《普通を極めた私がに転生ってそれなんて生き地獄!?》12 自暴自棄にもなりたくなる普通っぷり

魔力というものはし不思議なもので、まるでそう仕組まれたかのように生まれたかの頃からの方が秀でた量を持っていることが多い。それについてはもうずっと昔から學者様やら賢者様やらが必死こいて解明に勤しんでいるけれど、これといった確証はなく最早そういうものだとしか言えないらしい。

そしてその初期魔力量の平均値は男子が4500、子が5500と生まれた時點で1000もの差が存在しているらしい。かくいう私もここで働き始めて4年が経過するけれど実際目にしている結果もそれを肯定している。

いくら個人差があるとはいえ200〜400程度の差しか普通ならつかないのだけれど、私の古くからの友人ことエミリーの息子ルティスは7500なんていうかなり平均を逸した數値を叩き出しちゃってる訳で、表には出さないようにオーバーリアクションは避けたけど、これはなかなかに凄い事なんだよね。

──だけど、それさえも霞んじゃうなぁ。

ーーーーー

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──ぴとっ……ビジャァァアンッッ!

えっちょ眩しっ───

ギャァァァアッ目があああああああッ!!

なんていうとる場合ですかっ!?なにっ壊れた!?ちょっとっもう手離していいっ!?ダメだよダメだってこれ、映し出された數値みたいな記號がめっちゃ増えてってる……ちょっと、ダメだよっ!やめよっもう!

「……7000……8500……い、10000っ!?……うそ、まだ止まらないの……!?」

止まらないのっ!?じゃないよっ!あっこの野郎!そーっと離そうとしていた私の手を抑えたなぁっ!ババァァァその手を退けろぉおおっ!

もうやだっこんなの見たくねーっ!わかるもん!私でもわかるもん、これダメなやつだっ!ちょっと普通じゃないとかのレベルじゃないもんっ!さっきルティスの7500でもめっちゃ驚いてじゃんっ

いーやあああっ!離してぇええっ!

「い、19000!?」

「えーっ!リリィやったねっ!ほーらバンザーイっ ♪」

.そんな呑気な……やるけどさぁ、ばんざーい。

「すごーい、じゃないって!!平均値の3倍近くあるってこれとんでもない事よっ!」

ですよね、とんでもないですよね。みたわかるわ。 

どうしよ、もう『ルティと一緒なら大丈夫』とかいったけど、さっきのまるまるなしにしてもいいかな?

全カットでお願いしまーす!

これもう無理かも。私普通じゃないよこれ。

「そうなの?」

「そうなのっ!」

「へぇ……まぁ、いいんじゃない?ねーっ ♪」

「お”ぁああ………」

「どうしてリリィちゃんの方が現実的な反応とってるように見えるのよぉ〜!アリシアちょっと楽観的すぎっ!」

「まぁ、落ち著ましょう!何か報告とかしなきゃいけないんでしょうか?」

報告とかされたくないよー。やだよー。

「えっ!?……あ、うーん。いや、そうじゃないけどぉ、こんな事初めてだし聞いた事ないから……」

「なら大丈夫です、普通に行きましょうっ ♪ リリィちゃんだって生まれつき多いだけですよきっと!」

エミリーさぁん………一見冷靜に見えますけど瞳孔めっちゃ開いてますよ?貴ちょっとびっくりしすぎて気が転した結果普段より楽観的になってますよね、私わかりますよ今の貴は普通じゃ無いって。

「う、うん……そうだよねぇ、気を取り直して屬検査にいこっかぁ」

うへぇ……もう私のHPは殘ってないよ。おいやめろ、手をそこにもっていくなぁあああ!

──ぴとっ……ほわぁああん

あ、普通だ!普通にってる!

「ほっ……普通ね、いや普通じゃないけどまだ許容できるわねこれなら」

どっちだよ!普通じゃねーのかよっ! 

青緑に、赤になんか凄く明るい黃?というか黃金?なんだこれ凄い綺麗ね。

「火と風にと……若干水も混じってわね。とりあえず水以外の適正はかなり高いわ。だというのにがそれ以上ね、非常識レベルだわこれは。」

「私もの適正高いから伝だねぇ」

「まぁそうでしょう……風はキース君の専売特許だしね」

そうですねぇ、パパさん髪緑だし。ママさんマジ金髪だし。これ絶対髪の左右してるよねぇ。

「まぁ、魔力量ほどの驚きはないけれど初期適正でこれだけなら普通に初等學校でも通用しちゃうなぁ」

あっははっ!私はまだ0歳だっつってんだろ!

ーーーーー

「ねぇねぇ、テレスお兄ちゃんは今魔力どんくらいあるのー?」

「ぼく?ぼくはね、去年測った時は確か7000だったかなぁ」

「すごーいっ!高いんだねっ!」

「そ、そんな事ないよっ」

ーーーーー

19000もいらねーよぉ……19にしない?いやそれはそれでダメか。半分、半分しよう!9500でもだいぶ高いけどそっちのが私の胃に優しい!

うえーっもうやだよー!るてぃーめてーっ!

「…………」

はい、反応なし。

手はあれからずっと握ってくれてるんだけど、でもぽやぽやもーどは健在なのね。

でもねこの子って実はかなり賢い子だと思うんです。

8ヶ月なのに、私が辛そうだと理解してくれたり頬さすってくれたり、よく考えたらヘドバンするし。

あの、ぼーっとしてる時間はじっくり世界の事理解してる時間なのかもねー、なんてね。

大っきくなったらきいてみよう。いや、私じゃないんだし普通に赤ちゃんの頃の記憶なんか忘れちゃってるかぁ。

いいや、とりあえず一緒に大きくなろうね。

「リリィちゃんも行きよりは機嫌良さそうね」

「うん、でもなんか時折人生に疲れたような顔するのよこの子。気のせいかしらね」

「なにそれ、気のせいよきっと」

気のせいじゃないよ。疲れてるよ。

「もう、このままグランデ家にいくんだっけ?」

「わかった、じゃあ私達も一度アルス迎えに行ってからステアフィール家に行ってくる。」

あ、なるほど。これからパパさんの実家に行くらしいです。

ーーーーー

──カンッ……カンッ……カンッ……

「こんにちはぁー」

「おィ……ここは鍛冶屋だ、娘子供がおいそれと──あ、ああアリシアかっ!?お、おまなん……帰ってくるなら連絡を寄越せっていっただろォう!?」

「もぅっ!相変わらずそうやってお客様ビビらせてるんでしょーっ!変な意固地は捨てるって私が子供の時に約束したよねぇーっ!」

「い、いいやしかしだなァっ!ウチは58年の歴史を持つ名譽正しーい鍛冶屋なんだから、そんくらい──」

「だーめっ!」

「しかしっ」

「お義母さんに言いつけるよ?」

「す、すまんかったァ!それだけは許してくれェ!」

いや、仲良すぎません?貴方達、嫁と舅ですよね?

ーーーーー

「そうか。あのアホは仕事でいねェのか。ったく、鍛冶の腕鈍ってねェか確認してやろうと思ったのになァ。それにしたってちっちェー頃のおめさんにそっくりだなァ」

「おじいちゃんっ僕はっ!僕はー!」

「あんッ?おめェはキースそっくりだなァ」

「やったぁ!いぇええいっふぅううううやぁ!」

あっこの人めっちゃ顔怖いのに笑うとそんな事ないや。それにでるの優しいし、いい人なんだなぁ。言われてみるとパパさんに似てる。

というかお兄ちゃんちょっとテンション高くない?

「仕事だから仕方ないよー。そういえばケルト義兄さんは?」

「あぁ、今は遠出の仕事で出張ってんだ。」

「だからお義父さんが表にいたんだね」

「まァな。今、家出かけてんだ。そのウチ帰ってくるだろうから、ゆっくりしとけェ」

パパさんのお母さんか、どんな人だろうなぁ。

おじいちゃんは銀髪だから、おばあちゃんは多分髪が緑だとみたっ!パパさんが緑だし。

「ちょっと貴方ーっ!どうしてお店の方開けて──あらっ!なにこのシアちゃんそっくりの赤ちゃんっ!うわー可いーっ ♪ 」

「お義母さん、そのシアちゃんを忘れないで」

「えっ!?あらっ!?シアちゃーんっ ♪帰ってきてたのぉーっ!?えっ!えっ!じゃ、じゃあキースくん帰ってきてるのっ!?」

「あ、ううんあの人は仕事──」

「えーっ!?もうあの子ったらほんと融通効かない子なんだからっ!もうっ!シアちゃん、シアちゃんっ!この子、リリィちゃんよねえっ!まぁ大きくなってーっ!益々シアちゃんにそっくりになってきたわねぇ!あーっ!アルスちゃーんっ!もーっ何々キースくんそっくりじゃなーいやーっかわいーっ!うふふーっ何ここ天國かしら、いやんもう死んでもいいわぁ ♪」 「おばあちゃ──」「お、お義母さ──」

「あ、そうだ今日はシチューするのよ。ご飯食べていくわよねぇーっ良かったぁシアちゃんシチュー好きだもんねぇこれも運命かしらっ ♪ リリィちゃんはもうおしゃべりできまちゅかーっ?」

どわぁっ!な、何か言うべき?

「やぁぁ──」

「キャーッ!!可いわぁーっ!はぐはぐしちゃうーっ!あはぁーん ♪ 」

ちょ、ちょっとマイペースが過ぎます、お祖母様……

ーーーーー

「───!?な、なんだぁ!?」

「ん、どうしたキース」

「い、嫌今なんか全がゾワっとした……あれだ、學校の保護者見學の時にうちの親が暴走した時みたいな、なんかそんなじがした………」

「あぁ……お前のおばさんテンション上がったらヤバイもんなぁ」

「あーやばい、マジで鳥がとまらん……」

ーーーーー

「そうそうそうっ!それでねーっさっき八百屋さんでお野菜を買おうと思ったんだけれど私これがまたうっかりしててねぇー ♪ ほら、みてーっトマト買ったつもりがこれオレンジだったわぁ〜 ♪ 折角だからシチューにれてみちゃう?オレンジシチューってなんか響きが可くてよくなぁい?うふふっ可いわぁ……あ、それとねこんぱらあはまなさたたなあらまさ…………」

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