《戦力より戦略。》の年齢は謎が深いよね

あー、うん。魔界ね。知ってた。そういうじのとこだっていうのは。地獄じゃないから死んでないってのがわかっただけもうけもんだな。

「あれれー?あんまり驚かないんだね?お姉さん折角張り切って紹介したのに悲しいなぁー」

心の準備は上空で嫌っていうほどついてたんで。ほんと無意味なくらいんなパターン想起してたからむしろ良い方だったわ。

というかあれで張り切って紹介してたのかよ。紹介文は『魔界へ!!』の一言しかなかったのに。張り切ってなかったら全く報なくなってるだろそれ。

「というかそのキャラなに」

「えー?キャラとはひどいなー。お姉さんは元々こういうヒトだよー?さっきはちょっと申し訳なさと警戒心があったから敬語だったけど、もう知り合いだし?遠慮はいらないかなーって」

できれば遠慮したままで普通にしゃべっててしかった…。知り合いと定義するの早いな。

「で、ここは魔界?なんだな?」

「そうだよー。魔王様が治める魔界。上の世界とはまた違ったものかもねー」

うん。やっぱ魔王いるのか。この世界、ゲームにしてはラスボス的な立ち位置のやつがいないなーとは思ってたけど、下にいたのか。

「で、上となにが違うんだ?」

「んー。上がどんなのかあんまり知らないから微妙なんだけどー。上は國っていうのがあるんでしょ?なんか多くのヒトをまとめるような。ここにはそれが無いんだよねー。というか、しようとするヒトがあんまりいないってじかな」

統治組織がないってことか。じゃあ、上の統治協會?とやらの介めそうにないな。自力でどうにかするしかない。上と下は完全な別世界と思っていいな。

「なんでそういうのを作ろうとしないんだ?」

「そうだねー。あえて言えばそういうのが好きじゃないのかなー。ほら、プライドが高いからさ。他人にどうこう言われるのを好まないっていうか。自分一人でもやっていけますよ的な?かく言うお姉さんも一人暮らしだしねー」

なるほどな。よく言うと自立心が高い、悪く言うとプライドが高いってやつか。無意味に見栄を張ろうとする傾向があるもんな。そういうやつ。

「えっと、あなたがそういうことを気にするようなヒトには見えないんだけど?」

「お姉ちゃんって呼んでくれると嬉しいなー」

「で、どうなんです?」

華麗にスルーして話を続ける。

「…お姉さんは別にいいんだけどさー。ここじゃ一人暮らしが獨り立ちの証ってじでね?それができて一人前って考えなんだよー」

なるほど。お姉さん呼びも諦めてないし。

「それでぐーたらしてた家を追い出されて今に至ると」

「そ、そんなことは、な、ないよ?あはは、人聞きが悪いなー?」

図星かよ。

「すると、ここらへんに住んでるんですか?」

「そうだよー?」

…にしてはなにも見えないけど…。

きょろきょろしていると察してくれたみたいで。

「そんなわかりやすい場所には作ってないよー。余計ないざこざの種になるしね?ここからはちょっとお姉さんの家は見えないかなー」

なんで家があるだけでいざこざになるんだ。

「あ、良かったらお姉さんのおうちにくる?落ちてきたばっかりでなにもわかんないでしょー?」

こ、これは!?人の年上宅に招かれるというシチュエーション!

「あ、聞いていいのかわかんないんですが…」

「ん?なにかなー?」

「おいくつですか?」

「あぁ!ピッチピチの287歳だよ!!」

かなり上だった!!

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