《異世界スキルガチャラー》700連目 騎士団勧

「へぇ……で、コテンパンに叩きのめされたってワケ?」

ゼーテは苦々しげな笑みを浮かべて、啓斗(の分)のが全に付著したシーヴァを見下ろしていた。

「いやぁ、僕の考えを超えた策略を練ってきたものでね、見事に手の平の上で踴らされたよ」

シーヴァはいつもの爽やかな笑顔でゼーテに事の顛末てんまつを語っていた。

「ケイト君、本當に怪我ない?」

ルカは無傷の啓斗のを丹念に見回しながら中をまさぐってくる。

「俺は大丈夫だから、服の中に手をれるのはやめてくれ」

確かに無傷(厳に言えば、怪我を完璧に治した)なので、必要以上なルカの確認に、啓斗は若干引き気味だった。

「ケイト君、この馬鹿がアンタに迷かけたようね。本當にごめん」

ゼーテがシーヴァのことを親指で指しながら申し訳なさそうな顔で言う。

「いや、俺が言わなければいけないことを必要以上に隠していたのも悪い。こちらこそすまなかった」

啓斗は雙子に向かって深く頭を下げた。

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「詫びとして、俺のことをすっかり話そう。だが、まずはどこか落ち著ける行かないか?」

啓斗はだらけのシーヴァを見て言う。

「そうね、こっちのお詫びもけてもらいたいし、一度城に戻りましょう」

4人は城に向かって歩き出した。

だらけの服を著た國の英雄を見て街がざわついたのは言うまでもない。

「……じゃあ、俺がこの世界に來るまでの経緯を話そう」

シーヴァの部屋まで移した4人。

そこでルカと雙子は、啓斗の話に耳を傾けていた(シーヴァはもちろん著替えている)。

「俺は、ただの高校生だったんだ。平凡な、何の力も無い、ただの高校生。

でも、1週間前に突然ここに飛ばされたんだ。何故かは分からない」

啓斗は1番最初にいた純白の空間を思い浮かべる。

「目が覚めると、真っ白な部屋で、同じく真っ白なに出會った。そこで、俺は異世界に召喚されたのだと言われた」

そして腕時計を取り出し、ガチャ畫面を呼び出す。

「そして、これを貰ったんだ。これには、この世界に存在する魔法や技が全て記録されている」

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「俺は、これから1日100個まで能力を新しく手にれることが出來る。一言で言うなら、「能力を手にれてそれを使う」ことが俺の能力だ」

ルカ達は一言も発さず啓斗の話に聞きっている。

「で、これのことを俺は「ガチャ」と呼んでいる。1度手にれたスキルがもう一度出ることも多いから、今日までに600回ほど能力を手にれたが、容を覚えてるのは40種類くらいだ」

「しかもその中でも慣れてまともに利用できるのは、その半分の20種類もない。皮だよな」

啓斗は自嘲気味に笑った。

そう、啓斗がずっとRやNのスキルをほとんど使っていなかったのはこのためだ。

どれだけ多種類のスキルを手にれたところで、それを全て記憶して適切に使えなければ意味が無い。

そして「平凡な高校生」である啓斗には、スキル全てを有効的に使えるような脳のキャパシティが無い。

よって、數ないSR、URスキルをどう活かすかの戦い方をずっと考えていなければならない狀態になっている。

それを理解した3人は、啓斗が決して無敵でもなく、そして化けでもないのだと確信した(もっとも、ルカは最初から啓斗のことを疑ったりなどしていないのだが)。

「今日、シーヴァに勝ったのは偶然以外の何者でもない。偶然、シーヴァと相がいいスキルを持っていた、それだけだ」

そう言って啓斗は話を終えた。

「……なるほど。要するに、君もこちらに來た理由が分からない、ということか」

話し終わって數分後、最初に口を開いたのはシーヴァだった。

「まあ、僕はさっき君に完敗した時から、君の正がなんであろうと全力で手伝おうと思っていたがね」

そう言って高らかに笑う。

「わ、私は最初からケイト君を疑ったりなんて一瞬もしてないよ!」

ルカは何故かシーヴァに張り合うように大聲で言う。

ゼーテはまだ考え込んでいたが、ふと上を見上げたかと思うと、こう言った。

「王、盜み聞きとは趣味が悪いですね」

啓斗達も反的に上を見上げる。

しかし、そのジェイド王は部屋に突然現れた。

「いやはや、まさか盜聴魔法を、しかも高レベルの隠匿いんとく魔法を併用したのを見破られるとはね」

どうやら、別の部屋で啓斗の話を盜聴しており、ゼーテにばれたのでここに瞬間移した、という狀況のようだ。

「王、盜聴はまだしも、瞬間移魔法まで気安く使われては困ります」

「いやーすまないすまない、歩くのが面倒だったものでね」

ゼーテの突き刺すような視線にうっすら冷や汗をかきながら、それでも気にジェイド王は話す。

「しかし、些いささか無禮だったことは謝罪しよう。すまなかった」

そう言って腰を折る。

一國の王がこうも簡単に頭を下げていいのか、と啓斗は思ったが、今はそれに突っ込んでいる場合ではない。

「さて、君の境遇を聞いて1つ提案なんだが………どうだい、我がヴァーリュオン騎士団にらないか?」

この言葉に、この場にいる(王以外の)全員が凍りついた。

「なに、名前だけでも構わない。そうすれば君は宿にも困らないし、資金援助も出る。いい案だと思うが」

思いがけない最上の提案だった。

王が言ったこと以上に、この國でかなりの地位があるであろう騎士団にれば、報収集も格段にはかどるに違いない。

啓斗はほんの數秒で結論に至った。

「それは、斷る理由がありません。本當に宜しいのであれば、すぐにでもります」

その言葉に、シーヴァは飛び上がらんばかりに喜んだ。

「本當か!?これは大ニュースだ!すぐに団長に知らせよう!先日の英雄が騎士団に加わると!」

シーヴァは猛ダッシュで部屋を飛び出していった。

「ゼーテ君も異論は無いね?」

ジェイド王が笑顔で聞く。

ゼーテはしばらく押し黙っていたが、

「………無いです」

と一言だけ答えた。

「よし、決まりだ!じゃあ、特別団に必須の書類にサインしてもらいたい!著いてきたまえ!あ、ルカ君もね!」

そう言ってズンズン歩いていくジェイド王に、慌てて2人は著いて行った。

部屋には、ゼーテだけが殘される。

「……あんな風に言ってたけど、本心は傲慢な可能はある。示しておかないとね」

ゼーテも立ち上がり、部屋を足早に出ていった。

その後は特に変わったことはなく、ただサインして、夕食を食べて寢ただけだ。

ただし、ゼーテの機嫌が異様に悪かったのは3人の気にかかった。

翌日、朝5時。何故か早めに目が覚めてしまった啓斗は、暇つぶしも兼ねてガチャを引いていた。

「……今日は例になく運がいいな」

今回、ガチャからはいつもよりも多めに高レアスキルが出てきた。

新URスキル1つと、新、レベルアップ合わせてSR5つ。

詳細を確認しようとしたその時、ドアが大きな音を立てて開いた。

目を向けると、険しい顔つきのゼーテが立っていた。

「ゼーテか、こんな朝早くに何の用だ?」

「貴方に、騎士団の特別団試験をけさせるわ。著いてきなさい」

訝いぶかしげな顔をする啓斗に、ゼーテはそれだけ言うと、スタスタと歩き出していく。

啓斗は、嫌な予じながら著いて行った。

到著したのは、訓練場とはまた違う屋外施設。

足元は砂しかなく、周りを囲む壁以外に遮蔽しゃへいぶつも無い。

「ここは、私たち騎士が腕を磨き合うための決闘場。ここで今から、私と戦ってもらう」

その言葉に、咄嗟に反論しようとした啓斗だったが、ゼーテの今までにない眼に阻まれた。

「私の兄、シーヴァは格はアレだけど実力は超一級よ、間違いなく。それが手も足も出ずにやられるなんて、昨日1日考えても信じられなかった」

「だから、直接戦って確かめさせてもらうわ、ケイト。貴方が、私やシーヴァと同じ組織にいる価値があるかどうかを!」

その目には、覚悟が満ちていた。

啓斗は、この戦闘は不可避だと悟る。

腕時計を再起し、手した新スキルを急いで確認する。

新SRスキル【氷獣召喚】 【マジックエンチャント】【ゴーレムビルド】

新URスキル【ファイナル・カース】

日も出て間もない王國の決闘場で、ゼーテによる啓斗への「特別団試験」が開始された。

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