《異世界スキルガチャラー》VS ゼーテ・ナイトブライト
「じゃあ、行くわよ。勝敗決定は、気絶か降參ってことで。私も7割本気を出すわ。大ケガしても、恨まないでね!」
ゼーテは手元に魔法剣を出現させる。
シーヴァの【シャドウブレイド】と対ついなるように編み出した【シャイニングブレイド】だ。
その白くる刀を確認した啓斗も【マジックソード】を出現させる。
「はぁぁぁ!!」
ゼーテがこちらに向かって高速で近づいてくる。
スピードで言えばシーヴァの1.5倍といったところだろうか。
啓斗は【騎士王剣技】をすぐに発、正面からの激突に備えた。
だが、一瞬でゼーテの姿が視界から消える。周りを見渡してもどこにも見えない。
可能は殘り1つ。啓斗は、上空から襲來するゼーテの剣を辛うじてけ止めた。
「へぇ、結構良い反神経してるじゃない。まぁ、まだ序の口だけど……ね!」
空中で逆立ちのような格好のまま啓斗と剣をえているゼーテだが、ゼーテに不利な狀態ではない。
何故なら、啓斗が両手でゼーテの剣をけ止めているのに対し、ゼーテは左手一本で問題なく啓斗を押し込んでいるからだ。
Advertisement
「こういうのもどう!?」
ゼーテの右手の平から閃が発せられる。
まともにを浴びせられた啓斗は目が眩む。
その瞬間にゼーテの剣が啓斗を斬りつけた。
「ぐあっ……」
両腕を同時に斬られた啓斗は、思わずバックステップする。
ようやく目が元に戻った時には、彼の魔法剣は消えており、ゼーテが數メートル先でこちらを見據えていた。
(やはり真正面から戦っても勝ち目はないな。ならば……)
啓斗は意識を集中させる。
空中に突如として「燃え盛る鳥」、砂の上に「冷気を放つ犬」が現れる。
更に、砂がどんどんと集まっていき、巨大な人形を形作る。
「炎獣」と「氷獣」、そして【ゴーレムビルド】によって作された「サンドゴーレム」。
「ふーん、案外バリエーション富なのね。ちょっとだけ心したわ」
ゼーテは口元に笑みを浮かべてそう言ったが、その目は鋭いを放ったままだ。
更に啓斗は【ドッペルメイカー】を使い、10人の分を出現させる。
「分達、召喚獣、ゴーレム。ゼーテの四肢をかなくさせろ。手段は問わない!」
Advertisement
啓斗がそう命令すると同時に、召喚獣と分が一斉にゼーテへ襲いかかる。
「ここから本番って訳ね。じゃあ、8割出そうかな!」
ゼーテも敵・の中に飛び込んでいく。
氷犬の噛みつきを躱かわし、分が攻撃する前にをまっぷたつにする。
炎鳥とゴーレムも襲いかかるが、ゼーテの超高速回避に著いていけない。
その神速の剣技と(確認できた限りで)10種の強力魔法によって、炎犬は氷漬けになり、氷鳥は八つ裂きにされ、ゴーレムは跡形も無く吹き飛んだ。
分達も次々と殺害されていく。
普通に剣で斬られた者もいれば、砂を固めたらしき弾丸に頭を貫かれた者もいる。
生からわずか2分。召喚獣はただの殘骸にされ、分は全てだらけの死となって転がっていた。
「勝負あり、かしら?ケイト。シーヴァの実力を私は「確かなもの」と言ったけど……」
「私はアイツより強い。全てにおいて私の方が一枚上の能力を持ってる」
言いながらゼーテは、殘った啓斗本人をじっと見つめる。先程から彼は目を閉じて何かに集中しているように見える。
何に集中しているかは、すぐに分かった。
分の死から流れたが全て弾丸となり、ゼーテに襲いかかったのである。
「な……!?」
ゼーテの周り、ほぼ360°全てに分のは撒き散らされている。
それが全てゼーテに向かって飛來する。
啓斗の狙いは最初からこれだった。召喚獣は真意を悟られないためのフェイクに過ぎない。
つまり、分達をゼーテを囲うように上手く配置して流させ、で結界を作ったのだ。
全方位撃ならば流石のゼーテも咄嗟に躱すことは不可能だろうと啓斗が考えた作戦だった。
だが、ゼーテは回避しなかった。
できなかったのではなく、本當にしなかった・・・・・。
ゼーテは、眼帯を外したのだった。
その銀に輝く左眼が、眩まばゆいを放つ。
【緋ノ銃弾】によって作された弾丸は、全てただのとなって地面に飛び散った。
「無駄。私にそういう魔法の小細工は通じない。まあ、これが妥當な結果よね」
啓斗は、かなり揺した。渾の作戦を簡単に打ち砕かれたのだ、無理もない。
だが、啓斗に打つ手が無くなった訳でも無い。
再び魔法剣を出現させる。今度は、両手に1本ずつ(先程けた腕の傷は軽傷だったので【ヒール】で治せた)。
更に、剣は輝きを増し始めた。
SRスキル【マジックエンチャント】
魔法で作られた武に更に魔力を流し込み、持続時間、破壊力を上昇させる魔法。
そして【騎士王剣技】【トリプル・スピード】を同時発。
ゼーテに引けを取らない神速で襲いかかった。
しかし、ゼーテは初撃を見事に躱してみせる。
「真っ向勝負って訳ね。潔いさぎよいじゃない!けて立つ!」
素早く眼帯を裝著すると、ゼーテもスピードを上げて斬り掛かる。
決闘場に砂塵が常に立つ高速戦闘が開始された。
「はっ!ふっ!甘い!」
「くっ!おおっ!ぐあっ!」
しかし、すぐに戦況はゼーテに有利になっていく。
元々ゼーテは高速で相手を撹して仕留める戦法を得意としており、敵とスピード勝負をしたことも多々ある。
だが、啓斗はここまでの高速戦闘をしたことがない以前に、まともに剣で戦ったのも今回がほぼ初戦といっても過言ではない(シーヴァ戦では開幕にしか剣を使わなかった)。
力量差は歴然である。
30秒ほど経てばゼーテにきを読まれ、手痛いカウンターを喰らう。
1分もすればもう、啓斗はゼーテにとって練習用のカカシ同然だった。
回復手段を奪うため、敢えて致命傷一歩手前の斬撃を放つ。
ゼーテは昨日、啓斗の不自然に無傷なと、何かが叩きつけられたように折れている木を目撃し、啓斗に何かの超回復手段があると判斷したのだ。
それによって、啓斗は既に【ピンチヒール】を2回分使い切っていた。
そして遂に、ゼーテの剣が啓斗の脇腹を貫いた。
「ガハッ……うう……ハァ……ハァ……」
そのまま地面に仰向けに倒れ込んだ啓斗をゼーテが見下ろす。
「……今度こそ勝負ありね、ケイト。……ハァ」
彼もしではあるが疲弊しているようだ。
「剣と能力強化していたようだから敢えて無効化しなかったけど、した方が良かったかも……」
疲れた笑みを浮かべてそう言う。
「私の勝ちね。降參したら?そうしたらベッドで目を覚ます羽目にならずに済むけど」
ゼーテがそう提案する。だが、啓斗はそれを拒否した。
「いや、気絶させてくれ。その方が決著としてまだ格好がつく」
「良いね、それ。王國最強の「煌白の騎士」をここまで疲れさせたんだから、栄に思いなさい」
そう言ってゼーテは魔法で啓斗の脳を思い切り揺さぶった。
朦朧もうろうとしていく意識の中、啓斗はボソリとこう言った。
「だが、勝敗は…………引き分けだな」
その瞬間、啓斗の全から怨念の波が吹き出し、ゼーテを包み込む。
「なっ!?これは……そんな手をまだ持ってた……なんて……」
波をもろにけたゼーテは地面に倒れ込んで意識を失ってしまった。
「ガフッ……なるほど、こういう技か。なるべく使う場面には出會いたく……ない……な……」
波を放った啓斗も意識を手放す。
決闘場には、気絶した一組の男と、の大量に染み込んだ砂だけがあった。
URスキル【ファイナル・カース】
戦闘に「勝利不可能」になった場合にのみ発が可能になる。
敗北、もしくは死亡する瞬間、その戦闘で最も良い「引き分け」の形になるよう怨念の波が発される。
自分が気絶する場合、相手も気絶。自分が死亡する場合は、相手も死亡する。
啓斗とゼーテは、部屋にいないことを不思議がったシーヴァによって発見され、城の治療室へと運ばれた。
Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜
一風変わったVRゲーム『Monsters Evolve』があった。モンスターを狩るのでもなく、モンスターを使役するのでもなく、モンスターになりきるというコンセプトのゲームである。 妙な人気を得たこのゲームのオンライン対応版がVRMMORPGとして『Monsters Evolve Online』となり、この度発売された。オフライン版にハマっていた吉崎圭吾は迷う事なくオンライン版を購入しプレイを始めるが、オフライン版からオンライン版になった際に多くの仕様変更があり、その代表的なものが初期枠の種族がランダムで決まる事であった。 ランダムで決められた種族は『コケ』であり、どう攻略すればいいのかもわからないままゲームを進めていく。変わり種ゲームの中でも特に変わり種の種族を使って何をしていくのか。 人間のいないこのゲームで色んな動植物の仲間と共に、色んなところで色々実験してやり過ぎつつも色々見つけたり、3つの勢力で競いあったり、共に戦ったりしていくそんなお話。 カクヨムにて、先行公開中! また、Kindleにて自力での全面改稿した電子書籍、第1~6巻を発売中! そしてオフライン版を描くもう1つの物語。 『Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~』も連載中です。 良ければこちらもどうぞ。 https://ncode.syosetu.com/n9375gp/ 無斷転載、無斷翻訳は固く禁じます。
8 84貓《キャット》と呼ばれた男 【書籍化】
マート、貓《キャット》という異名を持つ彼は剣の腕はたいしたことがないものの、貓のような目と、身軽な體軀という冒険者として恵まれた特徴を持っていた。 それを生かして、冒険者として楽しく暮らしていた彼は、冒険者ギルドで入手したステータスカードで前世の記憶とそれに伴う驚愕の事実を知る。 これは人間ではない能力を得た男が様々な騒動に巻き込まれていく話。 2021年8月3日 一迅社さんより刊行されました。 お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます。 最寄りの書店で見つからなかった方はアマゾンなど複數のサイトでも販売されておりますので、お手數ですがよろしくお願いします。 貓と呼ばれた男で検索していただければ出てくるかと思います。 書評家になろうチャンネル occchi様が本作の書評動畫を作ってくださっています。 https://youtube.com/watch?v=Nm8RsR2DsBE ありがとうございます。 わー照れちゃいますね。
8 54【書籍化】捨てられ令嬢は錬金術師になりました。稼いだお金で元敵國の將を購入します。
クロエ・セイグリットは自稱稀代の美少女錬金術師である。 三年前に異母妹によって父であるセイグリット公爵の悪事が露見し、父親は処刑に、クロエは婚約破棄の上に身分を剝奪、王都に著の身著のまま捨てられてから信じられるものはお金だけ。 クロエは唯一信用できるお金で、奴隷闘技場から男を買った。ジュリアス・クラフト。敵國の元將軍。黒太子として恐れられていた殘虐な男を、素材集めの護衛にするために。 第一部、第二部、第三部完結しました。 お付き合いくださりありがとうございました! クロエちゃんとジュリアスさんのお話、皆様のおかげで、本當に皆様のおかげで!!! PASH!様から書籍化となりました! R4.2.4発売になりました、本當にありがとうございます!
8 67《完結》虐待されてる奴隷少女を救った、異世界最強の龍騎士
【第Ⅰ部】第1話~第49話 完結 異世界転移した先は、クロエイという影を食うバケモノのはびこる世界。その世界の人たちは、血液をエネルギーにして生活していた。血の品質の悪い者は、奴隷としてあつかわれる。そんな世界で主人公は、血液の品質が最強。血液でなんでも買えちゃう。クロエイだって倒せちゃう。あと、奴隷少女も救っちゃう。主人公最強系戀愛ファンタジー。 【第Ⅱ部】第50話~第96話 完結 セリヌイアの領主――ケルゥ・スプライアは酷い差別主義者で、庶民や奴隷の血液を多く集めていた。「セリヌイアに行き、虐げられている者たちを助けてやって欲しい」。フィルリア姫に言われて、龍一郎はセリヌイアへ向かう。そのセリヌイアの付近には、絶滅したはずの龍が隠れ棲んでいるというウワサがあった。 【第Ⅲ部】第97話~第128話 完結 龍騎士の爵位をもらいうけた龍一郎は、水上都市セリヌイアの領主として君臨する。龍一郎は奴隷解放令を施行して、みずからの都市の差別をなくそうと試みる。そんなとき、サディ王國の第一王女がセリヌイアにやって來て、人類滅亡の危機が迫っていることを告げる。
8 104とある亜人の奮闘記
亜人種のみが生息する世界アマニル。 この世界では 陸、海、空 の三大國による爭いが絶えなかった。 最大規模をもつ陸の國(アトラス)に住む少年 ライゴ この少年の物語が今始まる。 初投稿です! 気になるところや問題があったりすれば気軽に教えてください! 時間が空いたら書いてます! これからよろしくお願いします!
8 111異世界は今日も平和(個人的見解)なので、喫茶店を経営します
異世界転生特典でゲットした能力は3つ ①冷蔵・冷凍機能付きシェルター ②倒した敵の能力を吸収できる包丁 ③売り上げに応じて敷地が増える移動可能な喫茶店 ちょっと魔王とかいるけど、この能力を使って、世界一の喫茶店、目指します _______________________ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【創作ポータルサイト】 http://memorand.html.xdomain.jp/kenkai.html 簡単ですがキャラ紹介などアリマス _______________________ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
8 153