《この度、晴れてお姫様になりました。》転生の理由

ああ、あっけなかった。

曲がり角から飛び出してきたシルバーカーに驚いて、後頭部を強打。この俺、

貝塚地かいづかないちの22年の人生は幕を閉じた。

どうかファーストキスもまだのこの俺に、何十回玉砕してもめげなかったこの俺に、もう1度チャンスを貰うことは出來ないだろうか?ああ優しくてかっこいい神様どうかどこまでもダサかったこの俺にチャンスを!

「って勝手に俺の心理描寫してるんじゃねー。くそじじいが。ほとんど間違ってるし。」

「ほーほっほ。間違ってはおらんじゃろう?ファーストキスもまだじゃろう。

わしはお前の人生をよく見とったから、お前以上に知っているぞ。」

「ファーストキスはしたし。保育園の時にさなちゃんと。」

「そんなものまでカウントしてしまうとは、哀しいものだな。まぁ、よい。転生してみる気はないかね?お前を亡くすのは惜しい。なかなかよいポストじゃぞ。」

転生って騎士とか魔法遣いになって活躍するやつだろ?それなら大歓迎に決まってるだろ。

「ふーむ。そうか。それじゃ、前以上に面白い人生楽しみにしているぞ。そんな甘くないと思うがな…」

??最後の一言が気になるが、次こそはダサ男目指して頑張るぞ!おー!

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