《神様との賭けに勝ったので異世界で無雙したいと思います。》第1話 召喚
HRの終わった放課後。
教師の長い話を聞き終えて背びをする。
今日は一段と長かったな……しだけ凝った筋を解すように肩を回す。
「悠斗は今日どうする?」
クラスメイトの健太が話しかけてきた。
どうするって言うのは放課後の予定のことを聞いているのだろう。
「帰ってからラノベでも読もうかな」
僕はオタクだ。
隠してもいないので、このクラスの人間はみんな知っている。
まあ何人かはキモいと思っているようだが、僕は気にしない。
「相変わらずだな……」
はは、と苦笑を浮かべられる。
いいじゃないか、好きなんだから。
ちなみにジャンルはラブコメ、ファンタジー、SF、現実、歴史、問わない。
基本的に可いの子が出るラノベは皆好きだ。
「じゃあ、帰るよ。健太は?」
「俺はゲーセンかな」
「そっか」
そうしてカバンを手に取り、席を立ちあがる。
その瞬間――――
「え」
地面がった。
見たことはないけど黒魔とかで使われる魔法陣のような……
「な、なんだこれ!?」
健太の慌てるような聲。
魔法陣は僕の真下だけに現れている。
不思議とけず、僕は唖然とその景を見ていた。
もしかしてこれ……と、そこまで考えたところで一際強く発した魔法陣に僕のは飲み込まれた。
◇
気が付くと真っ白い空間。
周囲には何もなく、目の前には一人の男が立っていた。
「よう、突然悪かったな」
長ズボンにシャツを著た茶髪の男。
歳は20くらいだろうか?
若い上に顔も良い。
「あなたは?」
僕が問いかける。
「俺はとある世界の管理を任されている神だ」
「そうですか、ここはどこなんですか?」
「おい、さては信じてないな?」
「いや、信じますよ。オタクなのでこういうのは知ってます」
よくある異世界ものだろう。
けれが早い気もするけど慌てても話は進まないのでとりあえず信じる。
「くくく、面白い奴だな。この空間は……そうだな、お前のいた世界と異界の間にある空間だと思えばいい」
ってことはこれから僕は異世界に飛ばされるのだろうか?
僕があれこれどうなるんだろうと考えていると神と名乗った男は口を開く。
「この空間には神を落ち著けて説得しやすくする効果が働いてる。それにしてもお前の理解はかなり早い方だったけどな」
ああ、だから僕は焦ってないのか。
言われてみればリラックス出來ている気がする。
心地良い狀態だ。
「早い方ってことは他にもここに來た人がいるんですか?」
「それに関しては順番に答えていこう。お前は勇者召喚されたんだ」
「魔王を倒してくれみたいな?」
そうだ、と神様が頷く。
「日本各地からそれぞれ選ばれててな、今回はお前をれて4人が召喚された。ほかの3人は既に異世界に送る途中だ」
「日本からだけなんですか?」
「この手の話に関して理解が早いからな」
ああ、なるほど。
僕みたいなオタクもいるからね。
ファンタジーとかネット小説とか々流行ってるし。
「それで送る前に一人一人と直接會って好きな能力を與えている」
「ふむふむ」
僕が言葉を反芻するように頷く。
すると神様が言う。
「どんな能力がいい?」
「1人1個だけなんですか?」
「基本的にはそうだ、不公平になるからな」
その言葉を聞いて考える。
神様は言った。
―――基本的にはそうだ、と。
つまり絶対ではない。
例外、抜け道が存在する。
々と考えたところで思いつく。
聞くだけはタダだなと、僕は提案した。
「賭けをしませんか?」
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