《戦力より戦略。》閻魔大王ってなんで地獄にいるんだろうね

「リブレこいつのせいで俺の仕事無くなったんだよ!?」

俺を指さしながら娘に悲痛な面持ちで自らの正當を主張する魔王。

俺をよっぽど毆りたいらしいが、魔王として娘にその態度はどうなのか。

しかし、俺が魔王の職を奪った?覚えがなさすぎて困る。

「バンフリオンちゃんは俺が魔王であり、死を司る神なのはもちろん知ってるよね!?」

あ、そうだったんだ…。

「うん、知ってる」

「他の世界の生と死のバランスを保つことも俺の仕事だ。ある世界で人口が増えすぎたのを減らそうとしてたんだが、こいつの介のせいでその計畫が狂っちまった」

あー、あれか。もしかせんでもドルガバとランガルの戦爭のこと?確かに俺がいなかったら泥試合になってたっていう見解になってたしな。あの後どうなったんだろう。

ってかこいつ権限強くね?他の世界にまで干渉できるのかよ。

「俺に一任されている死者の行き先の判斷もこのところあんまり數はないし…」

それけっこう大仕事じゃね?あれだろ?死者の現世での行いを見て天國と地獄のどっちに行くか決めるってやつ。閻魔大王がそういうのやってるって習ったというか聞いてたというかだけどもこいつがそれだったのか。

そういえば閻魔大王って上と下に分けるのになんで真ん中にいなくて地獄側にいるんだろうね。閻魔大王も悪いことしてて出られないとか?

俺が死んだときにこいつに判斷されたら問答無用で地獄行きになりそうだ。

「なるほどねー、パパにも一応理由はあったんだね。じゃあ、いいよ!」

「良くねーよ!!??」

ほんとに地獄行かされちゃうよ!

ってかその理由も自分の計畫通りに事が進まなかったから八つ當たりしますってだけだろ?

「さすがに私怨で地獄送りにはしねーよ。せいぜいズタズタにして俺の娘に手を出した報いをけさせるだけだ」

いや、そっちの理由のほうがこっちとしては納得できないんだけども!?

「じゃあ、始めるよー」

リオン!なんで嬉々として執り行おうとしてるの?友達が命の危機だよ?

あ、でもこいつ馴染をあんなじで扱うやつだった。この親あって子ありか。

「私が見てて面白くないから極大魔法でやるとかは無しで!じゃあ、始め!」

始めちゃったよ!面白い面白くないの話じゃないから、これ!

「んー、開始早々消し炭にするのもアリかと思ってたんだが、仕方ねぇな…」

じていただいてありがとうございます。

「久しぶりにこっちで戦やるか」

そう言って虛空から取り出したのは扇。

戦扇バトルファンか。かっこいー!!初めて見た!

ただ!それは男(しかもおっさん)が扱っていいものじゃないだろー!ほら、踴り子とかさ!一見戦えなさそうなのが舞うからしいわけで!

そんなことを考えてる俺を目に扇がバッと炎を纏う。

こんなこと考えてる場合じゃなかったわ!

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