《戦力より戦略。》正裝って恥ずかしいもの多いよね

「で、俺はなんでこんな格好させられてるんですかね…?」

自分の鏡に映った姿を見ながら文句を言う。

「しょうがないじゃないですかリブレさん。あくまで使節として隣國に行くんですよ?ぶふっ。そんな格好も必要だというものです…」

おい、レイン!今笑いをこらえようとして失敗しただろ!

俺は中世ヨーロッパってこんなじだったのかなーっていう燕尾服(?)を著ていた。

ドルガバという隣國に俺を派遣する以上、それなりの格好をさせなければならないだろうという話になったのだ。

レインも俺についてくることになったのだが、そもそも持ってるものが違うので比較にもならない。

いつもは水のワンピースを著ているのに対し、今は薄みどりの爽やかな印象を與えるドレスを著ている。王様から借りたもので、レインも相當にテンションがあがっている。{興}になってはいるが、たぶん{ウキウキ}と{ワクワク}が半分半分で構されてるな。

「おい、レイン」

「なんでしょう?リブレさん?ぶふっ」

あーもう怒った。

「それ傷つけたら弁償らしいよ」

「え?」

急にきが固まるレイン。

「確か、2億ルベルって言ってたかな?」

「そ、それはパン何個ぶんですか…?」

なに?一般的な価値の尺度ってパンなの?あっちで言うとうま◯棒何本分みたいな?そんな數え方小學生の頃でもそうそうしてなかったけど。

「えっと、確かパンひとつが200ルベルだっただろ?ってことはパン100萬個分か」

「パン100萬個分のお金…」

なんかその數え方レモン1000個分みたいなのを思い出すからやめてほしい。笑いそうだ。

「こんなの著なくてもいいのにな…」

「なにか言いましたか?」

「なにも言っておりませんよ?」

今回のこれはマレイユさんの主導のもとに行われている著付け會である。

マレイユさんがどこにでも目をらせているため、滅多なことは口にできない…。この國に言論の自由はないのか!

「で、お前も行くのかルーリア…」

「當然ですわ。相手方の王様を相手にするんですもの、こちらも王族を立ち會わせないのは無禮というもの」

そんなもんかねぇ…。

今回は俺、キラ、レイン、ルーリアの四人でこそこそ行くことになっている。正式な訪問ではないし、今俺たちが向こうに姿を現すのは得策ではない。更に鋭で行くことでなんかあったときも出くらいはできるだろうという考えもある。

顔面偏差値を俺が大幅に下げてしまい、申し訳ないと思うと同時に、帰りたい。

「なんでこんな強行軍に俺なんかが…」

「それはこっちのセリフですよ…」

実際レインはただのとばっちりである。隠れてやり過ごして家でぬくぬくしているつもりだったらしいが、マレイユさんに見つかり、連れていかれることとなった。

かなり抵抗はしていたのだが、マレイユさんによる説得脅迫により快諾となった。

「あんなの選択の余地ないじゃないですか…」

世の中力なんだとじる瞬間である。

「なにかと4人の方が都合がよいのですよ。エスコートなどもあるかもですからね」

うわ、でた。エスコート。あんなの出來るわけないじゃん。

「さぁ、そろそろ行こうか」

正裝にを包んだキラが呼び掛けてくる。

あんなのあるなら俺もあれが良かったんだけど!?

それより…、

「は!?今から!?」

「善は急げという言葉もあるしね」

急ぎ過ぎじゃね!?

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