《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》6話 平凡な生活 VI「消失」

 香山の家への用事を済ませた俺は、家に帰って準備していた。

「おーい、結ーそろそろ行くかー」

そう問いかけてみたが、結からの返事が一向に返ってこない。何してるんだ。家に帰った時に大きな音立ててたから、いると思ってたんだが。

そんなことを考えていると、ピロン♪と著信音がなる。自分の攜帯を開き見てみると、結から

〔水族館の前で待ち合わせね!早く來ないと暑さで干からびるから早めに!〕

というメールだった。

なんでそんな面倒な事をしているのか....

なんのメリットもないじゃないか。

俺は取り敢えず〔了解〕と送り早足で水族館に向かった──

「あ〜、やっぱり暑いなぁ。いっそ、海にでも行きたいな」

海は割と好きだった。水の中にいると何故かすごく安心するのだ。

「やっと1人になりましたね。」

「その殺人犯みたいなセリフをやめろ。逃げたくなる。」

 聲が聞こえた方を向くと、案の定ミスラが居た。こいつが來るのは何となく察していた。まぁ來なかったら來なかったで良かったんだが。

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「んで?さっきできなかった続きをしに來たのか?」

「はい、そうです。最後の質問を」

「じゃあ早くしてくれ結を待たせているんだ。早く行かないとあいつが干からびる」

「それは大変ですね。あとで対処しときましょう。」

何を言ってるんだ?こいつは、対処といったか?飲みでも奢るとか?

「それでは、早めに要件を済ませましょう」

「あぁ」

「では、質問です。」

何故か手が震えていた。別にこれに答えたからって何になるでもないだろうに。何でだろうな。

「貴方は」

 そう言えば、今まで見てなかったから分からなかったけど、こいつ結構綺麗な顔立ちしてるんだよな。顔の割に目がキリッとしているというか。

ってかあれ?こいつ、こんなにでかかったか?もしかしたら、香山に匹敵するくらいの雙丘何じゃなかろうか。著痩せするタイプ....いや、俺か見てなかっただけだな。

 このミスラっていうも、まだ子供だ。不思議な子ではあるけども、年上なら年上なりに、ちゃんと耳を傾けてやらないとな。

と今この瞬間まではそう思っていた───

「──人間ですか?」

「....そりゃまたぶっ飛んだ事を言い出したな.......まぁいいか、人間だよ正真正銘。力も知力も全國平均。長も同じ。証明しろと言われればそんな當たり前のこと逆にしずらいがな」

「いいです。あなたが人間と言うのなら人間なのでしょう。そしてそれだったのならば、全ての條件は揃いました」

またチンプンカンプンな事を言い出した。

條件....?あぁそう言えばこいつ、何かに困ってたんだっけ。いちいち面倒な言い方するなぁ。絶対こいつ中學二年生だ。

「では、確認も終わったことですし、移しましょう。」

「はい?いや俺は──」

 最後まで言おうとした頃には、目の前がを覆い、意識が飛んだ。いつもの夢のようなやつと覚が似てるなと思った瞬間俺は、意識が強制的にシャットダウンした────

「おにぃまだかな〜」

 思ったより、早く祐が家に帰ってきてしまった為、慌てて家を出て待ち合わせのメールを送っていた。

「やっぱデートって言ったらこうじゃないとね〜まぁ出來れば私がし後から來たかったんだけどね。」

そんな結の格好はワンピースに麥わら帽子というとても爽やかな格好だった。今は木の下で祐を待っている。 

私はおにぃ。祐にこんなに好意を持ってる理由は手だけではない。ありふれたようなものだが昔祐が8歳で私が6歳の頃。私はお母さんがいっつも何か家の手伝いを頼む時は祐がお兄ちゃんだからと言って祐がやっていた。

 それが私にとっては頼られてないみたいで気に食わなくて。私でもできるんだと証明するために最近あ母さんが訪問販売がしつこくて困っているらしく、私はその人がどんな人か教えてあげようと思った。

 自分の特別な力も認められて萬々歳だと思ってた。だがその訪問販売の人と握手してみた。一瞬で分かったこと人は犯罪者だと。

 だからお母さんに教えようと思った。だがその犯罪者は私の目を見てなにか勘づかれたと気づいたんだろう。

 人とは前まで自分に向けられた視線というものには敏なのだ。すぐに私を車に押し込んであっさり私は攫われてしまった。私は廃棄された工場に捕えられ今にも殺そうと言うところでそれは來た。

 

 普通なら警察が來るものだ。だが來たのは祐だった。いや、祐ではなかったのかもしれない。その時の祐はあまりにも大人じみていて。強かった。犯罪者を気絶させると、祐はさっきの雰囲気とは違い、相を変えて私に駆け寄った。

 その時握ったおにぃの手はすごく真っ直ぐで、優しくてだけどどこかほんのちょっぴり悲しかった。

 そんなことがあり、私はそれ以降なんでもおにぃについて行った。お風呂の時、學校の時、眠る時、ご飯の時、テレビを見てる時、いつでも手を握って祐を観察していた。でもやっぱりどこまでも、真っ直ぐで全く変化が無い祐を見てし私は怖かった。この人の心の時間は本當にいているのかと。

 だけど祐はそんな心配を忘れさせるくらいいつも呑気だった。だから私はいつしか心配するのをやめた。

 やめて私がいつかおにぃの心の時計の針をかしてやると決めたのだ。それが出來るのはこの不思議な力を持ってる私だけだと疑わなかった。だから私がおにぃを支える。そう、何年かかっても───

「それにしても遅いな〜何してんだろ。後でアイス奢ってもらわなきゃね。」

「祐という方なら來ませんよ。」

「へ?」

いきなり聲を掛けられて驚いた結、しかも全く知らない人にそんなことを言われれば誰でもビックリする。

「えっと〜、あんた誰?」

「ミスラと言います。」

「いや、そういうことを聞いてるんじゃなくて、どういう事?おに...祐が來ないって。」

「いえ、ちょっと我々に協力させて貰っているのですよ。あの人はとても凡人でいて、とても弱く、とてもつまらなそうな人だったので。好都合だったのです。」

「は?ねぇ、あんたおにぃとどういう関係?」

「関係...ですか.....と言われましてもつい昨日會ったばかりの関係としか言えませんね。」

「ならおにぃの事見かしたように言うのやめてくれない?おにぃは自分の事を貶されても別に許しちゃうんだろうけどさ、あたしにとっては許せないことなの。」

「貶してる?私がですか?いえ、貶してなどいませんよ。私はあの人がそうであってくれて心底助かっているのですから。」

「だから、そういうとこが貶してるって言うのよ!」

結がミスラに手を出そうとする。それをミスラが難なくけ止める。だがそれは手を握る事によって相手がどんな相手か。また本人は気づいていないが相手が何を企んでいるのかまで覚的に分かる結には悪手だった。

「.....っ!?  あんたおにぃをどこにやったの?」

「はい?言ってる意味が々要領を得ないのですが。」

「なにしらばっくれてんのよ。おにぃをどこかに連れ去ったんでしょ?」

「おかしいですね。貴方のそれは人間の察知能力を大きく逸しています。こんな人間もここにはいるのですね。ですがそうと決まれば貴方は連れていけません。ではさようならもう會うこともないでしょう。」

ミスラはそう言うとに包まれて消えていった。

「ちょ...!?待ちなさい!!      噓....でしょ......おにぃ.......どこに行ったの....?」

 この事は、ニュースでも放送され全く足の摑めない神隠しのような拐事件となった。

───────────────────

どうも、作者です。

この語を見てくれてる方ありがとうございます。

実はこういうのを書くのは初めてで容の構には凄く迷いっぱなしです。自分的には書いててし回りくどいかな?とか思ったりもするのですが、どうでしょうか。

 これからどんどん改善していきたいので、コメント欄に意見を書いてくれると嬉しいです。

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