《ファルダーミール -明日の世界-》第11話:復活

15分後……

「うぅ……頭が痛いな」

 西城は自分の後頭部をる。

「お、やっと起きたか西城、おはよう」

  思ったより気絶していたな、死んだのかと思った。

「おはよう」

  こちらを見ながら挨拶を返してくる。気絶から覚めたばかりだからだろうか、西城の聲は何処と無く呂律ろれつがまわっていないようだ。

「なぁ、カヤト、お前の姉さん綺麗だよな」

「ぶっ!」

   西城の奴いきなり何を言っているんだ、頭を打ったせいで変になったか?

  しかも、飲んでいたコーラを吹き出してしまったじゃないか。

「汚いなカヤト、コーラが顔にかかったじゃないか」

「あぁ、すまない、ほれ、ティッシュ」

ティッシュ箱を西城に投げつける。

憎しみを込めて。

バシッ!

「危ないだろカヤト!ティッシュ箱を投げるなよ」

  西城は顔面に向かって投げられたティッシュ箱を片手で摑む。

「いや、すまない、すまない、つい」

  笑ってとりあえず誤魔かす。

「まったく、気をつけてくれよ」

  そう言いながら西城はティッシュで自分の顔を拭いている。

「で、どうするカヤト、今夜の標的はなかなかの強敵だぞ」

  先程までとは違い真面目な聲で語りかけてくる西城。

「ああ、わかっている。だから、今、ゲームをしながら考えている」

「ゲームをしながらってお前、本當ゲーム好きだよな」

「あ?あぁ、ゲームは素晴らしいからな」

「何処がだよ。現実ではありえないことじゃないか」

「そうとは限らないだろ」

  そう、ありえないことではないのだ。

「まるでゲームのような事が現実で起きるといっているように聞こえるんだが?」

「そうか?」

「そうだ」

「ハハハ、気にするなよ西城」

「そうだな」

 あ、作戦を思いついた。

  

「おい、西城作戦を思い付いた」

「どんな、作戦だ」

「今夜の相手はだ、ならいくらでもやりようはある」

標的はうちのクラスの子生徒だ。依頼人はその子生徒に好意を持った男子生徒。

ニヤリ

 

「悪い顔してんなカヤト」

「まあ、聞いてくれよ西城。今回の依頼人は彼に対して好意を抱いており、彼に付き合っている男がいるか調べてくれと依頼してきた」

「そうだな」

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