《神様との賭けに勝ったので異世界で無雙したいと思います。》第6話 話し合い

「じゃあ僕から、佐山悠斗です、よろしくね」

「姫木刀香(ひめきとうか)です」

「栗田真子(くりたまこ)です、よろしくお願いします」

「あ、秋山詩織(あきやましおり)です……」

僕の部屋でそれぞれ自己紹介をする。

ちょっと遅すぎるくらい遅い名乗りだったけど、々あったから仕方なしだろう。

こっそり神眼で鑑定してみた。

みんな似たり寄ったりのステータスで変化はなし。

レベルが1でスキルは姫木さんが剣姫、栗田さんが聖、秋山さんが魔導だ。

加護は全員がアルマの加護を持っていて、全ステータスは50前後ってじ。

の違いはあるけど誤差の範囲だろう。

「異世界召喚もので毎回思うんだけどこういう時に名前覚えるの大変だよね」

「そ、それは確かに……最初の數人まではいいんですけどクラス召喚系だと本當に苦労します……」

「違う作品を同時進行で読むと余計にね」

「あーっ! 分かります! 面白そうだなって思ってブクマ増やすと混するんですよね!」

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話に乗ってくれたのはやはり秋山さんだった。

神様に賭けを申し込んだことといい、やはりこの子はオタクだ。

凄い親近が沸く。

しかし、盛り上がろうとしたところで……こほんっ、と栗田さんが咳払いをした。

を思わせるくりくりとした瞳がジト目でこっちを見てきた。

「ごめんごめん、ちょっと線しかけた」

「いえ……いいんですけど、意外と手が早いんですね……佐山先輩」

「そんなことは……ん?」

先輩と呼ばれたことに違和じる。

年下だからそう呼んだ……ってわけでもなさそうだ。

そして、間抜けなことに今更気付いた。

栗田さんの制服は僕の通ってる高校の一年生のものだった。

「……同じ高校?」

「やっぱり覚えてませんでしたね……一応同じ図書委員なんですけど」

「あー……?」

言われてみたらどこかで見たことあるようなないような……?

「ごめん……実を言うと人覚えるのってわりと苦手でさ」

すると栗田さんはし拗ねた様に、だけどくすりと小さく笑みを浮かべたまま言ってくる。

「大丈夫ですよ、佐山先輩とはそんなに話したことないですからね」

「逆によく覚えてたねそんな僕のこと」

「い、いえっ、それは、ほら……後輩として當然のことですよ」

そういうものだろうか?

し慌ててるのが気になるけど、人の顔を覚えるかどうかなんてそれこそ人それぞれだしね。

気にしないことにした。

「しかし、僕と栗田さんが同じ高校ってことは全員同じような場所から召喚されたのかな?」

それとなく聞いてみる。

「私は北海道の高校ですね」

「わ、私の方は鳥取です」

と思ったらみんなバラバラみたいだ。

今更だけど何が基準でこの4人が選ばれたんだろうか?

疑問に思っていると姫木さんが答えてくれた。

「あちらの世界に未練がない、または違う世界に強い憧れがある人が選ばれるらしいです」

「へえ? そうなんだ」

らしい、ということは聞いてくれたのか。

姫木さんは優等生らしく報を集めてくれたようだ。

でもそうか……もしかしてみんなが帰れないと分かった時に何も言わなかったのはそういうことなのかな?

「あなたが部屋でのんびりしてる間に々聞いておきました」

ふふん、と自慢そうだ。

勝負してるわけじゃないけどね……相変わらず棘のある姫木さんに苦笑いをする。

「ありがとね」

だけど助かったのは事実だ。

スキルの実験のためでもあったけど休みたかったのも噓ではないし、ここは素直にお禮を言っておく。

「お禮を言われるようなことではありません、このくらい當然のことです」

ちょっとだけ照れたように目線を逸らしたのは見なかったことにした方がいいんだろうか。

なんにせよ慣れない環境で警戒が強く出てただけなのかもしれない。

とっつきにくいと思ってたけどもしかしたらそのうち仲良くできるようになるかもね。

「皆神様から説明をけてここに來たんだよね?」

3人が頷く。

確認を取ったところで本題にった。

「これからどうする?」

僕の質問に栗田さんが張気味に答えた。

「それは……この世界を救うのかどうするかってことですよね?」

うん、と返事を返して続けた。

「僕は魔王をどうにかしたほうがいいんじゃないかって思う」

「理由はなんですか?」

「この世界への召喚が一方通行らしいからね、何とかできる脅威なら何とかしたほうがいいかなって」

それを聞いて秋山さんがおずおずと言ってきた。

「ですが、その……あまり言いたくはないんですが……この國の人が正しいとも限らないのでは……?」

お、さすがオタクな秋山さん。

その通りだ。

異世界召喚ではよくある召喚した國が腐ってるパターン。

僕は神眼スキルを持ってるからそれに関しては大丈夫だと思えたけど、それが分からない3人は僕の言葉には拠が足りないように見えるんだろう。

逆の立場なら僕もそう考えた。

「仮にそうだとしても力を付けるのは間違ってないと思う、もしもの時のために々調べる必要はあるけど元を証明できない僕たちはすぐには移できないしね」

なるほど、と秋山さんが頷く。

栗田さんと姫木さんも異論はないようだ。

「一応お互いが出來ることを確認した方がいいんじゃないでしょうか?」

栗田さんが言ってるのはスキルのことだろう。

順番に言っていく。

「私のスキルは剣姫で、刀や剣などを使う際に役立つようです」

「私のは聖スキルでみんなが怪我とかしたら治せます、ほかにも補助とか」

「わ、私の魔導は魔法が覚えやすくなったり、使った時に威力が上がったりするようです」

そして、最後が僕。

「僕のはの能力を強化するのと、傷を癒せる治癒、それと長しやすくなる長スキルだね」

あと5つあるけどね。

「改めて聞いてもずるいですよね……私たちなんて一つずつなのに……」

秋山さんがし嫉妬混じりに言ってくる。

ネット小説好きとしてはチートなステータスに憧れてたんだろう。

その気持ちはよく分かるよ……僕だってあっちの世界でどれだけ夢見たことか。

けど実際は8個あります、なんて言ったらどれだけ驚かれるんだろうか。

し気にはなったけどグッと堪えた。

「あ、それとこの世界のステータスの平均値だけど」

「一応聞いておきました」

僕に対抗するように言ってきた。

さすが姫木さん。

優等生っぷりがすごいね。

あと僕に対する敵対心が。

まとめるとこんなじらしい。

それぞれ生命以外のステータスの平均が人した大人で30~40前後。

レベルは20が平均で日ごろ訓練してる騎士の人たちでもステータスは100もいかないくらいらしい。

スキルの數は後天的に取得もできるけど持ってない人が多く、仮に取得できたとしても先天的に1つか2つもってる場合がほとんどだそうだ。

となるとこの世界に來たばかりのレベル1時點でステータスがそれぞれ50前後ある勇者の皆は結構強いんだろう。

レベルがどれだけ上がるかにもよるけど戦力としては十分期待できるはずだ。

だけど……不安はある。

僕たちのステータスはそれなりに高いけど、よくある異世界転移ものの壊れ能ほどではない。

早いうちに強くなる必要があるな……特に一番強い僕が一番頑張らないといけない。

レベルを簡単に上げれることを考えてもそれが妥當だろう。

僕はかに気を引き締めた。

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