《名無しの英雄》51話

龍帝と一緒に俺達はグランドマスターが帰ってくるのを待っていた

「………」

俺達は會話なく待つ

すると扉が開き、白いフードを被ったグランドマスターとボロボロのマントを羽織った背の低い人がってくる

「よう、久しぶり。龍帝サマ」

グランドマスターは龍帝に軽く挨拶する

「ふん、お主も全然変わっておらんの」

龍帝は不満そうに言う

「それでグランドマスター……その後ろの人も気になるが…地上はどうなったんだ?」

「地上では大変だったよ……」

グランドマスターはしみじみと語りだした

「逃げろ!」

僕は《死神》とスズを逃がすために囮になることにした

幸い僕は幻を作るのも幻覚を見せるのも得意だからね

このぐらいの人數どうってことは無い

僕は幻覚をって周りにいる騎士に僕の現在地を誤認させる

それだけで攻撃は僕に當たらない

「さて、皇帝さん。僕を倒せるかな?」

僕はあえて挑発的に言う

「……〈真実の眼〉」

キングレオはその眼にスキルを宿している

それも強力な…

「騎士達よ、シトウはそこだ」

キングレオが命令を下すと僕の魔法が解ける

「………やっぱり厄介なスキルだよそれ」

「ふん、私には私の正義があるのでな…手加減していたら貴方の事だ……此方が負ける」

「隨分と僕を過大評価しているね?」

それにしてもキングレオのスキル〈真実の眼〉は僕とは相が悪い

〈真実の眼〉は幻覚や幻を打ち払うスキルだ。しかも他の人に共有できる。勿論他の力もあるんだけど……それは今は関係ない

「……捕らえろ」

騎士が僕に迫ってくる

「だけど隨分と舐められたモノだ……」

そう呟くと同時にさっきまでいた場所に幻を発させキングレオの後ろに回る

「そこだ」

キングレオが振り向く

「!?」

なんでわかった!?

僕は急いでキングレオから離れる

「ヤバいなこれ……」

僕は一目散に逃げた

幻覚を発させたり幻を発させたりするがキングレオのスキルの前には無力だ

長い廊下を駆け抜ける

「これは早いとこ龍帝と落ち合わないと…」

廊下を抜けると大きな扉があった

扉を開けるとキングレオと似ている年がいた

「貴方は誰?」

「僕にそんな時間はない!」

急いで窓から飛び出そうとするが年に服を摑まれる

「ボクを連れてって」

「………なんで?」

年は顔を下に向け、そして決心した顔で言う

「ボクは……叔父さんの間違いを正すんだ」

「………そうか。でも判斷するのは僕じゃない。一応そこまでは連れて行ってやるよ」

「うん、ありがと」

そして僕達は龍帝の元へと行った

「そんなじだね」

シトウが話を終える

「じゃあその子は……次期皇帝?」

「うん、多分そうだと思う」

シトウが頷く

次期皇帝はシトウの前に出ると

「お世話になります。キングレオの甥でありますレオンと言います……どうか叔父の間違いを正す務めをボクにさせて下さい」

そう言ってレオンは頭を下げる

「……次期皇帝が簡単に頭を下げるな。まぁ、どうせキングレオはどうにかしなきゃならないんだ……俺が嫌だって言って死なれるのもイヤだからな…好きにしろ」

「ありがとうございます!」

そう言ってレオンは頭を下げる

「だから頭を下げるなって…」

俺は呆れる

「じゃあこれからどうする?」

「……正直コレはお荷だしな」

俺はレオンを指さして言う

「そう言うな……レオン、強くなりたいか?」

「え?……叔父さんの間違いを正すためなら強くなりたい!」

レオンがハッキリと言う

「じゃあ此方にいいモノがあるぞ?」

龍帝がレオンに言う

「レオンよ、著いてこい」

「………はい」

レオンは龍帝と一緒に奧の扉から中へった

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