《戦力より戦略。》探求スル者
「ま、待て!」
旅の始まりにけちをつけるやつもいる。
だが、それも想定。
「なんだ?」
「お前はリブレだろう!? 今まで彼らを放っておいて今更どういうつもりだ!? お前なんかより遙かに! 僕の方が彼らのことを想っている!」
「だからなんだ?」
一々俺がどんな狀態だったかなんて説明してやる義理はない。
「お前がレインとプリンセをどう想っていようが、最後に優先されるのは彼らの気持ちだろ? それを差し置いて自分は想っているなんて、振られたくせによく言えるな」
最大限の煽りを込めて。
「あと、好きかどうかを他人と比較している時點でダメだろ。俺は、彼らのことを自分のこと以上にしている」
その間にも登り続ける俺たちに{焦り}、王様に助けを求める貴族。
「お、王よ! 我が國の貴族にあのような口の利き方を許してよいのですか!」
「あやつの功績はお主も知るところじゃろうに」
「……それでも! レイン様を奪われることには納得がいきません!」
王様、大きくため息を一つ。
「なら、自らがやるがよい。手駒の一つや二つ連れてきておるじゃろう?」
「それは……!」
そうしたいのは山々だが、そうもいかない。
元々一度は振られているであるのに、力ずくで押し戻すなど外聞が良くない。
その點王の許しがあれば変わってくる。
さらに言えば、そもそもこの狀態にある俺たちに手出しが出來る奴なんて限られている。
「……我々では、手出しができないのです……! しかし! 二つ名兵団ダブル・コープスであれば……!」
自らの実力不足を認めたか、英斷だな。
それが実を結ぶかは別として。
「だ、そうじゃが。お主らはどう思うかの?」
「私は嫌よ。嫌いじゃないもの、こういう展開」
【炎の巫】エルメはワインを傾けながら妖艶に笑う。
姿が七年前から変わってないな……。
「俺も拒否する! 友の門出を邪魔する理由がないからな!」
【熱線銃レーザー】ケインは豪快に笑いながら俺たちを見上げている。
流石に白髪が見え始めているが、筋には衰えが無さそうだ。
「キ、キラ殿……」
最後のみをかけて、キラに話を振る。
キラは、俺たちの方を見上げて一言。
「無理ですよ」
「は?」
間抜けな聲をあげる貴族に更に説明する。
「いくら僕でも、二つ名ダブルの上位者2人を相手取るようなことは出來ません」
「俺の序列ってなくなってなかったのか?」
「何なら、寢てる間も上がり続けてましたよ。最新だと50位は越したくらいですかね」
そこらへんヘスティアさんなら把握済みか。
「キラ、家のことは頼んだぞ」
「任せてよ」
これで憂いもない。
清算完了かな。
レインは家よりも、家を守った俺を優先すると言ってくれた。
プリンセは、どこにでもついてきてくれると言ってくれた。
2人が一緒にいてくれるなら、気ままな旅も悪くないだろう。
スッと小太刀を振るうと、會場のテントはあっさりと破れる。
黒紅は流石の切れ味だな。
「さぁ、知らないものを見つけに行こうか」
だって俺は、【探求スル者エクスプローラー】なのだから。
【二章開始】騎士好き聖女は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】
【第二章開始!】 ※タイトル変更しました。舊タイトル「真の聖女らしい義妹をいじめたという罪で婚約破棄されて辺境の地に追放された騎士好き聖女は、憧れだった騎士団の寮で働けて今日も幸せ。」 私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。 そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。 ……なんて素晴らしいのかしら! 今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの! 王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない! 喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮! 今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。 だけど不思議。私が來てから、魔物が大人しくなったらしい。 それに私が作った料理を食べたら皆元気になるみたい。 ……復讐ですか?必要ありませんよ。 だって私は今とっても幸せなのだから! 騎士が大好きなのに騎士団長からの好意になかなか気づかない幸せなのほほん聖女と、勘違いしながらも一途にヒロインを想う騎士団長のラブコメ。 ※設定ゆるめ。軽い気持ちでお読みください。 ※ヒロインは騎士が好きすぎて興奮しすぎたりちょっと変態ちっくなところがあります。苦手な方はご注意ください!あたたかい目で見守ってくれると嬉しいです。 ◆5/6日間総合、5/9~12週間総合、6/1~4月間ジャンル別1位になれました!ありがとうございます!(*´˘`*) ◆皆様の応援のおかげで書籍化・コミカライズが決定しました!本當にありがとうございます!
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