《異世界チートで友達づくり(仮)》ベル VS ブリュード②

「はァ…絶対に勝つというのはまた大層な虛言を吐きますね…」

弓を持つ手をギュッと握りしめてから

「それはやってみないと分からないよ?」

と挑発的に笑みを浮かべて言った。

まぁブリュードの言っている事が多方間違ってはいないのだ。

力の差は歴然…相手は魔王軍の幹部クラスで私はつい最近まで村娘をしていた初心者級の冒険者だ。戦闘経験の差は明らかに相手の方が上だ。

こちらにはあとダルがいるけど結界の解除に集中したいとの事で離れたところで解除に取り掛かっている。

狀況は傍から見ても絶絶命の危機だった。

でも今はそんなことはどうでもいい!

アオイを助け出す!それが今の私のやるべき事なんだから!

「絶対…負けてやるもんか!!!」

そう自分に言い聞かせるようにんで相手に矢を放った。

「まったく…弓師の技は単調だから嫌なんです…」

そして私から10mくらいあった距離を一瞬で私の目の前まで詰めて來た。

驚きはしない…なんたって1度同じ手をけてるからね。それに━━

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「ビンゴ…」

「ッッ!!?」

━━対策は考えてある!

私の目の前で蹴りの勢にったブリュードのきが時間が止まったかのように直した。

「これは…一……」

気味に自分のに目をやる。

「これは……ロープ?…いや、紐か」

そこには中に紐が絡みつき、蹴りの勢でき1つ取れない狀況になっている自分がいたのだ。

「これは私の裝備、«ホーミパンツ»の特殊効果だよ」

笑顔でそう言って弓の弦をめいいっぱい引いた。

「[の矢ライトニングアロー]!」

り輝く矢を至近距離で5つ一気に放った。

ブリュードはきが取れずに命中し衝撃で砂埃が舞う。直後反撃を警戒してまた10mほど距離を取った。

その際、距離を十分に取ってから紐の拘束を解いた。

「なるほど…その紐、ただの紐ではありませんね…」

砂埃の中から何事も無かったかのように平然と歩いて出てきた。

やっぱりあの程度じゃダメか…。ほぼ無傷で現れたブリュードを見て心割り切ったように思った。

「«エイリアンプラントのツル»と«魔晶石»を加工したものですか…いい裝備ですね…」

「…正解……よく分かったね」

遡ること約10時間前━━『ユンベット店』加工場。私がヒルメから裝備をもらった時のことだ。

「魔力の紐…ですか?」

「そう、簡単にいえば«魔力紐まりょくじゅう»っていうんだ」

「は、はぁ…」

「何がなんだか分からないって顔だね…」

「まぁ使い方がいまいちよく分からないっていうか…」

「安心したまえ、今からちゃんと教えるから」

そう言ってヒルメは私に分かるように丁寧に教えてくれた。

「«魔力紐»を作れるモンスターっていうのがこの世界に何種類かいるんだけど、その中でももっとも強度が高いのが«エイリアンプラントのツル»からできる«魔力紐»なんだよ」

「それが«エイリアンプラントのツル»から作られた«魔力紐»なんですか?」

「そーゆーこと〜。«魔力紐»の特徴は魔力を流し込むことによって自在にれるってことなんだよ。加えてその先端に付いてる«魔晶石»は空気中から常にマナを吸収することができるんだ」

「つ、つまり…?」

「つまり、«魔晶石»が常にマナを蓄積して«魔力紐»に送ることによって微量の魔力で最低限の作が可能になるのさ!」

ヒルメがを張って堂々と言ってみせた。

つまりは«魔晶石»が蓄積したマナを常に«魔力紐»に送り続けることによって魔力消費を最小限に抑えて自在に«魔力紐»をることができるってことだ。

説明が終わったあとにヒルメから注意事項を言われたことを思い出した。

「«魔晶石»から送らるのはあくまで必要最低限の魔力。化け級の相手を拘束するとなると到底きを封じることはできないからね。«魔力紐»は送り込む魔力の量によって強度が比例する。これだけは覚えておいてね」

と、何度もくぎを刺されたのだ。

「なるほど、だから今の私の力ではちぎれないということか…」

「ちぎってもらうとこっちが困るんでね」

できるだけ見栄を張ってこちらのことがバレないように笑みを浮かべて余裕ぶってる風に見せてはいるものの、心では揺していた。

さっきの拘束は«魔力紐»の最大限を10割と考えると8割くらいの魔力を込めたのだ。

最初は6割くらいで拘束したものの、予想以上に力が強かったため慌てて強度を引き上げたのだ。

ヒルメの話によればどんな大型魔獣でも4、5割で拘束できるという話だった。

ホント…魔族は化け級だ…。

まだ練習が足りてない気もするけど、そんなこと言ってらんないよね…使ってみるか。

「はァ…わざわざ蟲けら同然の相手を負かさないといけないわけですか…」

「言ってくれるじゃないの」

そう言って私は思いっきり矢を放った。

それをブリュードはその場から1歩もくことなく、上を傾けることでかわした。

「まったく…ちんけな矢ですね」

そう言いながら上を戻した時だった。

「うグッ…!!!」

ブリュードの顔面に矢が當たってダメージがった。その衝撃で上が仰け反る。

「………これは…一なにが…」

一瞬の困の間の後、そんなことを言った。

やはりダメージはほとんど殘ってはいなかった。けど何をされたのかは分からず困していた。

このままバレずにどんどんダメージ與えられれば言うことないんだけど…そう上手くはいかないよね…。

「なるほど、ちょっとは楽しめそうですね…」

私はそれを聞いても表ひとつ崩すことなく弓を構える。

何かを言ったら逆に技の正がバレるかもしれないからね。

そしてもう一度矢をる。

今度は警戒したのか、大きく左斜め後ろへと一瞬で飛び退いた。

だけどそんなものは通じない…。

「グッ……」

またも矢がブリュードの顔面に直撃したのだった。

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