《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第22話
サイラスが領主館へと戻った後、大地はクーポラの點検を再度行い安全を確認したところで、獣人の導を始めた。
クーポラに來た獣人達はみな來るたびに驚愕の表を浮かべ、中にはることを拒否し始める者もいたが、途中から來たサイラスの使用人やルル達が協力してくれた事もあり、大きなトラブルもなく完了した。
こうして居住の問題はクリアした大地は次の日から、獅子闘の働きを見せて、ボレアス領地の問題を次々と凄まじい早さで解決していった。
それはサイラスの予想を遙かに上回るものとなり、ボレアス領地は瞬く間に最新鋭の要塞都市となっていった。
そして大地が初めてクーポラを作してから、半年が経った頃。
簡素なアパートの列と領主館しかなかったボレアス領地の様相は見違えるようになっていた。
半年間、各用途に合わせてクーポラを作り続けた結果、ボレアス領地には大小様々なクーポラがひしめき合うように建てられていた。
中心には大地が初めて再現したものより遙かに大きな十階建てのクーポラが立っており、四方を囲む形で一回り小さいクーポラが隣接している。
その四つのクーポラからは放狀に他のクーポラへと繋がる結界で囲まれた廊下がびており、真上から見ると氷の結晶のような形で各クーポラが繋がっていた。
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中央にそびえるクーポラの最上階にはサイラスの寢室、使用人の部屋、面會室、會議室等の領主館の役割が備えられており、中央階には大地や犬斗、ルル達の部屋に大地の再現した武や防の実験場に研究室、犬斗の魔獣の訓練場が用意されている。
下の階は他の獣人の居住用のスペースになっており五階から下は渡り廊下で四方のクーポラと繋がっていた。
四方のクーポラも居住用のクーポラになっており、収容人數は中央のクーポラで五千人分、四方のクーポラで一萬人分、計四萬五千人分の収容が中央部分だけで可能になっている。
実はこの半年でボレアス領地の獣人は大幅に人數が増えていた。
これは以前から要塞都市を作る事により、これまでよりも人手が必要になることを大地から相談されていたサイラスが、要塞都市の出來るタイミングに合わせて、人出確保の為の策を発させた事によるものだった。
サイラスは使用人や犬斗を使って、西側の領地に戦爭がもうすぐ始まるかもしれないという噂話を流し、領主の不安を煽った。
強い不安を覚えた領主達はサイラスの言うがままになり、戦爭に向けた獣人の戦闘訓練という理由で西側の領主達から獣人をボレアスへ一時的に流させる事に功していた。
現在では四萬人の獣人がこのボレアスに住んでいる。
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サイラスは大地が初めてクーポラを作してからこれまで実に協力的な姿勢を見せていた。
特に怪しい様子もなく、大地が人手がしいと訴えた時もすぐに快諾し、一ヶ月もしないに何萬もの獣人をボレアス領地へと連れて來ていた。
そんなサイラスを見て、一定の信用を寄せるようになった大地はもし戦爭に発展した場合どのようにくか等、頻繁にサイラスと意見換をする仲となっていった。
その後、人手が増えたことで更に拡大することが可能になった要塞都市には、それぞれの用途に合わせた形のクーポラが作されることになった。
北側には農業、酪農用の大規模なクーポラを建て、林での経験からゼーレとフィアが中心となって作と家畜の生産を行っている。
もちろん作は大地が作したチート苗を使っており、家畜は大地と犬斗が捕まえてきたものをプログラミングで家畜化したものだ。
現在では四萬人の食料の安定供給も問題無く行えており、さらにはお酒等の嗜好品の生産にも著手している。
東側は鍛冶や薬品製造を行うクーポラになっており、主に大地の作した武、防、薬品の解析を行い、自分達で作する方法の確立を目指している。
実は奴隷にされていた獣人の中には鍛冶の手伝いや薬草を用いたポーション作りをしていた者がいた為、その獣人を鍛冶長、研究長とし、日々作方法の模索をしている。
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西側にはマヒアとガランが中心となって作った獣人で構された騎士団、その名も獣士団の訓練場になっていた。
人間に能力で勝る獣人達は吸収も早く、訓練の経過も上々の様子。
犬斗にも時々協力してもらい、魔獣との戦闘訓練や、戦爭を想定した魔獣との共闘訓練等も行っている。
他の領地に一番近い場所にある南側は防衛機能を備えたクーポラになっており、遠距離用の列車砲やライフル、機関銃などがクーポラより南側に向けて裝著されている。
このクーポラはレイに一任しており、有事の際には直ぐに中央クーポラに連絡が出來るようにもしている。
またクーポラの一部は防衛用の魔獣の住処や、奴隷獣人を開放する戦闘の際に傷ついた魔獣の治療設備にもなっている。
ちなみにルルは大地のの周りの世話や、アウトプットによる実験、研究の補佐といった大地の書的な擔當にいつの間にかなっていた。
そんな城塞都市とも言える建を作った張本人は現在獣士団の訓練場の一部であるコロッセウム型の模擬戦場の客席に座っていた。
「モグモグ・・・まだですかね。」
隣にはルルが大地が再現したフルーツサンドを頬張りながら、開始の合図を待っている。
実は今から訓練の一環としてガランと犬斗の模擬戦が始まろうとしていた。
大地はガランと犬斗の試合をかに楽しみにしていた大地は早めに模擬戦場に來ていたのであった。
客席には獣士団に所屬する獣人が集まっており、模擬戦の開始を今か今かと待ちんでいる。
現在ガランは獣士団の団長を務めている。
獣士団の中でも飛び抜けた実力を持ち、気さくな人柄のガランは獣士団員からの人は厚く尊敬もされていた。
ガランは林でザレウスに敗北し部下を失ってからこの半年の間、毎日欠かさず鍛錬を積んでいた。
ボレアスに來てからは犬斗に頼んで魔獣を相手に戦闘訓練を毎日の様に行っとおり、その訓練の苛烈さからマヒアからガランを止めてしいと相談をける程だった。
大地もガランにもうし訓練強度を下げてもいいのではないのかと助言した事もあったが、ガランにとって林での出來事は自の力不足を酷く痛するきっかけになったようで、戦うべき時が來た時に後悔をしたくないと、聞く耳を持ってくれなかった。
そんな鍛錬を半年繰り返したガランは今では霊獣以外の犬斗の魔獣では相手にならない程の強さを手にれていた。
名前 ガラン=ディシント
種族 虎人族
年齢 29歳
能力値
腕力A 力A 敏捷B 魔力B
「能力強化」「剣技昇華」「狂戦士(加護)」
『おいおい、どんだけ鍛錬したんだよ。半年で強くなりすぎだろ。能力値だけで見たら犬斗と同格じゃねえか。』
大地が急激な長を遂げているガランのステータスを確認していると、ルルが話しかけてくる。
「ガランさん今度こそ犬斗さんに勝てますかね?」
「どうだろうな。犬斗はこれまでの模擬戦でも本気を出してる様子はなかったからな。」
実際ガランは犬斗とこれまで八回模擬戦を行っていたが、一度も勝てたことがなかった。
大地を除いて考えれば、ボレアスで今一番強いのは間違いなく犬斗だろう。
大地とルルが世間話をする中、模擬戦の準備が整った二人が姿を現す。
ガランは大地作のディシント鋼製の鎧と風晶石と火晶石を埋めこんだロングソード、ガランいわく風火剣を裝備していた。
犬斗は両手にこれまた大地作のディシント鋼で出來た鉤爪型の武に、両足に棘の付いているレガースを裝備している。
「犬斗。今回は勝たせてもらうぞ。」
「まだガランさんに負けるつもりはありませんよ!」
審判を務めるマヒアが大地に合図を送る。
大地は模擬戦場の周囲にセキュリティを展開させるとマヒアが二人に開始の合図を送った。
「それでは模擬戦を開始する。はじめ!」
マヒアの合図を皮切りにガランが風火剣を犬斗に向けて居合切りの様に抜いた。
すると風火剣から三日月狀に放された熱風の刃が犬斗に襲いかかる。
風火剣は魔力を通すことで風と火の効果を剣に付隨させることの出來る大地の試作武であり、魔昌石に魔力を注ぐことで屬魔法に似た攻撃を放てる武になっている。
犬斗はバク転でそれを躱すと、そのまま一足飛びで一気にガランとの距離を詰める。
犬斗はガランとの接近に功すると、ボクサーのように右左と拳撃を繰り出す。
ガランも剣によりそれをいなしていくが、手數に勝る犬斗の拳撃に押され気味になっていく。
インファイトでの戦闘は分が悪いとじたガランは剣に魔力を通し、炎を犬斗に向け放出させる。
犬斗はそれをブリッジで辛うじて避けると、そのままバク転を行い一旦距離を取った。
「あっちい・・・本當にガランさんはやる度に強くなりますね。」
「良くいうぜ。まだ本気を出してないくせに。」
犬斗は一呼吸休むと再度接近戦を挑むべく、相手にきを読ませないように不規則なきでガランに近づいていく。
ガランも距離を取りながら風の刃を犬斗へと放つが、犬斗にかすりもしない。
ガランは風の刃が當たらないことに舌打ちをしながら、苦い表を浮かべる。
ガランは遠距離での攻撃は諦め、接近してくる犬斗のきにカウンターを決めようと、剣を鞘に納め居合の構えを取った。
不規則にく犬斗のきを見極めようと意識を集中させていくガラン。
ガランからの風の刃が止んだ事で犬斗は距離を詰めるきを不規則なものから直線的なものに変化させると、ガランに高速で向かっていく。
速さの乗った犬斗の鉤爪がガランに屆こうとした瞬間、能力強化を発したことで速度強化されたガランの居合切りが犬斗を捉えた。
鉤爪に裝著されている籠手でなんとか剣をけ止めた犬斗だったが、剣により放出された暴風によりコロッセウムの壁まで吹き飛ばされてしまう。
客席で見ていた獣士団員は歓喜の雄びを上げる。
しかしガランは表を緩めることもなく、犬斗が飛ばされた方へ視線を向ける。
「痛ってぇ~~! ガランさんマジで強くなり過ぎだよ・・・スキル無しじゃもう勝てる気がしないぞ・・・・」
このままでは勝てないと判斷した犬斗はぶつぶつと愚癡っぽく獨り言を言いながら立ち上がる。
「やっぱり倒せてねぇか・・・」
ガランは手応えはあったものの、いまだに本気を見せていない犬斗があれで倒せる訳がないと再度気を引き締める。
ガランが再度居合いの構えをとっていると、犬斗はガランを見つめながら大きく息を吐いた後「白虎」と呟いた。
その直後、犬斗の真下から大きな雷が発生し瞬く間に犬斗を包んだ。
ガランや獣士団員が固唾を飲んでその様子を凝視していると、犬斗を包んでいた雷が徐々に霧散していく。
霧散した雷から現れた犬斗の姿を見て、ガラン達は驚愕の表を見せた。
「大地さん!?あの姿って・・・」
「あれがトランスフォームか・・・」
犬斗は頭部に虎の耳、部に虎の尾が生えた、まるで虎の獣人の姿になっていた。
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