《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》268.切り札

『聖さんは追放されたい!~王家を支えていた宮廷聖、代わりが出來たとクビにされるが、なぜか王家で病が蔓延!えっ、今更戻って來い?一般の大勢の方々の病を治すのが先決なので無理です』

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268.切り札

本來ならば手も屆かぬほどの強大なる相手。

怠惰の邪神ナイア。

だが、今目の前には、一介の人間でしかない俺一人に追い詰められた神がいた。

「人間ごときにぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」

「だから」

俺は嘆息しつつもう一度言う。

「神《アリアケ》とその仲間(尖兵)だ。お前のした力そのものだ」

すなわち!

「お前の勝てる道理《ルール》はない」

俺が靜かに宣告を、邪神を見下ろす位置から言った瞬間!

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「焔よ立て(ラス・ヒューリ)・そして彼方へ(キイイイイイイイイイ)消え失せよ(ィィィィィィック)!!!!!!!!!」

「ぐはあああああああああああああああああああああああああああ?!?!?!」

超上空から黃金竜の姿となったコレットが、全てを焼き盡くす焔をまとい星を割る威力の突撃を喰らわせる!

一度目に邪神を守った『殻』はもうない。

邪神は喚を上げながら大地へと墮ちる!

空を優雅に漂っていた邪神が今、這いつくばるように大地へい留められた!

「げふううううううううううう! だが、甘いぞ! 神《アリアケ》よ! この程度で我は死なぬわ!!」

「だろうな。ならば上を見てみろ、魔王ナイア!」

「なに!?」

コレットから更に上空へと飛び上がったラッカライが、もはや速を超える勢いで槍を突き立てんとする!

「仲間ごとやる気か!? アリアケ!」

「そんなわけがないだろう。アリシア、いまだ!」

「賜りました! ≪救済の大結界(全屬攻撃無敵)≫≪人類最終(力)防衛結界ライン(自回復)≫≪天使の守護(幸運上昇)≫! これらを全てコレットさんへ全力集中!」

アリシアが詠唱を完了し、

「コレットさん!!!」

んだ。

「耐えて下さいね!!」

「任せておくが良いのじゃ! 儂は乗り手(旦那様)を得た竜である!!!」

剎那!

「い・き・ま・す! お・ね・い・さ・ま!神竜神狼宇宙舞槍(イシス・ブレーザー)!!!!!!」

ギチイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!

ラッカライの聖槍が神殺しとしての本領を発揮する。

それは邪神を大地にい留める神竜の一撃を、まるで杭のように、更に深く深く突き刺して行く!!

「ぐ、ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

のけぞるように、邪神のが曲がる!

だが、

「まだ、まだだ……」

魔王ナイアは顔を上げる。

その表は苦痛にまみれているが、笑みのようなものも浮かべている。

「確かにそなたらは強靭無比。よくぞここまで我を追い詰めたものだ。褒めてつかわす。が……我を仕留める決定打は持ち合わせおらぬ」

それが微笑みの理由か。

「権能を今一度……。怠惰の神としての殻を張れば……。回復してすぐに仕切り直せる。さすればそなたらは今度こそ我が無限の分に圧死させられようぞ。もはや、間違いは犯さぬ!!」

だが、

「それはもう無理だ」

「な、なに!?」

俺は宣告する。

「お前はこれから敗北した神として、神《俺》の僕《しもべ》たる狼に『捕食』される! それが聖獣フェンリルの権能だからな」

「なっ!? そんなことが出來る訳がない!! 我は邪神である!! 神を殺すのではなく、喰らうなどと!?」

「そうか? だが今はお前の『権能』と、『同時存在』という矛盾狀態によって、システムが停止している狀態だ。ある意味、安定しているんだ。ならば」

俺は微笑みながら言う。

「その安定を維持することを世界はむと思わないか? そのためには神の僕たるフェンリルが、お前を捕食してその権能を取り込むことが一番手っ取り早い」

「そっ……」

「そ?」

ナイアは余裕のあった表を決して、憤怒に満ちた表を見せる。

そこに怠惰の神としての顔はもはやない。

「そんなことはさせぬ! 許さぬ! アリアケ! 神を愚弄するのもほどほどにせよ! 我が対等なる存在、アリアケ・ミハマぁあああああああああああああ!!!!」

ナイアは激にかられ、全ての力をふり絞り、無理やりコレットたちの攻撃から逃れる!

の一部が消滅することすら厭わない。

しかし!

「やれやれ」

俺はそこまでの余裕の笑みを消して、むしろ嘆息した。

「お前が俺を買いかぶってくれていて助かった」

「な、なにを?」

突然の俺の変貌ぶりに、ナイアは目を見開く。

だが、彼に時間は與えない。

「俺など一介の人間に過ぎんさ。むしろその方が気楽で良い」

俺はそこまで傲慢ではないさ。

「お前からどれだけ力を削げるかが、俺たちの勝機だった」

そして、

「お前が玉としていたは一部が削がれ、そして、憤怒にかられたお前の神は今や地に墮ちた」

「そ、そなたはわざと!?」

驚愕に目を見開く。

「奴らの攻撃は全て布石だったとでも! 計算づくだったとでも言うのか!?」

その言葉に、

「當然だ」

俺はあっさりと答える。

「神を殺すのだから、同等の者がしなくてはな」

それは神の代理人である俺にしかできないことだ。

そして、

「手伝ってくれるか、フェンリル」

「もちろんであるぞえ」

「はい、あ、あ、あ、主様!!」

現代と神代のフェンリルが同時に頷いたのだった。

「ナイアよ」

俺は聖杖キルケオンをかざしながら言う。

「切り札とはこうやって使うのだ」

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