《異世界スキルガチャラー》600連目 早朝の一幕

「……んぁぁ、ふぅ」

ルカはベッドの上で爽やかに目を覚ました。

時刻は朝6時。ルカは習慣として、眠るのがどれだけ遅くても6時には起床するようにしていたので、現在の16歳時點で、6時に自的に目が覚めるようになっていた。

洗面所で顔を洗いながら昨日のことを思い出す。

朝にこの國に著いて、カフェに行って、変わった雙子に會って、パレードを見て魔に襲われたけど啓斗君と変わった雙子に守ってもらって、王様に會って、パーティに出て。

頭の中で々な景がフラッシュバックする。

顔を洗い終わると、部屋から出て何の躊躇ためらいもなく向かいの部屋のドアを開ける。

部屋の中には、スーツのままベッドに突っ伏して睡している啓斗がいた。

クルリとを回してみると、穏やかな寢顔が見えた。

ルカは何故かずっとその寢顔を見ていたくなったが、それを振り払って敢えてを激しく揺すって聲をかける。

「ケイトくーん!あーさーだーよー!起きて起きて起きてー!」

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「う……んん……」

啓斗はき聲を上げるが起きる気配はない。

仕方ないのでルカは暴な手を使うことにした。

「起きろぉぉぉぉぉ!!!」

啓斗のをバッシバシ叩きながら耳元で聲を張り上げる。

里の皆は彼がこれをやると100%飛び起きたものだ。

啓斗もその例にれなかった。

「うわぁぁ!………ルカか。お前、俺の心臓を破裂させる気か?」

ただし、この起き方をすると確実に寢覚めが悪くなる。

「おはよう、ケイト君。ねぇ、スーツのままじゃ暑くないの?」

その言葉を聞いたあと、ぼやけていた目をこすってもう一度ルカを見直した啓斗は、思い切りを引いた。

ルカは、ドレスを著てはいなかった。寢間著を著ている訳でもない。

要するに、下著しかにつけていないのだ。

「確かにスーツじゃ暑いな……。ルカ、逆に涼しすぎるんじゃないか?何か上に著てくれ」

なるべくルカを見ないようにしながら部屋に戻るように促す。

「あ、そうだね。じゃあ部屋に用意してあったの著てくるー」

ルカがあっさり聞きれたことにをなで下ろしながら、啓斗もスーツとシャツをぐ。

(ルカには危機をもっと持ってもらうように教えないとな……)

と考えながらそそくさと部屋にあったTシャツとハーフパンツに著替える。

部屋から出ると以外同じ服裝をしたルカがニコニコ笑っていた。

取り敢えずシーヴァ達を見つけようと城の廊下を歩いていると、何やら本を見て考え事をしていたらしき執事に聲をかけられた。

「おや、旅人の方々、何かお探しで?」

「あ、シーヴァさんとゼーテさんを探してるんですが」

「ああ、ゼーテ様なら訓練場におられますでしょう。シーヴァ様はお部屋にいらっしゃいますよ」

ご案しましょうか、と問う執事に、2人は迷わず頷いた。

瞬間、視界がぼやけ始める。

視界が元に戻ると、カカシや的などが大量に設置された屋外競技場のような所に出た。

その中央に人影が見える。

「あそこにおられるのがゼーテ様です。毎朝4時半に起床され、こうして腕を磨いておられるのです」

執事がそう解説する。

「本來はシーヴァ様も共に修行されるはずなのですが、今日はいらっしゃらないようです」

執事は苦笑気味に言う。どうやら何かちょっとした事があるようだ。

「お部屋に行かれれば理由がお分かりになられると思いますが、先に行かれますか?」

そこで啓斗とルカは顔を見合わせる。

「私はゼーテさんが何してるのかもっと近くで見たいなー」

「俺はシーヴァに會っておきたいんだが」

意見は真っ二つに割れた。が、めることは無かった。

「ではどうでしょう。ルカ様だけ先にゼーテ様の所に先に行かれ、ケイト様はシーヴァ様と合流した後に戻ってくるというのは?」

執事が解決案を即座に提供してきたからだ。

「……そうだな、俺はそれで構わない」

「じゃあ私、ゼーテさんの所に行ってくるー!」

ルカは猛ダッシュで訓練場の中に突していった。

「では、シーヴァ様のお部屋にご案します」

また視界がぼやけ、次に豪華な裝飾が施されたドア前に移した。

「では、私わたくしはここでお待ちしておりますので」

そう言われ、啓斗はドアをノックしてみた。返事は無かった。

ノブに手をかけると、簡単に開いた。

かなり趣味が出ている・・・・・・・置や裝飾を橫目に、部屋の奧に進む。

また豪奢ごうしゃなベッドの中に彼はいた。

「シーヴァ、まだ寢てるのか?」

そう聲をかけると、シーヴァはゆっくりこちらを向いた。顔はひどく悪い。

「……ああ、ケイトか。いや、実は4時に起きてからずっとこの調子なんだ。頭痛や吐き気が止まらなくてね」

「多分、昨日殺したあのフードの奴の呪いだろう……」

そんな風に言うシーヴァだったが、この癥狀は啓斗の世界で何度か見たことがある。

「いや、それただの二日酔いじゃないか?」

啓斗にそう言われると、シーヴァの目は見開かれた。

「そうか!そういえば昨日はいつもより飲み過ぎてしまっていたな!原因はそれか!」

普通に考えれば分かることでここまでオーバーリアクションされるとは啓斗は一切思っていなかった。

「あー、ちょっと待て」

そう言って後ろを向き、ガチャを回す(ノーマルスキルガチャだ)。

何やら見たことのないスキルが出たが、今は確認を後回しにする。

そしてもう一度シーヴァの方を向き、額に手を當てる。

「何をして……な!?」

シーヴァのからアルコールが抜け、頭痛や吐き気も治まった。

「簡単な治癒魔法だ。ほら、もう健康だろう?」

シーヴァは信じられないといった表を見回す(実際にはで起きたことなので外観を見回しても意味は無いのだが)。

「……やはり君はすごいな。まあいい。よし、それじゃあ急いで訓練場に向かうぞ!ゼーテに毆られる!」

慌ただしい気配を敏に察知したのか、執事が音もなく部屋にってくる。

「シーヴァ様、ケイト様、では參りましょうか」

2人はルカとゼーテのいる訓練場までワープした。

シーヴァを治すのに使ったのは【ヒール】のLv4だ。

「シーヴァ、毎朝の鍛錬に1時間も遅刻するなんていい度ね」

既にかなり汗を流しているゼーテが鬼の形相でシーヴァを睨みつける。

「待てゼーテ!これには深い訳が

「ああ、シーヴァはさっきまで二日酔いで寢てたよ」

シーヴァの言い訳は啓斗によって一瞬で消し飛ばされた。

「ああ、そう……シーヴァ、これは非常に問題ねぇ?」

「ゼーテ!やめろ!痛いのはやめろ!痛いのはやめ………

「あ、そうだ、ケイト、ルカ、アンタたちも今日は暇でしょ?ちょっと鍛錬に付き合ってくれない?」

爽やかな笑顔でゼーテは言う。

啓斗は習得したスキルを試すのに丁度いいと考えたし、ルカもまともに戦える弓を教えてもらおうと思ったので、それを承諾した。

訓練場の奧の方に去っていく3人。

鳩尾みぞおちに必殺のボディブローを叩き込まれたシーヴァは、腹を抑えて倒れ込んで痙攣けいれんしたまましばらくけなかった。

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