《異世界チートで友達づくり(仮)》魔族 VS 混魔族②

功したってのはちょっと語弊があるかもしれないな…お前が“功者”だとするならば、俺は“生存者”って言った方がいいかもしれない」

「………」

「て言っても俺の場合、1回死んで、ナグナルトが放棄してしばらくしてから心臓がき始めたんだ」

その言葉を聞いた時、自分の中でひとつのが見えた気がした。

「他にも!!!………」

つい聲を荒らげたがそのに期待を膨らませた後に失うということに恐怖して冷靜になってからゆっくり口を開いた。

「…他にも……“生存者”はいるんですか?……僕の…お兄ちゃんは…」

生存者がいるのであれば兄も生きているという可能がないとは限らないのだ。

可能が低いにせよ、どうしてもそれを確認しておきたかったのだ。

しの間沈黙が続いた。

そしてゆっくりと男が口を開いた。

「フォック……お前は、兄貴に會いたいのか…?」

「會いたい……生きてるの?」

「………兄貴が會いたくないと言っても?」

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「會いたい!!!」

男の言葉に僕の期待が最高まできていた。こういうことを聞いてくるっていうことは『生きている』と言ってるのも同然だった。

男は深く深呼吸をしてからその表が読み取れないほど深く被っていたフードを取った。

「これでも…會いたかったか?」

「ッッ!!?」

男の顔を見ていろいろなが自分の奧底から溢れ出てくるのをじた。

男の顔は顔の左半分を火傷によって皮が溶け、頬が削れ左奧歯が剝き出しになっている酷い狀態だった。

それを見て私は椅子から立ち上がり、涙が頬を伝うのが分かった。聲が出なくなり自然と手が口元にいく。

その狀況は男の酷い傷を見た恐怖のでも悲しさのでもなかった。

「あっ……あ…、おにぃ……ちゃん」

2年前に死んだはずの兄との再會による…喜びのが僕を支配した。

「ダ…ル……」

そこに立っていたのは«制裁の杖»を構えた頭に禍々しい角を生やし、魔族のが混じっている証のアザを顔に浮かべた混魔族ディーマンであるダルだった。

「遅くなったな、ベル」

こっちに一瞬笑いかけたが、すぐにその視線は吹き飛んだブリュードを睨みつけていた。それはいつになく真剣な表だった。

「おい、ブリュードとやら…これからは俺が相手してやる」

その言葉と視線には殺意がまとわりついていた。

そして何事もなかったかのようにブリュードがゆっくりと砂煙の中から歩いて出てきた。

「やれやれ、結界が破壊されてしまっている…貴方の仕業ですか、」

ダルがその言葉を聞いて一瞬ビクつき俯き、小刻みに震えだした。

それを意にも返さずブリュードが続ける。

「それより問題は方法です…いくら上位の魔師だとしても、結界の解除にはなくとも1時間はかかります。それを1人で30分も経たずに解除できるとは…貴方、一どうやったのですか」

その言葉を聞いてダルの震えが止まった。

「どうやって…解除したかって…?」

ギリギリ5mほど離れている私に聞こえるくらいの聲量で言ったあと、急に顔を上げたダルが………。

「どうやった?じゃねぇんだよォ!クソったれぇぇー!!!」

━━豹変した。

「なにこんな高度な結界展開してんだよ!お前らだったらこんなん使わんでも十分だろうが!解除がいちいちめんどくせぇんだよぉぉぉぉお!!!」

…………。

どうやら、結界を解除することの鬱憤うっぷんを晴らしたいようだ。

「ダル……大丈夫…?」

「うるせぇ!大丈夫かは俺が聞きてぇわ!」

………八つ當たり?…………別に怒って言うことじゃないじゃん…。し、いや結構落ち込んだ。

「それにお前!!!」

そしてブリュードの方を指さした。

「お前、『どうやって解除したか?』って聞いたな!いいだろ!教えてやるよ!」

そう言ってダルはマントの中から長方形の紙切れを6枚取り出した。

「この紙分かるか!?«魔消札ましょうふ»だ!」

«魔消札»…魔力や魔法を打ち消すお札。1度使用するとお札の印いんが消え、ただの紙になる。

ダルの«魔消札»を握る手が強くなる。

「俺はなぁ……俺は…行商人っていう職業だから、貴重な商品のアイテムは自分のポーチにれてんだよ…!それをお前らのせいで……」

そして再度«制裁の杖»をブリュードに向けた。

「1枚いくらかかると思ってんじゃァァァァァァあああ!!!!!」

そのび聲と共に先程の[漆黒の砲撃ブラックカノン]を連続でブリュードに撃ち込んだ。

1発1発が相當の威力の魔法だ。凄まじい轟音と衝撃波が発生した。

私はだいぶ回復してきたのでダルとブリュードの一直線上からそそくさと隅っこの方へ移した。

「クソッ!クソッ!クソッ!ただでさえ金がねぇのに高価な商品使わせやがって!多重層結界とか張ってんじゃねぇぞ!!!馬鹿が!!!!!」

ダルは完全に壊れていた。緒が不安定で涙目になりながら笑って魔法を撃ち込んでいた。

「どこを狙っているのですか…?」

いつの間にかダルの背後を取ったブリュードが拳を構えていた。

ブリュードが拳を突き出すと同時にダルのが黒い霧に変わり、ブリュードの更に後ろに回り込んだ。

「お前がな」

そのまま背後から拳でブリュードの背中を巻き込みながら地面へと叩きつけた。

同時に凄まじい衝撃波がはしり、辺りの地面が陥沒した。

師にしてはとてつもない力量だった。

ブリュードを地面に叩きつけた後、すぐに距離を取って杖を構える。

「[黒炎柱ダークフレイム]!」

詠唱と共に巨大な黒い炎の柱が発生した。

熱さはそこまで酷くはないけど、の痛覚が刺激されるようなじだった。

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