《戦力より戦略。》小さくてもいいことは多々あるよね

「なんで僕を巻き込むんですか!?」

俺とともに控室(?)みたいなとこに移したレインが烈火の如くまくしたてる。

「そりゃ、かばってくれたのには謝してますけど……。でも! 私じゃ足手まといになるだけです!」

{気恥ずかしさ}と{憤慨}がせめぎあってるな。

どんなだよ。

「まぁなんとかなるって。今回はレインを軸に組み立てるから。失敗するなよ?」

「なんでさらにプレッシャーかけてくるんですかー!」

面白いからだろ。

まぁそんなことはともかく。

レインを中心に組み立てるのはあいつらにレインを認めさせるためだ。

種族に対する偏見が強すぎるからな。

一度示しとかないとどうにもならないだろ。

どうするかな……。

「そういやレインもレベル上がってたよな。なんか新しくできるようになったか?」

「いえ、新しくできることはないです。それぞれの威力・効力があがったってだけですね」

そうなのか。

「じゃあ、サイト・ファイアを試してみてくれ」

どれくらい強くなったんだ?

「あ、はい。いきますよ。サイト・ファイア」

俺が指していた紙の束が一気に燃え上がる。あっつ!

「こんな強かったっけ!?」

「前も言った通りエルフはレベルによる上がり幅が大きいですからね。人間より魔法適正もありますし……」

あー、はいはい。

強い強い。

「なんで怒り気味なんですか」

「怒ってないですけど?」

拗ねてるだけです、はい。

「うーん、あれやってみるか?」

でも規模がわかんないんだよなー。

「今回は作戦を説明してもらいますよ?」

レインが靜かーに言ってくる。

はい。

「まずは……」

「ではこれより模擬戦を開始します」

マレイユさんが仕切る。

力・魔力は雙方実際の値で行います。相手を殺してしまうことはあり得ませんので思う存分やってください」

安心・安全だな。

「では……、始め!」

號令とともにタンドルがこちらに飛び出す。

チンドルは後方で魔法の詠唱を開始した。

「なるほど。才能は二手に分かれたんだな」

「その通り! そのおかげで我らはそれぞれ自の長所をばすことに捧げ、ここまで強くなったのだ!」

その言葉が示す通り、タンドルのきは洗練されており、チンドルの詠唱も滯りない。

まぁ、

「キラのほうが速いな」

キラを見た後だとどうしても見劣りする。

「それを補うための私だ!」

チンドルのウォーター・サプライが床に満ち、きが制限される。

レインは小柄なのでちょこまか逃げれているが、俺はちょっときついな。

不足に筋痛もたたって満足にけない。

「リヴィ・バインド」

多重発して部屋にいくつものツタの柱を作る。

「レイン」

「はい! シャイニー・ポイント!」

部屋の片側二隅に源を作る。

「影隠しシェイド・ハイド」

それによってできたに潛り込む。

「どこへいった!?」

「こっちへ、兄さん!」

俺たちを見失った二人はお互いの死角をなくすように背中合わせに構える。

ま、それがセオリーなんだけど。

今回ばかりは悪手だ。

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