《異世界チートで友達づくり(仮)》長い夜①

「逃げられちゃったっスね(ザクッ)」

「そーだな〜(ザクッ)いいチャンスだったんだけどな〜(ザクッ)」

俺達は魔族の男に見事に逃げられ何の報も得られなかったのだ。

「ところでアオイさん(ザクッ)」

「なんだ?(ザクッ)」

そしてフォックは思いっきり深い深呼吸をして上を向いて━━

「僕達何してるんですかァァァ!!!」

━━思いっきりんだ。

俺達は魔族の男が去って行った『カース跡』で近くにたまたま落ちていたスコップを用に使い土木作業をしていた。

「そんな事言わずに早く終わらせようぜ(ザクッ)急がねぇと朝になっちまうぞ(ザクッ)」

辺りはまだ暗く周辺の森からはモンスターの鳴き聲が響き渡っていた。

「だからなんで僕達土木作業してるんスか!」

「いや、だってよ〜(ザクッ)」

そう言ってスコップを地面に突き刺してから続きを話した。

「こんなバカでかいヒビがってたら大事になるだろ?」

「まぁそれはそうっスけどどうして僕まで…地面割ったのアオイさんじゃないっスか」

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「こーゆーのは連帯責任で乗り切るもんだろ?」

「僕関係ないじゃないっスか!」

そう言いながらも『ラルズ王國』に1人で帰れる手段もない為渋々作業に取りかかった。

「そういえば、アオイさんの魔法で一瞬で元に戻せないんスか?(ザクッ)」

「んー、それは無理だな〜(ザクッ)」

「え!?なんでっスか?」

「いや、なんでって言われてもな(ザクッ)」

俺も最初は魔法でやろうと思った。

前にフォックを助けに行く時にベルが俺の背中からかけてた魔法ならすぐにでも元に戻す事ができるだろう。だが、

「あの魔法作めっちゃ難しいんだよ」

土屬魔法は簡単な土の作、例えば土をかすや土を盛るといった単純かつ大雑把な作しかできないのだ。

「あれ、でもベルさんは元の地面より綺麗に仕上げたって聞いたっスけど…」

「ベルは技があるからな」

「技…?」

「ベルはハーフエルフだし元々魔作の才能があった。普通の人はその技を習得するためには経験と訓練を積まなきゃならないんだよ」

「そうなんスか〜、ベルさんさすがっス」

確かに俺なんかと一緒にいるから薄れてるけどベルは魔道に関しちゃ天才級だったな。

しばらくして土木作業は終わった。

まだ辺りは暗く時間でいうと2時間かからなかったくらいで作業が終わった。

「さて、帰るか」 「はいっス」

労働を終えた後の気持ちのいい汗を拭いながら言うとフォックがトコトコ近づいて來た。

そして俺達はを使って『ラルズ王國』へと帰還した。

によるが消え視界が晴れるとそこは『ラルズ王國』の中央広場の噴水の前だった。

空間魔法のは一度行った場所にはいつでも移できるが、自信が移する際はその場所の近くか中心部周辺にしか移できないのだ。

そのまま夜遅く誰もいない中央広場をあとにして俺達は宿屋『集い亭』へと向かった。

木製のドアを開けるとさすがにメイさんは眠ってしまったのか部屋は暗く微かな月明かりを窓から採りれていた。

その明かりをたよりに2階への階段に足をかけて自室へと向かう。

フォックは暗い所が苦手なのか俺の服に手をやり背後にピッタリ張り付き辺りをキョロキョロ警戒していた。

フォックって確か“夜の王”の稱號持ってたよな…しかも狼って夜行じゃなかったか?

所々に矛盾をじながらも最終的に「小みたいで超可いからいっか」という事になった…。

2階に上がると誰かが俺達の部屋を覗き込んでいる景が広がった。その瞬間フォックが涙目になりガクガクと震えながら俺の服を強く握ってきた。

恐る恐る近づいてみると共に念の為の暗視を発させてみるとその正がすぐに明らかになった。

「あれ、メイさん…こんな所で何をブホォッ!」

俺の呼びかけに気づいてこちらを向いた時のメイさんの格好に思わず鼻が吹き出た。

はパッツパツのビキニ姿だったのだ。

「なッッ!なんて格好(ぬぐッ)…………」

メイさんに注意しようとしたら何かとてつもなくらかいに顔全が包まれた。

いや、もうこの際いおうではないか…俺は、メイさんのおっぱいの間に顔を埋めていたのだ。

ベルとは比べにならない程大きなに俺の顔がサンドされているのだ。しかもビキニ姿の為溫が直に伝わってくる…!

DTの俺にしてみればこんな夢のような狀況は大変好ましい…だが今は、苦しい!!!

その後すぐにメイさんにギブサインをだして苦しみから解放された。この世界でもギブサインが通じて助かった…あのままだったら2度目の人生が終わってた所だ。

まぁ文字通りで死ねるなら悪くはなかったけど…。

いや、それだと友達できてないまんまだから別世界に再転生ってのもありえる…その世界がもしもここより危険な場所だったらと考えると死ぬ気は失せてくるな…。

「てか、そんな格好でここで一何してるんですか…?」

さっきみたいな事になったら命がいくつあっても足りないので今度は小さな聲でささやくようにメイさんに聞く。

さっきの事を見てフォックは涙目でガクガクと震えていた…そんなに怖かったのね。

「メイさん?」

呼びかけてもこちらをじっと見つめて返事がない、聞こえてないのかな…。

「お〜い、メイさ〜ん」

目の前に手を振って呼びかけても先程同様返事がなくじっと俺の方を見つめている。

てゆうか、ビキニ姿のの子にここまで見つめられるとさすがに照れて━━

「もっと大きな聲でハキハキ喋りなさい!」

俺の顔は再びあの天國かつ地獄の空間へと抗う間もなくわれ普通に怒られた。しかも普通以上の聲量で。

もうこの人意味が分からなすぎる…!

「んんん、んんんんんんんんん、んんんんん!そんな、大きな聲出して、いいのかよ!」

必死に抵抗しつつ俺は訴えかけるが當然聲にすらならない。

そんなこんなで抗う男とビキニ姿の自分のに押さえつけるというはたからみたら意味の分からないかつ男の理想の景へと早変わりした。

だが、現実はそんなあまくない!

メイさんはプロレス技でもかけているかのように押さえつけてくるし、俺にいたっては呼吸もろくにできない死活問題だ。

その攻防が始まってからもう數十秒経過していた。

ヤバい…マジで死ぬ…!

そう思って咄嗟にのの効果を使いメイさんの視してメイさんの後ろ側の景を見る事に功した。

そのまま俺達の借りた部屋のドアに手をかけた。

こうなればもうベル達に助けを求めるしかなかったのだ。

そのまま勢いよくドアを開けた。

が…その部屋の狀況を見て俺は言葉を失った。

『スキルを習得しました』

未だメイさんに押さえつけられたままの俺の頭にそんな言葉が響いたのだった。

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