《普通を極めた私がに転生ってそれなんて生き地獄!?》11 赤子の手は普通にあったかい

辺り一面に散らばる資料とガラクタの山。どこからどう見ても一部屋丸ごと私化なさっているようにしか見えない…というかこれ最早住んでますよねお姉さん。

「散らかってるけど、気にせず寛いでねぇーっ!私はちょっと計測補助用の魔導探してくるからぁ」

もう魔導って響きが既にアン普通ですわ。やめてほしいですわ、泣きそうですわ。

「あっちょっと!……もうっ!相変わらず片付けの出來ない子なんだから」

「め、メイド魂が、この慘狀を赦すまじと唸っている……」

「終わりが見えないから我慢して……」

座るどころか立っていることさえやっとなママさん達も流石に文句を言おうとしましたが、もう既に颯爽とガラクタの中にダイブなさりました。

どこに繋がってんのぉ………規格外すぎるよぉ……ああ、私今日だけで胃にとか開かない?大丈夫?

──0歳にして持病持ちとかやだよ?

「お''おぁああ……」

「うー?……やぁーっおーっ!」

「ルティ?」

珍しい、ルティがジタバタしてる……覚醒?

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「あーっ!あーーっ!」

「うーん……あ、もしかして」

──ぴたっ

「うぁっ?」

……ルティが私の頬っぺたりながらこっち見てくる、あったかいんだね赤ちゃんの手って。

──もしかして心配してくれてるの?

この世界の異常を立て続けに目にして耳にして、またもや異世界という現実に打ちひしがれているだけなんだけど………

ああ、そっか。そうだよねぇ、ずっと隣でうじうじしてたら気になるよねぇ。すごいなぁ……ルティはもうそんな事がわかるんだ、偉いね。

──何0歳に勵まされてるのよ16歳っ!(0歳)

しっかりしろ、わたしっ!今世はほんのちょびっとだけアン普通に生きると決めたでしょう!いつまでも前世に引っ張られてちゃダメっ!……や、やっぱりちょっとくらいは引っ張られてもいいかも。

だけどもうだいじょーぶ!……これで伝わるかはわからんないけど、おてて握っちゃおっ

──きゅっ

「あいっ」「おぁーっ!」

もうし自由に生きてみようかなぁ。何もかもが普通じゃなくてすっごく嫌になるけど、別にこの世界の事が嫌いなわけじゃないしね。

──この子と一緒ならどうにかなりそうだなぁ。

「こ、これは……」

「殺人的に可すぎるぅ……♪」

ーーーーー

──ドンガラガッシャンッキキィッ……バガァン!

「よいしょとっ……ふぃーおまたせっ!ささっ!お二人様どうぞどうぞ、此方へお座りくださいませっ?」

──ゴォンっ! 

いやいやいや、今どこから椅子引っ張り出したんですか!?その本當になんなのっ!?そしてナチュラルに座らないでくださいよママさん達っ!!

「はい、それじゃあこれからはお仕事ですから真面目にやっちゃうよぉーっ」

「はいっお願いします」「よろしくねぇー」

「うよっし……ではこれからお子さん二人には最後6ヶ月を超えてから計測しなければならない初期魔力適正検査をけていただきます。」

『はーいっ』

お仕事になると真面目になられる方なんだ……ヘラヘラしてた顔も真面目で営業スマイルが似合っててカッコいいですよ?ずっとそうしてくれた方が普通でいいのになぁ……

「はい。では検査の容ですが、大きく分けて二つの項目をお二人にはけていただくことになります。最初にけていただくものが初期魔力値測定……生後6ヶ月とは赤子が個人の力で安定した魔力の生が可能になるまでの最高日數に規定されています。我々の國エレアスラルドでは最初期と呼ばれるこの時期を越えた後の魔力値測定と5歳、10歳、15歳、20歳での測定が義務とされています。ここまでの説明で気になる點はありますか?」

『だいじょーぶでーす』

ミザリーさんの雰囲気が最初とは対極で凄くびっくりしてるんですけど、よく見たらルティス君も固まってました。

「はい。そして二つ目の項目が、初期屬適正検査となります。生の保有する魔力を核としこの世界のあらゆる場所に存在する魔素を介して発させる魔法。この魔法には屬というものが存在しています。『火 水 地 風  闇 』厳に言えばさらに細かい屬分岐が存在していますが、一般的には大きく分けてこの6つの屬がこの世界には存在しています。しかし、屬とはいつ適正反応が出るかわからないものですので、此方も魔力測定と同様定期的に検査をけていただく事となります。質問はありますか?」

初見の塊すぎて頭が追いついていないんですけれど………

『だいじょーぶでーす』

本當に?絶対ちゃんと聴いてないよね、大丈夫?

「はい。それでは説明は以上です。……よぉーしっ!それじゃルティス君から測っちゃおーっ!」

「う?」

なんというか切り替えが凄いですね。

「はいっ、ここのってるとこにおてて置いてねぇ」

──ぴとっ…ふぉわああん

おおっ凄くってる。中央に羅列されているあの記號……數字なのかな、やっぱり文字からして別だからまだ私では読めないなぁ。ちょっと普通の子を目指して今からちゃんとお勉強しないと!

「ふむふむ、7500か……ルティ君凄いねっ!男の子の初期魔力の平均値を軽く上回ってるなぁ、流石えみりんとヴェルくんの子供なだけあるなぁ……」

「そ、そんな事ないですよぉっ……でも、良かったねルティっ」

「……う?」

まぁわかんないよねぇ、でも君は存外に優秀らしいよっ?やったね、ちょっと普通じゃないけどね!

「はいっ!じゃあ次はこっちねっ!」

──ぴとっ……ふぉわああん

おおっ次は鮮やかなが浮かび上がってるっ!………青に、紫に、オレンジ?かなぁ。

「ふむふむ、水 と 闇 と……地の三屬だね。特に水と闇が強い。それとこの茶というより橙に近い地の屬のこのじは僅かだけの資質が混じっているからかもしれないなぁ。これから適正がでてくるかもね」

「なるほど、水はエミリーからで闇はヴェルくんからの伝だからが濃いのねぇ。」

「ふむふむ、やっぱり伝ってあるんだぁ。」

へぇ……じゃあ私もパパさんママさんのが伝しているのかなぁ、ちょっと楽しみになってきた。

「よーしっ、おつかれさまぁっ!それじゃあ代ねーっリリィちゃんかもーんっ!」

わくわく。

「はい、ここに手を置いてねっ」

わくわく。どきどき。あんぎゃらさっさ。

──ぴとっ……ビシャァァァァァアッ!!

え、ちょっ眩し────

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