《異世界チートで友達づくり(仮)》愉快な日常①
とある場所━━
そこは暗く狹い部屋だった。壁に付けられた無數のロウソクが燈り辺りを照らしてはいるがそれが逆に不気味な雰囲気をかもし出していた。
その部屋の一角にロープで椅子に縛らり付けられている2人の黒いマントにを包んだ人がいた。
その2人の前に1人の男が立っていた。その者も同様の黒いマントにを包んでいた。
ひとつ違う所といえばその場にいる3人の中で雰囲気だけが尋常ではない程の殺気を帯びていた。
「若様!どうかお許しくださいませ!」
「今後このような失敗がないようにしますので、どうかご慈悲を!」
今にも泣きだしそうな聲で椅子に縛り付けられたまま前のめりになり弁解していた。
その様子を何を言うでもなく眺めていたがしばらくして若様と呼ばれる男がゆっくり口を開いた。
「君達にひとつだけ質問をしたい…」
「「ッッ!」」
「この世界でもっともやってはならない事はなんだと思う…?」
「そ、それは……殺人です」
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「私もそう思います」
2人は躊躇しながらもしっかりと聲に出して答えた。
その答えに若様と呼ばれる男は、
「正解は……」
そう聲に出した後右腕を素早く左から右へなぎ払った。
━━━ズシャアァァァァァア!!!
その音と共に2人の首は飛び切り口からは大量のしぶきが上がった。
「……“失敗”だ」
首が宙をまっている最中に男はポツリと聲をこぼしていた。
「失敗の先に待つのは“死”だ。それは何者にも変える事はできないこの世の真理だ」
床に転がる2人の生首にそう言い放った。
「はァ…また片付けから大変な事やらかしましたね…」
そんな言葉を発したのは目を黒い布で覆った見るからに気だるそうな男だった。
「何か用か?」
「まぁ、はい。王からの伝言を知らせに來ました」
「伝言?」
「『自分の私利私のためにくな、保持のために早急に目標を排除せよ』との事です」
「まったく…実の族を始末しろなど…イカれてやがるな」
「しっかりと仕事はこなして下さいね…」
「あぁ…分かっている」
そう言った男の聲にはどこか含みのあるようなじがしていた。
「んん…ふあぁぁ〜……」
朝日に照らされてあくびをしながら目が覚める。目をうっすら開くと澄んだ青空を雲が渡っていた。
仰向けで寢ていたため直接まぶたに日が差して余計目が覚める。
寢起きの朦朧とした意識で昨日の夜の事を思い出す。
昨日はベルに連れられて夜に『ラルズ王國』を抜け出してここ『迷いの森』までや來てベルは信じられないような景を俺に見せてくれた。
その後気持ちが高ぶって━━恥ずかしい事をベルに言いました…。
自分の顔が赤くなっていくのをじながら上をゆっくり起こす。隣にはまだベルがぐっすりと眠っている。
ベルが何故かあの後目をまわして気絶してしまったので、しょうがないからここで寢る事にしたのだ。
しっかりとモンスターに寢込みを襲われないように屬の«超級»魔法を周辺のアーチ狀に展開してから寢たのだ。
この魔法は自の周辺に展開してありとあらゆる攻撃を無効化する。もちろん魔やモンスターといったものを寄せ付けない効果もあるのだ。
しかも注ぐ魔力量を調節すれば範囲と強度は自由自在なのだ。便利すぎる魔法だ。まぁ«超級»魔法だからとんでもなく魔力持ってかれるんだけど…。
「ん…んん……」
張の抜けるこもった聲をだしてベルが目を覚ました。この時俺は思いっきりベルを抱きしめたい衝に駆られていたのは黙っておこう…。
「起きたか、ベル」
「ん〜…おはよ〜アオイ…」
目をりながらゆっくりと上を起こしてうっすら笑みも浮かべていた。
俺達は目を覚ますために近くをちょうど通っていた川で顔を洗った。
「そう言えばそこのでけぇ木の周りにはなんで他の木が生えてないんだろうな…」
アイテムボックスから取り出した«きれいな布»で顔の水を拭き取りながらふと思った疑問を口に出した。
「ん〜、多分この木から溢れ出てる魔力のせいで木々が長できんないんだと思う」
「この木の魔力?ベルは魔力が見えるのか?」
「うん、なんかね、半霊族ハーフエルフになってから急に見えるようになったんだよね」
「へ〜、エルフ特有の特みたいなものなのかもな」
流石は“霊族”と呼ばれるだけあるな。
「アオイもその使えば見えるんじゃないの?」
「そうかな、試すだけ試してみるか」
そう言ってを発させた。
最初に巨木の名前が表示された。
«嫉妬の魔木まぎ»…嫉妬を含んだ魔力を多く流される事で出來た魔力を蓄えた木。
説明だけじゃ何をいっているのかよく分からなかった。嫉妬を含んだ魔力…?魔力にが関係あるのか?
まぁ今はそんな事より魔力の視認だ。魔力ととの関係は今度ベルかダルに聞いてみよう。
そう無理に切り替えて俺は魔木を目を凝らしてじ〜っと見た。
するとうっすらとだが確かに木の周りに何かが漂っているようなものが見えた。
は紫に似たようなで大気が歪んでいるようなじだった。
「なんとなくだけど見えた」
「やっぱりね…」
どこかやっぱりというようにも聞こえた。
「でも、この魔力…なんだか心がモヤモヤする」
「確かにね、何か悲しい雰囲気がする」
拠はないが確かにこの木の魔力からそのようなじはしていた。
その後俺達はそれぞれがを使って『ラルズ王國』へと戻った。
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