《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第53話
聞き慣れない単語を聞いて、思わず呆けた聲をらしたヘイデン。
大地はノルヴェス領地の住人の人數についてヘイデンから聞き出す。
ヘイデンは兵士を含めて約十五萬人程だと大地に告げると、大地はヘイデンを車に乗りこませてペンタゴンの出り口に向かった。
「大地殿?」
「戦爭がもうそろそろ始まるなら出來るだけ早くこちら側に連れてきた方が良いだろ?」
大地はヘイデンにニヒルな笑みを向けると、ペンタゴン出り口に建てられた大型の車庫のような所に連れていく。
何もわからないヘイデンは困しながら大地の後をついていくと、車庫に並べられた大型バスの姿が目にった。
「これは・・・・?」
「これがバスだ。これは大人數を運ぶ為に作った乗りで、運搬速度は馬車の比にならない。これなら何回か往復するだけで全員の運搬も可能だろう。」
ヘイデンは見た事もない大きな金屬の塊を目にして、思わず大きく口を開ける。
いつもそうだが、この世界の人間は何故毎回こんなに飽きもせずに驚けるのだろうか・・・。
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大地は驚いた表を浮かべるヘイデンを見ながら、そんな事を考えていると、大地が前もってガランを通じて指示を出していた獣士団員が車庫へと來ていた。
大地は獣士団員にノルヴェス領地の住民の護送を手伝うように指示を出し、ヘイデンに護送の指揮を任せる。
「ノルヴェスの住民が來る前に住居環境は整えておく。運転は獣士団員がするからヘイデン達には案を頼む。」
「あぁ・・・わかった。何から何まで謝する。」
ヘイデンは大地に深いお辭儀をするとその後大型バスに乗り込み、ノルヴェス領地へと向かった。
大地はノルヴェス領地へと向かうヘイデンを見送った後、ペンタゴンの空いた土地にノルヴェス住民が住めるだけのマンションを建てると、王宮にある會議室へと向かった。
大地が會議室にると、大地からの念話で呼ばれていた主要メンバーが既に全員會議室に集まっていた。
「悪いし待たせたな。」
大地は會議室に集まったメンバーに聲をかけると、早速今回の戦爭の作戦會議を始める。
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會議室には犬斗、メリア、レイ、ガラン、マヒア、フィア、ゼーレ、ドグマ、リリスにルルが集まっている。
大地はまず作戦を立てる前にガランに現在ペンタゴンで運用可能な戦力について聞く。
ガランは現在兵として運用できる人數は五萬程度でその獣士団が一萬五千程度、人間によって構されているのが三萬五千程度だということを大地に伝える。
「思ったより多いな・・・さすがガランだ。」
「いや・・まぁな・・・」
なんだか歯切れの悪いガランの様子に大地は怪訝そうな顔をしながらガランを見つめる。
「どうした何か問題があるのか?」
「それがな・・・人間で構されたやつらなんだが。俺の知らないところで創造神の剣って自分達で名乗っててな・・・」
ガランは大地に問われると申し訳なさそうに大地にこれまでの経緯を説明し始めた。
一週間前、大地に住民からも兵を募るように指示をもらったガランは住民に呼びかけたり、掲示を使って兵士として戦う者を募ったのだが、やはり獣人と人間の間には深いがあるらしく、思う様に兵が集まらなかった。
しかし近いに起きるであろう戦爭に向け、しでも戦力を増強させたかったガランは、その時ふと大地が指示した時に言っていた「俺の名前を使え」という言葉を思い出した。
その後ガランは試しに大地の名前を使って兵士を募ったところ、これまでの反応が噓だったかのように多數の希者が獣士団の詰所に現れた。
當時は兵が集まった事を素直に喜んだガランだったが、人間達の訓練を続けるうちに志願してきた兵士達の間に変な噂が立つようになる。
それは今回の東側や帝國との戦爭で果を上げた者は大地付きの近衛兵になれるという噂だった。
その噂は瞬く間に兵士の間に広まり、獣士団員ですらそれを信じてしまい、これまで以上に鍛錬を積みだす者まで現れる始末であった。
ガランにより獣士団員の誤解は解くことは出來たが、いまだ獣人に対してのある人間達はガランの言葉に耳を傾けることはなく、現在でも人間の兵士達は近衛兵になるべく獣士団以上に力的に取り組んでいるらしい。
「あははははは! もうあんた創造神を堂々と名乗っちゃいなさいよ!」
ガランの話を聞いてメリアが涙をこぼしながら大笑いしている。
「まぁ力的に鍛錬を積んでいるのなら良いが・・・」
大地は自分を創造神とすることでペンタゴンの住民が一致団結するならばと今回の事に目を瞑ることにした。
気を取り直した大地は大笑いするメリアを無視して戦爭時の自分達のきについて話し合いを再開する。
「さてとりあえずだが、今回の戦爭に俺達はあまり深く関わらないようにしようと思っている。」
「ほう。傍観者に徹するという訳ですかな?」
「もちろん降りかかる火のは防ぐがな。帝國がいつ介してくるかわからない以上、一歩引いて戦況を俯瞰的に見た方がすぐに対応できる。それに今回の爭いに関して俺達は正直関係ないからな。潰し合うなら勝手にやってくれって話だ。」
大地はその後も帝國や東側の軍が介してきた場合についての軍の分け方や配置、布陣について自の考えをみんなに伝える。
現在大地達の戦力は五萬。西側や東側、それに帝國の戦力と比べて兵の數はない。それにその七割はつい最近訓練を始めたばかりの者だ。
大地はもし帝國もしくは東側の軍が侵攻してきた場合、ディシント鋼で作られた強固な城壁を誇るペンタゴンに籠城しながら城壁からの攻撃により、敵の數を減らしていく作戦をみんなに話していく。
レイやガランも同じ考えだったようで大地の考えに賛同を示す。
しかし本當にそれだけで大丈夫なのかという聲が挙がってきた。
「城壁からの攻撃だけで敵を撃退することは可能なんですか?」
犬斗が不安そうな顔を浮かべながら大地に質問をする。
「もちろん相手が帝國の場合、敵將を討つのは難しいだろうな。その場合は敵兵の數を減らした段階で城門から打って出る。まぁ心配するな。このペンタゴンの城壁には防衛用の機能もしっかり備わっている。十萬や二十萬の兵が來ても大丈夫な自信はある。」
自信満々な大地の様子を見て犬斗や犬斗と同様の不安を抱えていたゼーレやフィアの顔が安堵の表へと変わる。
「雑魚兵はペンタゴンに備えた防衛機能で何とかするとして、問題は帝國の幹部クラスがどれだけ來るかってところだな。一人二人なら俺一人で何とか出來るが、それ以上となるとお前達に任せる事になりそうだ。ガランや犬斗の話からそれなりの使い手だと予想できる。くれぐれも注意してくれ。」
その後大地は宮廷魔法師クラスの相手は自分、犬斗、メリア、ガランの四人で対応することや、城壁に備えられた防衛機能はレイの指示のもと運用していく事等を話し合った。
その後西側と東側の戦爭が始まるまでの間、ペンタゴンではそれぞれが出來る準備をしながらその時を待っていた。
そして一週間後ついに帝國の思のり混じった西側と東側の戦爭が始まった。
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