《名無しの英雄》67話

「お前今なんて言った……」

「ええ?聞こえなかったのか?これだからドワーフは……」

呆れたように男が言う

「ドワーフは人間モドキって言ったんだよ」

「…………」

グレイは努めて冷靜に言葉を返す

「お前は何者だ?」

この答えによって男の殺し方を変える

「俺はしがない奴隷商人だぜ?」

ヘラヘラと男はグレイの質問に答える

「これまで何人のドワーフを売ってきた…?」

「さぁな。數えるのを途中で辭めちまったからなぁ。ざっと1000人ぐらいじゃねぇの?」

男は変わらない態度で答える

「いやードワーフって格が小難しいからそれを調教するのが楽しくてなぁ……ゾクゾクしちまうよ」

ニッコリと笑う

「まぁ調教してる最中に殺しちまったのもいたなぁ……」

懐かしげに語る

「……お前は殺す」

「あぁ?俺を殺せる訳が無いだろ?だってさー」

男が喋ってる最中にグレイは攻撃を仕掛ける

「俺にはお前の攻撃は効かないんだから」

グレイは何度も攻撃をするが男は1歩もかず、攻撃が屆いている様子は無い

攻撃が効かないので一旦離れる

「俺はお前の全てが解ってるぜ?だから簡単だよなぁ?」

「!?」

男が剣を構える

「こうすればお前に攻撃は通るよな?」

全く男からは殺意と言うものがじられない

じるのは殺意では無く、作業をする時の様な気怠い雰囲気だけだ

だが……

あの剣が不味い

「いいのか?考え事してて?」

気がつくと男はグレイの前にいた

剣を振ってくる

「!!?」

辛うじて避ける事が出來たがし肩を切ってしまった

「………」

これがスキルを獲得して2度目の攻撃を貰った瞬間だった

1回目はシトウにやられかけた

2度目はこの男だ

だがシトウと戦っておいて本當によかったと心から思える

あれ程までに理不盡な存在はそれこそ全帝以外には存在しないだろう

あの怪に比べれば…

「小賢しいな……そんな剣に頼るしかない小悪黨が」

堂々と言い放つ

「………俺が小悪黨だと?笑わせるな」

真剣な顔で男は言う

「俺は闇組織のトップだぞ?手下と一緒にするなよ」

どうやらグレイの挑発に乗ったようだ

「ふん、貴様との格の差を見せてやる」

グレイは尚も挑発する

「舐めるなぁああ!」

男は切りかかってくる

スピードは大したものだが、剣の腕はそこまでのようだ

でなければ先程の攻撃で危うく死ぬところだった

剣を華麗に避ける

「そんなモンか?」

グレイは挑発する

「クソドワーフがぁぁあ!」

男はやったらめったらに剣を振り回す

グレイはチラッと戦いを見ている住民を見る

心の中で住民に謝る

グレイは剣を避け、スキルを発させる

「〈覇王気〉」

スキルが発した瞬間に住民はバタバタと倒れる

〈覇王気〉はただ単純に威嚇の発展版だ

住民からグレイを見ると怪に見えるだろう

それも男は例外では無く…

「あ……あ…!」

グレイは男を見下ろす

らして無様に這い回っている

「さて……」

グレイはそこら辺にある鉄柱を持つ

そして男の腹に突き刺した

「ぐぁぁああ!」

グレイはワザと蔵がない部分に突き刺す

それは貫通して道路に固定される

「簡単には死なせないぞ?」

もう一本男の腹に突き刺す

「あ……」

男は意識を飛ばした

死ぬのも時間の問題だろう

「ふぅ……ちょっとキツいな…」

最初に男に攻撃された時毒が盛られていたらしくの自由が効かない

普通の人間なら死ぬ毒だがグレイはスキルによって死ぬ事はない、無害とは言わなくとも麻痺毒ぐらいには緩和している

「これは無理だな」

けずに他の人の戦いを見ていた

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