シリウスはそんな味方の狀況を見て、歯い思いに囚われながら大地と戦闘を行っていた。
劣化大地では能力値はシリウスに大きく劣ってしまう。しかも自分のスキルの全容がばれないようにアウトプットのみで戦う大地は防戦一方の狀態となっていた。
メリアは値踏みするような視線を大地に向けるのみで、戦闘に參加してこない。
シリウスは風の鎧の様なを纏いながら、空中から次々と剣先より真空刃を放っている。
シリアスよりメリアに興味があった大地は、絶え間なく攻撃をしてくるシリウスにうんざりしながら攻撃を紙一重でわしていく。
「おい! ちまちま攻撃してくんな! 邪魔臭いんだよ!」
「戦闘中にも関わらずふざけたことを抜かす。なら見せてやるよ。」
シリウスは剣の切っ先を大地に向けると、剣の先に魔力を集中させる。
その様子を見た大地は二ヤッと笑みを浮かべると、アウトプットによりシリウスを囲むようにディシント鋼の壁を作り閉じ込めた。
「挑発されたぐらいで隙の大きい技を使うなんて馬鹿のやることだよ。」
そうつぶやくと大地はゆっくりとメリアの元へ近寄っていく。メリアは大地の行が理解出來ず、警戒態勢を強める。
「お前、魔族だろ?何で人間といる?」
「・・・・・ほえ!?」
急に核心をついてくる発言をされ、思わず聲が上るメリア。
さっきまでの警戒は無くなりむしろ隙だらけになってしまう。
「なっなっなっなんで知っているんですか!?」
「理由は教えられない。てか隙だらけだぞ。」
メリアは大地の発言に自の構えが解けているのに気づき構え直す。
しかし次の大地の発言で再度隙だらけになってしまう。
「612歳。」
「うわぁぁぁぁぁああああ!やめろぉぉお!」
『これが魔族・・?俺が想像していたじではないんだがな。』
目の前で四つん這いになり絶している魔族があまりにも間抜けが過ぎて、魔族のイメージを破壊される大地。
やはりどの種族だろとにとって年齢はタブーのようだ。
するとシリウスを閉じ込めていたディシント鋼にひびがり始める。それを確認した大地は話を進める。
「時間がないから早めに頼む。魔族であるお前が人間に化けて、よりにもよってなんで帝國に?」
「仕方ないじゃない・・・魔族が生きる為には、自分を偽るしかないのよ!帝國にいたのは、帝國領の村で暇つぶしに闇魔法で遊んでたら、領主の貴族に見つかって、気付いたら今の地位に・・・・」
大地は哀れみの目をメリアに向けた。メリアは大地の目がどのようなか気付き、顔を赤くしながら頬を膨らませる。
「何よその目は!馬鹿にしてるの!」
「いやそんなつもりはないんだが。それよりお前はこのまま帝國にいるつもりか?」
「え?そりゃ今一番力のある國だし、ここにいれば安泰だと思ってるけど。」
「詳しくは話せないが、じきに帝國は滅びるぞ?それでもか?」
「なっ何を拠もなく―――」
メリアが言い切る前に大地は笑みを浮かべながら自信ありげに話し出す。
「俺が滅ぼすからだ。一つだけ教えておく、今お前の前にいるのは俺の劣化した分だ。この分の能力はオリジナルの俺の半分だ。ここまで言えばなんとなくわかるかな?」
「シリウス小將程度なら軽く殺れるってことでね。でもそんな大事な事を私に教える意味は何?」
「いわゆる引き抜きって奴だ。帝國を切って俺達に付いてしい。」
「なんで私を味方に引きれたいの?」
「俺の敵は人間至上主義を掲げ、獣人を差別する帝國人だ。魔族は人間とは敵対していたんだろ?敵の敵は味方っていうし、それに強い戦力は一人でもしい。お前シリウスより強いだろ?」
「・・・・・・・・・・・私があなたに付くメリットは何よ?」
「魔族であることを隠さなくて良い。魔族として生きる権利だ。」
「・・・・・・・・・・・・・し考えさせてください。」
「今はそれで良いもし―――――」
大地が続きを話そうとしたとき、シリウスがディシント鋼の壁を破り、一直線で大地に切りかかる。大地は避ける素振りも見せずメリアに一言告げる。
「もし腹が決まったら、トームとユーリスの境にある獣人が居る村に來てくれ。」
そしてメリアから離れ、シリウスへと向かっていく。シリウスは風魔法で自を加速させ、猛スピードで大地に突撃し腹部に剣を突き刺す。
大地は多量の鮮を腹部から放出させた。勝利を確信するシリウス。しかし貫かれた大地のが発を起こした。
「なっ!」
シリウスは辛うじて風霊魔法で風の鎧を作るが至近距離での発により全に熱傷と細かい裂傷を浴び、そのまま膝から崩れ落ちるように倒れる。
「シリウス小將!」
多大な犠牲を出しながらも獣人を全滅させた兵士達がシリウスの元に集まる。
シリウスは殺したはずの大地の最後の笑みを思い浮かべ、大きな不安を抱きながら、意識を失った。
メリアは発を起こした大地の殘骸に目を向けると、悩ましそうに頭を抱えていた。
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