《異世界チートで友達づくり(仮)》黒幕②
「さぁ、來い!」
その言葉と共に黒マントがこちらに一直線に向かってきた。
とりあえずの最低條件はこの狹い部屋でフォックを連れ去られないでこいつらを捕らえる事だ。
それを可能にする方法は━━。
とりあえずきを止めるか…。
そう思い地面に手をついて魔法を唱えた。
「!」
そう唱えると俺の手のついた周辺に真っ黒な“闇”が部屋の床全に広がった。
黒マント2人がその床に足をついた時その“闇”が2人のふくらはぎまでまとわりつききを止めた。
これは闇屬魔法«中級»の束縛バインド魔法だ。
周囲の敵のきを止めるという簡単な効果だが、辺り闇が深ければ深いほど持続時間が増えるのだ。
だからこんな夜中には使い勝手がいい。その分弱點もあるがバレてなければ問題ない。
相手のきが止まったのを見計らって俺は一旦を解除してもう一度地面に手をついて魔法を発させた。
「!」
その言葉と共に目の前がり場所を移した。
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が収まり辺りを見るとそこには様々な形をした瓦礫が無造作に散らばっていた。
そう、ここは『カース跡』だ。
あの部屋だと狹くて戦闘には不向きの場所だったし、もしを壊した時の弁償が怖い…。
だから黒マント2人と向こうでまた別のヤツから狙われる可能のあったフォックを一緒にした。
近くにいすぎたら戦闘の邪魔になるため今はし離れた位置にを潛めるようなに別にさせた。
しばらくの間見つかる事はないだろう。
一応で隠れるように伝えておくか。
俺がで場所を移した事によりは自的に解除された。
そう、あの魔法は“闇”が者周辺全域を取り囲むので者は魔法発地點から一切く事ができないのだ。
よって回避などをする際は一度解除しなければならないのだ。集団戦には向かないんだよなぁ。
そんな事を思っていると自由になった黒マント2人が左右に広がりながらこちらに迫って來た。と同時に俺はを改めて発させた。
しっかし、見るからに暗殺者みたいなヤツらだ。スピードは人の姿の俺と同格ぐらいだ。
しかし、それはあくまで“人の姿”の時の俺だ。今の狀態なら敵ではない。
まぁ捕らえるために結構手加減しないといけないんだが…。
そうこう考えているうちに右の方から1人俺の懐に凄い勢いでってきた。
先程の迫って來るスピードより一段と速かった。系統のスキルか…?
そのまま敵は至近距離での橫なぎを放ってきたのでその攻撃を軽く後ろへステップして避けた。
が、その先に後ろから大回りで回り込んで來たもう1人が真後ろから短剣を一直線に突いてきた。
その攻撃はしゃがんで頭の上を通過させ、すぐさまその突き出した腕を摑み一人目の方に勢いを殺さないまま投げる。
黒マント同士が衝突し怯んでいる間に距離を取った。
ふぅ…なかなか手強いっていうか気が抜けるような狀態じゃないな…。
思った以上に連攜ひとつとっても洗練されたきだった。
長期戦になると援軍とか來て萬が一手に負えないっていう事になりかねない。手っ取り早く決著をつけないとな。
どうするか…またで足止めしてから気絶させるか…いや、相手も相當対人戦を訓練している。同じ技を使うと高確率で回避されるだろう。
とかいってで時間止めたとしてもまだ慣れてないから1人を止めるのがやっとな狀態だ。
仕方ない…久々にやってみるか…。
そう思い俺は警戒心を解きゆっくりと臨戦態勢を取っている敵の方に歩いて行った。
相手もそれには相當驚いていた。
それを隙と捉えて二人同時に俺に先程のように向かって來た。
まぁこんな無防備に近づいて來たらそりゃあ襲いかかって來るわな。
スピードを一切殺すことなく二人同時に俺に短剣を突いて來た。
とてつもないスピードだったが俺のの前では無意味だ。
その攻撃をしゃがんでかわして相手の懐に潛り込む。
そのままガラ空きになった相手の脇腹から顎目掛けて思いっきり掌底を打ち込む。
モロにくらった2人は若干ではあるが地面から足が離れた。
そのまま突き上げた手で顎を摑み円を描くように地面に叩きつけた。
━━━ドゴォォォォオオン!!!
とんでもない衝撃音と共に砂煙が上がる。
しばらくしてヒビがった地面に寢転がっている2人の黒マントをみてふと聲にもらした。
「ごめん、やり過ぎた…」
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