《異世界チートで友達づくり(仮)》悪いな③

「【タイム】!」

その俺の言葉とともにフォックがピタリと止まった。

俺は手をかざしたまま目を瞑り集中していた。汗が頬をつたるのが分かる。

今俺がやっているのは。の応用技のひとつだ。文字通り“時間”だ。俺は時間を支配して時を一時的に止めたのだ。

ベルからの要はフォックのきを封じる事だった為、全の時ではなくフォック単の時を止めた。

ではなくある範囲だけの時間停止は今はまだ1箇所が限界のだからナグナルトはそのままだ。そろそろ解けるぞベル…。

ベルの方に視線を向けるとベルがフォックに抱きついていた。

「な…!?ベル!そろそろ解ける!危ねぇから離れろ!」

俺のび聲にベルはなんの反応も見せなかった。

聞こえてないのか…?いや、聞こえていてあえて続けてるのか…。そうだったら止めることは不可能だ…任せるしかないか。

そう思った直後ナグナルトが拳を振り下ろして來た為回避と共にが解けた。

「アアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

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時が元に戻った事でフォックがまた暴れ出したけどそれを必死に私は抱きついて抑えていた。

フォック君は爪で背中を切り必死に引き剝がそうとしていた。

ベルの背中は大量に出していた。尋常じゃない程痛い…。

「ベル!」

アオイの聲が聞こえた。その聲になんだかすごく安心した。だから私はアオイの方を向いてうっすら笑ってアオイを安心させるためにこう言った。

「大丈夫だよ…私に任せて」

力ない聲だったけどしっかりと聲に出せた。アオイはちゃんと戦ってる。だから私もしっかりと戦わないと…!

そして私は背中の痛みに耐えながらフォック君に弱々しい聲で言った。

「フォック君…フォック君の過去にどんな辛い事があったかは私は知らない…」

「ああああああああぁぁぁ!!!」

「でもね、どんな辛い過去があろうともあくまでそれは“過去”なんだよ…?」

「あああぁ…あぁぁぁぁぁ…!」

「人っていうのはね…人生に不幸と同じ分だけの幸福があるんだよ」

「ぁあ……ぁ……」

その時フォック君の目から一粒の涙がこぼれた。それでも私は続けた。どうしても伝えたい事があったから…。

「フォック君は過去にいっぱい不幸があったんだからもう何も怖くないよ…これからは私達といっぱい…」

「…………グスンッッ、うぐっ……ゔぅ…」

フォック君から涙の粒がいっぱい溢れてきていた。

「…いっぱい幸せな時間…返済していこ…?」

「…グッ……ゔぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!…ゔぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

私の言葉を聞いたフォック君からの力が抜けていったのが分かる。

今は立っているのがやっとで全力した姿勢で上を向いて泣きんでいた。

そんなフォック君を私は更に強く抱きしめた。

「大変だったね…」

ナグナルトの攻撃を避けているとベル達の方からフォックの泣き聲が聞こえた。

うまくやったか…これでフォック達の方を気にせずにこっちで集中できる。もしものために力を使わずにベル達の事を気にかけていたからな…あとは俺に任せろ…!

そう思った時ナグナルトが攻撃を仕掛けて來た。俺はそれをし早めに回避し相手の拳に手をかざした。

重力作無重力ゼロ・グラビティ>!

相手の拳だけを無重力狀態にしてから拳が地面についたところで思いっきりぶん毆る。

相手の右腕と丁度後ろにあった相手の左足も一緒にチリも殘さず消し飛んだ。

我ながらすごいパワーだな…。

足を失ったロボットが制を崩して左手を地面についた。

パンチ一発で無慘な姿へと早変わりしたガ〇ダムを見ながら俺は拳を鳴らした。

「さぁて、そろそろ占めるかな〜」

すると急にナグナルトが怒り狂い怒聲をあげ始めた。

「お前ら一なんなんだよぉぉぉぉ!僕の所有に勝手に手を出しといて!その報いをうけろぉぉ!」

完全に逆ギレしてやがる…。

「フォックはお前の所有でもなんでもねぇ…フォックはフォックだ。あそこでお前の支配から抜け出して自分の意思で自分のしたいように行している。それが何よりもの証拠だ」

「知るか!お前達は何にも分かっちゃいない!僕の所有となる!それがフォックの運命だ!お前達も僕に殺されるのが運命だ!お前も言ってただろ!人は運命には逆らえない!いくら恨んだとしても変えられない!報いをうけろ!」

コイツ聞いてやがったのか…。

そう言い終えるとロボット全に包まれ始めた。徐々にが強くなるロボットから更にナグナルトの聲が聞こえてきた。

「お前達全員道連れにしてやる!!!」

恐らく自で俺達諸共道連れにして死ぬ気なのだろう…。ベル達もこちらに気づき2人抱きしめ合いを固めていた。

そんな中俺はが強くなるロボットに向かって気の抜けたような聲をかけた。

「おーい、ナグナルト〜…止めといた方がいいぞ〜無駄な事は止めて、さっさと俺に毆られろ〜」

「今更命乞いをしたところでもう遅い!終わりだァァァァァァァァァ!!!」

その聲と共にが一瞬ロボットのの一點に集束し弾けた。

「悪いな…ナグナルト…」

獨り言のようにそう呟き右手を突き出し思いっきり握りしめた。

すると発がロボットと共に一瞬にして跡形もなく消滅した。

「俺は…神だ…!」

離れた位置でを固めていたベルとフォックがゆっくりとこちらをみて何が起こったかが理解出來ていないようだった。

「アオイ…?アオイがなんかやったの…?」

ベルが聲を振り絞って質問してきたがそれを軽く肯定し説明をする事にした。

「俺の固有スキルの応用技だよ。名付けて圧コンプレッション>。さっきのは発のタイミングでロボットの周囲の空間そのものを一気に圧して消滅させた。まぁ跡形もなく消えちゃうから急の時にしか使わないんだけどね」

軽いノリで説明したがそのとんでもなさに2人が言葉を失っている。

「…ま、まぁ…一件落著という事で…」

あまりに気まづかったので無理矢理占めるしかなかった。

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