《戦力より戦略。》逃げるが勝ち
「えぇ、聞いてます聞いてます」
咄嗟に俺は答えるが、
「聞いてないやつはそう答えるんだよ!」
あ、ばれた?
「『あ、ばれた?』って顔してんじゃねーよ!」
顔に出てたか。ミスった。
「おらぁ!!」
威勢よく拳を放ってくるが、俺は易々と避ける。
キラの攻撃で速さには慣れてるんだよな。見えないやつをモーションだけで勘でけ止めようとするのに比べればこんなの全然遅い。シンプルに見切れるから簡単に回避できる。このところの重労働により、ニートしていた時の運不足が解消され、全盛期であるはずののキレを取り戻しつつある。取り戻すって言っても元々どのくらいだったのかわからんけども。
「避けるなこのやろぉ!」
いや、避けるだろ。普通は。
最悪ステッド・ファストで防げるのだが、ここで俺が二つ名ダブル持ちっていうのを示してしまうのは火に油を注ぐ結果になりかねないので、とりあえず避けてはいるが…。周りに集まってきてるのが気配でわかるんだよなぁ。どうしよ。
「この…!」
パンチが當たらないことに腹を立てたのか、相手のチンピラがなんかの詠唱を始める。
「…出でよ氷塊!」
「うお!?」
こいつも二つ名持ちなのか?
咄嗟に避けたが、勢は崩れ、そこを他の奴らが狙って、火を放ってくる。
はあ!?ここのやつら全員か?
最初の氷結に巻き込まれた數名は確認できないが、ほとんどのやつは呪文ではなく、言うなれば魔みたいなことをしている。こういう能力なのか?
とりあえず、
「三十六計逃げるに如かず!」
逃げるのが優先だ!
スルー・アイで袋小路に追い詰められることが無いように確認しながら逃げる。ついでに練度も上がって、一石二鳥だな。
這う這うので逃げ帰った俺は、事のあらましをリオンに伝える。
「うーん、そうなるとは思ってたけどー。ところどころ想像を超えてたねー」
「ここの奴らは全員二つ名持ちなのか?」
俺は一番の懸念事項を聞く。
これが事実ならば、相當に大変なことだ。あれらを全部相手にするのはきつい。それに、ヘスティアにも文句を言わねばなるまい。
「?二つ名って何?」
「え?」
そこ?
「よくわからないんだけどー。お姉さんたちはほとんどが魔を使えるよー?」
あ、俺の魔みたいだっていうのは合ってたんだ。
「えっと、魔ってのはなんだ?」
「んーと、簡単に言うと、悪魔に働きかけて、力を貸してもらうってじかなー」
悪魔!出やがったなファンタジー。
「で、それを全員が使えると」
「そうなるねー。規模は人それぞれだけどー」
怖。なんだここ。折角慣れてきた世界の常識が全く通用しないんだけど。
「あと、ここの住人はみんな褐なのか?」
「あ、言うの忘れてたっけー?そうだよー。だから弟君は注目浴びるだろうなーって思ってたー」
忘れるなよそういう大事なこと!さっきのいざこざいらなかっただろ!
「じゃあ今度はお姉さんの偽裝でを黒くして行ってみるー?」
そんな細かいことまでできるのか!?便利だな魔。
「得意分野だからねー」
…2分後。
「似合わなっ!」
純日本人顔の俺に褐はくそほど似合わなかったのである。
こんなのばっかかよこの世界。
「そうでもないよー?じゃあ行ってみよー」
行きたくねー。
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