《異世界チートで友達づくり(仮)》潛③
中は全的に薄暗く、天井が見えない程の広さだった。その天井から大きなシャンデリアがびていた。
「相変わらず中の兵士も眠ってるなぁ」
「アンタが眠らせたんでしょうが…」
自分のやったことを棚に上げて言うダルにツッコミをいれてを起させた。応用の範囲理解だ。の探索機能を利用してどこになにがあるかを理解することができるのだ。
調べると正面に階段があり途中からT字型に分かれているのが分かった。その両脇に部屋が2つ…その2つの部屋は階段の下を通って繋がっていて書庫のようになっていた。その中に………よし、分かった。
「さ、ちゃっちゃと行くよ」
そう言って私は2人を先導した。
「やっぱりね…」
中にった私たちはってすぐの口前で止まっていた。
「どうしたよ、ベル…こんなとこに止まって」
「混魔族ディーマンのアンタなら分かるでしょ」
「ん?」
そう聲をもらしてダルは部屋全を目を凝らして見渡した。そしてしばらくして、
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「あ〜…そういうことか」
納得したように頷いた。
フォックちゃんは不思議そうに私とダルに互に視線を向けていた。
「この程度なら俺に任せろ」
そう言って取り出した杖を正面へ向けた。
「[解錠アンロック]」
唱え終わると同時にガラスのように空間が崩れ落ちて先程まで本棚があった場所には地下へと続く石造りの階段が現れた。
おおかた予想どうりだ…魔力の流れが不自然に漂ってたから何かあると思ってたけどまさか地下への階段が隠れてたなんて思いもしなかった…。
を使おうにもこの魔力の不自然な流れが邪魔でよく分からなかったのだ。
「この下にアイツらが…?」
息を呑む…魔族の男と戦った時のことを思い出して張がはしった。
「恐らくな…ここまで來たら行くしかねぇだろ」
ダルも覚悟を決めたようだ。フォックちゃんも真剣な表をしていた。
私は1回深く大きく深呼吸をしてから
「……行こ」
とポツリと言い放って階段に足をかけた。
「どこまで続いてるんスかね…?」
「う〜ん…が使えないから不思議なんだよね」
なんだかんだ階段を降り始めてから5分くらいの時間が経っていた。
階段は人ひとりれるくらいの幅しかなく、しかも真っ暗だ。そのため先頭で私が魔法で燈りを照らして後ろにフォックちゃん、ダルの順に階段を降りていた。
「恐らくこの地下にスキル使用不可の結界で覆われているんだろうよ」
「スキル使用不可の結界なんてものがあるの?」
「何人かの魔師が束になってやっと完できる結界だ。固有スキルも使えねぇから厄介なんだよ。だから早めにその結界壊さねぇと面倒だぞ」
確かに…固有スキルが使えないと不利になる…フォックちゃんは獣王フォルムになれないしダルはが使えないってことだから重大だ。
フォックちゃんには一応の予備武として短剣を持たせてあるけど武を使ったことないようだったから恐らく無意味だろう。
またしばらくすると今度は石造りの大きな広間に出た。どれくらい広いかは分からなかったけど端っこが見えない程だった。
「ねぇダル、どうにか結界を破れないの?」
「できなくはない…けど、それにはちょっと時間がかかる。何十層にも重ねがけされてるからな」
「どれくらいかかりそうなの?」
「たぶんだけど1時間もあれば解ける」
「はァ…あなた達はどこまで規格外なんでしょうね…」
「「「ッッ!?」」」
聞き覚えのある聲だった。忘れるはずもない…なぜなら私たちの目的の1つとしている人の聲だったから。
「お前は!」
「どうも、お久しぶりです。邪魔者の皆さん」
黒ずくめの服にを包んだ魔族の男は深々とお辭儀をした。と同時に辺りの壁に取り付けられたろうそく立てのろうそくに一斉に火が燈った。
「どうぞごゆっくりお楽しみください」
そう続けた魔族の男の後ろに黒マントの男達がずらりと並んでいた。數でいうと100に近い人數だった。
「やっぱり黒マントと繋がっていたのね…」
魔族の男と黒マントの[ナイト・ルーラー]が繋がっているという悪い勘が當たってしまった。
私たちは急いで戦闘態勢にはいった。
「ダル!結界の解除お願い!」
「おう!その前に…[絶対発エクスプロージョン]!!!」
その呪文を唱えると黒マント達に大きな発と風が襲った。
「「ッッ!?」」
とてつもない風に耐えながら私は敵の狀況を把握しようと細目で観察していた。
しばらくして風は収まって狀況把握を行うと黒マントはほぼ全員倒れていて數人かろうじて立ってはいるものの見るからにボロボロの狀態だった。
唯一、魔族の男だけが無傷で立っていた。紫の明な球に覆われていた。
「はァ…なんて魔法を使うんですかね…」
「チッ、無傷かよ…」
骨そうに舌打ちをして魔族の男を睨みつけている。
「ダル…アイツ、1人で倒せそう?」
小聲でダルにだけ聞こえるように言った。
「難しいだろうな…しでも結界を早く解くためにじっとしていたいし、さっきのは«火屬魔法»の«超級魔法»だ。それを防がれちゃ勝ち目は薄い…」
「分かった…じゃあどっか隅の方で結界の解除に集中して來て」
「いいのか…?」
「大丈夫…元々私はアイツにようがあって來たんだからね。それにフォックちゃんもいるしね」
「フォックは渡さんぞ…」
「ッッ!?」
急に背後に気配をじたので慌てて振り返る。そこには部屋へ攻めてきた黒マントの男だった。
「アンタは!?」
そう言い終えると同時に黒マントの男は私のそばにいるフォックちゃんの手を摑んだ。
「フォックちゃん!!!」
その時私の脳裏に黒マントの男の言っていた言葉が過ぎる。
(「フォックはどこにいる?」)
黒マントの男はフォックちゃんを狙っている。そう思って咄嗟にフォックちゃんに手をばしたがその手は屆くことはなかった。
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