《戦力より戦略。》1日目の夜

「え?ここ?」

「はい!どうですか?」

「いや、どうですかっていわれても……」

想とか……でるかよ。でかいとしか言えねーよ。

「エルフの家ってみんなこんなでかいの…?」

「え?そうですね。私たちは3人家族だったんで小さいほうだとは思いますけど……」

まじか。エルフの優雅さ、恐るべし。

「リブレさーん、らないんですかー?」

あ、ちょっと面食らってたか。いつの間にかレインが中にはいろうとしてる。

「あぁ、はいるよ」

「お邪魔しまーす……」

おぉ、すげー。

外見の大きさからいって絢爛豪華な裝をしてると思ってたが、華な裝飾は抑えられてる。落ち著いた印象をけるな。親の趣味がうかがえるな。

シンプルに言ってめっちゃいい。

「どうですか?」

「あぁ。中にはいって印象変わったわ。俺レインの家気にったよ」

「ありがとうございます!」

レインがしほっとした表をしながらにこっと笑う。

どうやら俺が家を気にるかどうかが気がかりだったらしい。なんでそんなこときにするんだ?

「えっと、3階までありますけど、1・2階にはトイレとお風呂がついてます。1階はキッチンや客間、応接室とかがあります。2階は寢室が3部屋、3階には5部屋あります。3階のほうが広いですけど、2階だったらお風呂とかが近くなりますね。どうします?」

あ、すげー。そんなに部屋あるんだー。

って、は?そんなにあんの?

「なぁ。この家に何人で住んでたんだっけ?」

「え?もちろん3人ですけど…」

まじか……。なんのために使うんだよ……。特に3階……。

「で?どうします?」

「え?あぁ。じゃあ……2階でいいよ」

風呂遠いの面倒だし。

「わかりました。じゃあ階段上がって正面の部屋を使ってください。1番手れが行き屆いているんで」

「了解」

そう言って階段をあがり、正面の部屋へ向かう。

おぉ。綺麗な部屋だな。普段から手れされてるのがありありとわかる。

「失禮しまーす」

そう言ってレインがってくる。

「この部屋でいいですか?一応他の部屋も見ます?」

「いや、必要ない。十分すぎるくらいだ。ありがとう」

「それはよかったです。あ、夕食なんですけど好き嫌いとかあります?」

「いや、ないな。たいてい食べられるぞ」

そういうところだけは厳しかったからな。

レインお手製の料理は見たことがないものばかりだったが10歳とは思えぬ料理スキルによりとてもおいしかった。材料は途中まで聞いてやばいと思って聞くのやめた。

その後、無駄にでかい風呂でどうしたらいいかわからずおどおどしながら過ごし、ベッドにはいるとすぅっと眠気が襲ってきた。そういえば的にはこの世界も24時間っぽいな、現実世界とはどんな時間軸の差があるのだろうかとか思っていた。

そのまま眠りに落ちることはなかったが……。

レインが部屋にってきたのだ。これはやばいやつか!

あ、でもレインの顔が真剣だ。

「リブレさん……。起きてます……?」

「あぁ、どうした」

意を決した顔でレインは言葉を紡ぐ。

「私はリブレさんのことを信用できる人だと思ってます」

「どうした急に。頭でも打ったか」

「違いますよ!」

むーって顔でレインがこちらをみてくる。

「あとしだけきっかけがしいんです。リブレさん……

私を一緒に連れて行ってくれませんか?

今日一緒にいてわかりました。リブレさんが私を頼ってくれるのは報がない今のうちだけです。すぐに要領をつかんで私の助けなどいらなくなるでしょう。そのときにも、私と一緒にいてくれませんか?」

あぁ。 そういうことか。

レインは不安だったのか。また、自分が信頼できる人が目の前からいなくなってしまうことが。

「わかった。お前の両親に誓って、お前が一人でやっていけるようになるまで一緒にいよう」

「ありがとう……ございます……」

この言葉は絶対に守らなくてはならない。それは窮地に陥ってはいけないことも意味する。俺が犠牲になってレインが生きてもそれは約束を守れていないことになる。ご両親に怒られる。

「あと、今日、一緒に寢てもいいですか?もう一人ではないって実したいんです」

え?あ、うんー?ま、いいか。

「あぁ、しっかり休め」

そう言うといそいそとベッドにってきたレインはすぐに寢息を立て始める。よっぽど疲れていたのだろう。

その寢顔を見ながら俺は自分がやるべきことを考えつつ、眠りについた。

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