《自殺を繰り返した俺は異世界転生をした〜最強の俺は異世界で無雙する〜》第15話「一段落したら家族が増えた」

キュバス伯爵とメリーはその後、案外早くに俺の家から出た。

俺を送るためだけと考えると優しい人だな......。

そして、殘ったのはセシアである。

「父さん、このセシアなんだけど居候でも良いから家に泊めてしいんだ」

流石にセシアを1人にするのは気が引ける。

......魔王だけど。

「それは別に良いんだがどこの子なんだ?」

「......簡単に言うと俺と同じく悪魔に連れ去られて両親も失っている子」

「......」

案の定の反応だ。おそらくれてくれると思うが、過剰にならなければ、それだけだ。

「......悪魔から逃げ出したのか......!?」

「そうなんだ。まあ、俺は強いから逃げ出せたって事! 父さんも知ってるでしょ?」

「悪魔が生活するのは瘴気が集まる場所、つまり悪魔にとっての最高の集り場だぞ?」

やはり、その報は知っているのか。

「まあ......なんとか......気合で?」

また、驚いた表をする。

この顔も見慣れてきた。つまり、俺の強さが目に見えるってことだな。

「......で、君は、セシアちゃんは大丈夫だったのか?」

「えっとねー、アタシはねー......」

答えに迷っている。空気を読んで自分は悪魔だ、と答えないのはいいが、ここからどう切り返すか......。

「......セシアは両親を、失ってるからあんまり聞かないであげて? 父さん」

「そ、そうか。すまんな、デリカシーのない質問をして」

「別にいいですよ、昔のことですし」

これで安全にセシアを迎えられると思ったその時ーー

「え!? 家族が1人増えるの!? しかもこんなに可い子!?」

ーー母さんが割ってってきた。

聞くからに好印象だが、好きすぎると々大変だからなー。

もう、母さんはセシアに、デレデレだ。

俺みたいに優秀な息子を持ち、可い娘ユシュ、新たな家族のセシアを持った母さんはもう最高の心地だろうな。

と、まあ母さんがセシアを抱いている景を傍から見ていると、後ろから服の裾を引っ張られた。

これはこれは可いユシュではないか......。

「おかえりなさい? お兄ちゃん」

その瞬間、電撃が俺の全を走った。

甘々ボイスにその仕草......気付いたら抱いていた。

つまり、この部屋では父さん以外がそれぞれ抱き合うという異様な空間となった。

ユシュ、可すぎ!

◇◆◇

「アタシはここで寢たらいいの?」

そこは俺の部屋。そして、俺のベッド。

「そうよ。リューちゃんと一緒だけどまだまだ大丈夫でしょ?」

「うん! すっごく広い」

それはいつの間にか決まっていた事項。俺が知るのは今日、就寢時。

俺のベッドは広い。子供二人が寢ようがスペースは余る。

だが、だがな......俺に一言ぐらいれてくれたって良いだろ!?

「セシアちゃんはお母さんとかお父さん、いなくなって寂しい?」

「......寂しくないって言ったら噓だけどそこまでじゃないよ。リューイだっているし」

「ふふ、リューちゃんと仲が良くて嬉しいわ。それでね、これからはセシアちゃんのお母さんは私」

「アタシのお母さん......?」

「うん! お母さんはね、子供の事は心配する。セシアちゃんはまだ私のことお母さんと思えないかもしれないけど、私はセシアちゃんを我が子だと思うよ」

母さんは優しい眼差しでセシアを見る。

セシアは驚きから安堵へと変わっていく。

たったこれだけの話で母さんはセシアの心を摑んだ。

母さんはセシアの両親を知らない。それでもできる最低限をするとほんのしでも変わる。

それは良い方へと......。

そして、母さんはセシアを抱く。

先程までの好奇心によるものでは無い。

優しく包み込むように、相手を分かってあげるように抱く。

その瞬間、セシアは誰にも見えないように一筋の涙を流した。

..................。

◇◆◇

「ユシュも今年で3歳だ。リューイも兄としての自覚が出てくるんじゃないか?」

「元から兄だってことぐらい分かってるよ。でも、本當に可いなって」

「そりゃ、俺の娘だからな!」

そこは関係ないと思いまーす。

「リューイ、お前の才能は凄い。おそらく実力も俺を越してる」

突然、真剣な顔して言われる。

ようやく気付いたか、と思いたいがそれはすなわちこの時點で子に負けているのだ。

「お前には期待している。これからどう生きようがな。......ただ、守れよ」

そこで言い終えた。

なんとなく分かる。この続きに言いたかったこと。

父さんはこの家を守ってきた。

......それは俺が継ぐ。

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