《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》3話 平凡な生活 III 「予兆」

 先生ボーナス授業も終わり、香山が先程の鬱憤を晴らしに來ると確信して、早々に教室を出た。午前は家でぐっすり寢ていたおかげか、先生の授業ではあまり眠ることは無かった。

「さてと、教室を出たはいいけど、どこに行くかなぁ」

 ブラブラと、何となく屋上に続く階段を登っていく。普通なら、屋上のドアなんて開いてる高校は稀だろう。実際うちの高校はドアは開いていない。まぁだが───

「んーこうかな」

 ガチャリ  と傍から見れば俺がドアノブにれただけで、屋上のドアが開いたように見えるだろう。事実そうなのだ。本人もこの現象はよく分かっていない。なんとなく出來る。そんな事は佐野 祐にとって日常茶飯事だった。けど別に、目に見えて異質って訳でもないから、気にしていない。

「來たはいいけど、あんまり時間無いなぁ...仕方ない、戻るか」

 と戻ろうとドアに手をかける瞬間──

「あ....れ......」

そこで意識が飛んだ。

──────ねぇ、#*&貴方はいつまでそこにいるつもり?

誰だ.....?全然知らない聲、聞こえない名前、知らない顔、なのにどこか懐かしい。なんだろう....この気持ちは。

──────そこはあなたの居るべき場所じゃないわ。

なんだそれ。何のことを言ってるんだ。

──────そう、まだなのね.............

「──ぃ....おい!大丈夫か!祐!」

「......蓮か?どうした?」

 目を覚めると、そこは屋上で、自分はまた倒れたのかということに気づいた。

「また貧か?」

違う。そんなものじゃなかった。だが説明もつかないので、昔から貧だと言って誤魔化していた。

「あぁ、昨日はずっとゲームしてたから、そのせいじゃないかな」

「控えろよ....そんな倒れやすいんなら......」

「無理だね、レアドロップ250%だぞ。そりゃ夜更かしもするさ」

「はぁ...お前は.....立てるか?取り敢えず保健室に行こう」

 別に、貧ではないので、自力で立てるし、調も特に問題ないのだが、疑われても後が面倒なので、素直に従った。

***

 その後、保健室まで行き、ベットに橫になっていた。

「悪いな」

「気にすんな。いつもの事だ」

 イケメンが言うと、様になる言葉だな。

「んで、どうしてあの場所が分かったんだ?」

「何度も言うが、お前の頭はわかり易いんだよ。授業が始まっても來ないからトイレかと思ったが、何分たっても來ないから、お前がいつも行ってる屋上に行ってみて、そしたらお前がそこで倒れてたってだけだ」

そんなに分かりやすいか俺の頭ってのは....

「まぁ今日は帰れ、ちゃんには俺が言っとくから」

「そうだな。頼むわ」

 そう言うと蓮は保健室から出ていく。

正直、今日は授業に集中出來ないと思っていた。

それにしても、今回のはいつもと違って、凄く鮮明だった....今でもし鳥が立っているくらいに──

 蓮が保健室から出てったことを確認して、俺は學校を出た。7月上旬の太が容赦なく俺の神を蝕むむしばむなか、ぼーっとしながら帰路に著く。

 こんな所で、次本當に貧で倒れたりしたらたまらないと思い、早足で家に向かった。すると──

「あ、あの....」

「ん?」

 呼ばれたので、見てみると、そこには13歳くらいの......ちょうど妹と同じくらいのの子がいた。

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