《異世界スキルガチャラー》800連目 騎士団団式

翌日、怪我が自完治した啓斗は、シーヴァに連れられて王の間まで來た。

隣にはゼーテに連れられたルカがいる。

扉が開くと同時に、拍手の雨が2人に降り注いだ。

王座へと続くカーペットの両脇に數十、いや100以上はいるであろう甲冑をにつけた騎士達が整列し、皆が皆啓斗達に暖かな拍手を送っていた。

雙子に(理的に)背中を押され、王座へと2人は向かう。

ジェイド王は、王座には座らず、その前に立っていた。

「やあ、我らの親なる旅人達!よくぞ騎士団に団する決意を固めてくれた!」

「いやぁ、僕が自分で団式を全部やるつもりだったんだが、立場上そうも行かないみたいだ!」

ジェイド王はそう言うと、王座の隣に立つ厳しい顔つきをした男に聲をかける。

「じゃあ、後は任せるよ、レイザック君」

「承知しました」

ジェイド王は王座に座り、レイザックと呼ばれた男が2人の前に出る。

「私が騎士団長のレイザックだ。これから君達がる組織のリーダーと言えばいいか」

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そこで優しい笑顔に表を変える。

「パレード襲撃の際は本當に助かった。騎士達全員を代表して禮を言う。ありがとう」

そう言ってレイザックが敬禮をすると同時に、他の騎士(シーヴァ達も含め)全員が2人に敬禮した。

「では、君達に団の証として、この指を與えよう。これは騎士団全員がそれぞれ持っている仲間の証だ。ケイト君とルカさん、だったかな。け取ってくれ」

レイザックは2人に一つずつ金に輝く指を渡し、手を開いて右手の中指を見せる。

そこには今渡されたものと同じ指がはまっていた。

2人はそれに倣ならってそれぞれの右手の中指に指を著ける。

「よし、これで君達は今から我々騎士団の一員だ。皆、新たな仲間にもう一度盛大な拍手を!」

そう言うと同時に、また騎士達の拍手が鳴り響く。

そうして、啓斗とルカの団式は盛大に終了した。

「いやぁ、無事に終わったね!変な張もしてなかったようで良かったよ!」

城の廊下を歩きながら、シーヴァは笑顔で言う。

「ホント、誰かさんの団式とは大違いだったわ」

ゼーテが人の悪い笑みを浮かべてシーヴァの方を見る。

「なっ……あ、あれの事は忘れるよう約束しただろう!」

シーヴァはみるみるに顔を真っ赤にした。

「えー、もう數年前じゃない。だってただ式中にこ……」

「う!る!さい!」

ゼーテの言葉を無理やり遮ったシーヴァの顔は半端なく赤かった。

そんな兄妹のやりとりを啓斗とルカは半笑いで見ている。

すると、廊下の奧から現れたレイザックに聲をかけられる。

「シーヴァ、ゼーテ!旅人のお2人も、至急作戦會議室に來てくれ!」

そう言ってレイザックは姿を消した。

「作戦會議室だって!?よし、今すぐ行くぞ!ケイト、ルカ、僕に著いてこい!」

シーヴァが突然廊下を全力疾走し始め、ゼーテも無言でそれに続く。

啓斗達もシーヴァを見失わないように駆け出した。

「早かったな。流石は次の団長候補最有力の雙子だ。しかし、それにほぼ遅れずに著いてきた君達も凄いな」

作戦會議室は、巨大なテーブルの周りに十數腳の椅子が置かれた部屋だった。

レイザックはそのの一腳に腰掛けており、テーブルにはこの國の全地図と思わしきものが置いてある。

団初日からでケイト君達には悪いんだが、急の任務がった」

そう言ってレイザックは地図のある地區を指さす。

「この地區、「リュートタウン」についてなんだが……」

そこでシーヴァが驚きの聲を上げる。

「リュートタウンですって? あそこは何年も前に封鎖されているはず……」

「ああ、封鎖されている。だが、あの地區の中心、當時は貴族達の屋敷だった場所から大量の魔力が放出されたのを研究者達が観測した」

雙子の表が更に険しいものになる。

「そこで、屋敷に十數名のベテラン騎士達を派遣したんだが……一人も帰ってこなかった」

「という訳で、私は君たちを送る決斷をした。王國最強の戦士2人と、それに引けを取らない君らなら調査できるのではと思ったのでね」

「君達2人にとっては初任務だが、恐らく非常に危険だ。けてくれるか?」

啓斗とルカはお互いを見て、すぐにレイザックに向き直る。

「もちろん、やらせていただきます」

「はい、大丈夫です!やります!」

2人の迷いのない返答に、レイザックはし笑った。

「うむ。頼もしいな。よし、なら今すぐ準備だ。私が馬車を手配しておこう。各々準備を整えておいてくれ。1時間後に出発だ」

レイザックはそう言って部屋を出ていった。

「じゃあ、僕は服を著替えてこよう。また後で」

「私も準備がある。それじゃ」

雙子も続いて部屋を後にする。

「よし、じゃあ俺達も行こう」

「うん!初任務、ワクワクするー!」

啓斗達も自室に向かった。

「……これは、また変わったスキルだな」

自室に戻ってきた啓斗は、早速今日の分のガチャを回していた。

今回は新UR1という結果だった。

【ノイズィークラップ】というスキルである。

【ノイズィークラップ】

敵のきを0.5秒だけ止めることができる不快な音響を拍手と同時に発させることが出來る。

それだけの能力だ。今までのスキルと比べ、URであるにも関わらず何となく威力不足ながある。

「まぁ、ガチャだしインパクト不足なのもあるよな」

啓斗はそうは言ったが、テンションが々下がったのも事実だった。

啓斗がリュートタウン調査の任務をける約1時間前。

「……結局、あの者は使えなかったな」

世界のとある場所、常夜とこよの孤島。

「魔王」と呼ばれし者は城の王座に座り、隣の従者に話しかけていた。

「まあ、あの奇襲作戦にもしか見つかりませんでしたので。しかし、ああも一瞬でやられるとは……」

従者は骸骨の仮面を被っている。

「それで、如何いかがいたしましょうか?異世界人の捕獲をなされますか?」

「そうだな……あの雙子との戦闘を視た限り、かなりの実力のようだが、本當にあの予言の通りの者かまだ確認しきれておらん。まずは慎重に見極める所からだな」

「では、誰か向かわせましょう。中級悪魔で宜しいでしょうか?」

「……いや、7柱の1人を向かわせよう。今、手が空いているのは誰だ?」

仮面の従者は懐ふところから何やら本のようなものを取り出し、ページをめくる。

「……ベルフェゴールが今、何も任務をけておりません」

「よし、奴をヴァーリュオンのリュートタウンに向かわせよ。それで実力が分かるだろう」

「かしこまりました」

従者は影に同化して消えていった。

「異世界人か……本當に奴の回し者なのかきっちり見る必要がある」

魔王は立ち上がり、王の間を出て廊下を歩き出した。

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