《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》30話 記憶

そこは凄く綺麗な草原だった。空はこれ以上ないってほど澄み渡っている。

風も心地よくて凄く寢たくなるような場所だった。

「ここは...夢?」

いつもの夢。そう佐野祐は思っていた。

だがいつもとはし違った。まずいつもの夢はこんな草原じゃなくて真っ暗な場所だ。そして決まっていつも知らないの人が話しかけてくる。

だがここはどうだ?周りには誰もいない。まるでこの世界に俺以外誰もいないような....そんな靜けさもある。

「まぁ普通の夢を見たって可笑しくはないか...」

可笑しくない?そんな訳あるか...

裕は自分で言ったことに対して反論する。

じゃあ俺は何で......

               何で、泣いてるんだ

***

目覚めるとまず暗い窟の天井が見えた。

多分これは夢じゃないな。

「目覚めて....くれましたか?」

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「....ミスラ」

「全く....怪我を負わないならそう言っください....死なないなら死なないって言ってください.....ひぐっ.......」

「なんで..泣いてるんだよ....」

今の自分の勢を見てみるとミスラに膝枕されていた。ずっとこうしていたのか....

「うるさいです...泣いてなんかいません..それに貴方だって泣いているではありませんか」

「え....?」

自分の顔に手を當ててみると確かに泣いていた。別に何も泣きたくなるようなことなんて無かったはずなのに....

「1時間くらいずっと泣いていましたよ。」

「1時間!?  うっそだろおい俺水癥狀で死ぬんじゃね?

「そこですか.....」

「というか俺そんなに寢てたの?」

「えぇまぁ軽く3時間ほど」

「3時間!?その間ずっとこれしてたのか?」

ミスラの言葉が正しければゴツゴツした巖の上で重りつけて3時間正座してたってことになる。

「貴方の顔を見てたらなんか平気でした。」

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「....あの...ミスラさん?」

「なんですか?」

...おかしい、誰だこの人。自分が何言ったのかにも気づいてないし。そして目に泣いたあとみたいに赤くなっててなんか完全に子供みたいだ。

「あの」

「な、なに?」

「なんであの時私を庇ったんですか....」

何を言われるかとヒヤヒヤしていたがそんなことか。それならもう言うことは決まってる。

「たとえ仮のだとしてもミスラはミスラだろ?それに死なないって言ったって痛いんだぞ?分かってるのか?」

「で、ですが貴方は死んだら!」

「生きてたじゃないか。」

「そ、そんなの結果論です!」

「でも生きてた。」

「ですけど....です....けどぉ......ひぐっ....ううっ」

「へ?」

「ぢがうもん!..ひぐっ....そういうごどじゃないんだもん!」

「い、いやごめんて!そうだよな。俺もし軽く考えすぎた!俺が悪かった!だか

ら泣くなって...!」

「祐が...!祐が悪いんだがらぁぁぁ!」

もうキャラ崩壊ってもんじゃないぞ....

どーすんだこれ....

***

暗い窟の中俺はミスラの背中をさすって宥めるというさっきと真逆のことをしていた。

「すみません。取りしました。もう大丈夫です....」

顔を見てみるとさっきのが相當恥ずかしかったのか。顔を真っ赤にして聲のトーンも何個か下がってる。

「ダメだね。ミスラはまだ無自覚にだけど震えている。もうしこうしておこう」

「い、いえ....本當に大丈夫で....」

ちょっと前に誰かさんが言っていたことをそのまま返す。

「「.........」」

そして特に話すことも無くなって二人とも無言になる。

そんな時間が3分ほど続き、ミスラが口を開いた。

「貴方は....私を恨まないんですか...?」

「え?」

「....だって私は.....貴方をほぼ強制的にここに連れ込んで、あなたの人生を、メチャクチャにしたんですよ...?」

「........」

「今までにも、私は貴方のように強制的に転移させた人がいました。そして転移させた人は、決まってこう言いました。『お前は神なんかじゃない。悪魔だ。』と」

その話をするミスラはまるで初めてあった時のようにを見せず、機械的に喋っていた。

「でもそれは世界を守るために仕方なく。なんだろ?」

「世界を守るために仕方なく犠牲がでた。なんて事は、自分の罪を正當化するための言い訳に過ぎません。そしてそんなのは誰も許しはしない。」

ミスらの言っていることはもっともだ。仕方ないで済ましていい問題じゃない。

それに例え世界が許してもミスラ自が、自分の事を許せないだろう。

「じゃあなんでそんな仕事をミスラがしてるんだ?他にもたくさんの神がいるんだろ?言い方は悪いかもしれないけどそういう仕事は、々と割り切っているやつの方が合ってると思うぞ。」

初めはミスラがを出さないのは恥ずかしがり屋なのかと思っていた。でもここに來てその理由がやっとわかった。

こんなに人から恨まれる仕事は、それくらいを殺さないとやっていけなかったんだ。

なら、尚更ミスラには合っていない。

「そうですね.....代われるなら代わってしいです......ですがそれは無理なんです。」

「......なんでだ?」

「神はそりゃ沢山いますよ。すごく偉大な神だって、意味のわからない神だって、ですけど、そんな神たちにも一つだけ共通していることがあるんです。」

「共通していること....?」

「はい......私たち神々はそれぞれに『役割』を持っているんです。」

「...どういうことだ?」

「例をあげましょうか。例えば知ってる人も多いと思われる天照大神などは、太。という『役割』を持っていてあのお方は全ての世界の太かし、照らしています。分かりますか?この意味が。」

「全て....俺の住んで世界の太だけではなく、この世界の太もその天照大神ってのがかしてるってことか?」

「えぇ、そういう事です。なのであのお方は絶対にいなくてはならない存在なのです。そしてあのお方の代わりは誰一人としていない。それは私も同じ....」

「なるほど....」

「私は転生の神。そして私の代わりはいません」

「....でも同じような『役割』をもつ神だっているじゃないか?」

「『役割』が同じというのは代わりになるというわけではありません。神は誰一人として欠けてはならないのです。前に言いましたよね。神は全知全能ではないと。ですがあの言葉には続きがあるんです。」

ミスラは話す。どこまでも機械的に。

「神は全知全能ではありません。ですが神々が1つになれば全知全能の神になるでしょう。    もっともそんなのは一人一人が神格を持ってしまっているのでもう無理ですが。」

「そっか」

「...話がズレすぎました......質問に答えてくれますか?」

「あぁ..............俺はな──」

俺は立ち上がるとミスラの前に移ししっかり見つめ合うように目を合わせる。

「──ミスラに...謝してるんだ。」

「え....?......何を...言って.....」

恨まれることはあれど、謝される事など萬に1つもないと思っていたミスラにとって、今の言葉は信じられないものだった。

「まぁ理解はできないだろうけどさ、何故かこの世界が自分にとって、凄く居心地が良いとじてるんだ。不思議な話だよな。」

「ぁ....」

ミスラは何かを思い出したように口を開き。

「そ、それでも.....多は前の世界に心殘りがあったはずです.....!」

「そりゃ家族とかには、もうし事を話したかったっていう気持ちはあるけどさ。でもミスラを恨むほどの事ではない。あ、一応言っとくが、別に俺は聖人君子って訳じゃないぞ?」

「......いっそ...」

「ん?」

俯きながらボソボソと話すミスラ。

「いっそ、恨まれた方がマシです......」

「言っただろ?俺は聖人君子じゃない。恨めと言われても恨まない。」

「なんで...そうなるんですか。」

ボソボソ聲は変わらないがしづつミスラの顔が明るくなってきた。

「だけどさ俺この世界のことまだまだ分からないことだらけだから、ミスラさえ良かったら.......サポート。してくれないか?」

「....私は貴方に何もしてあげられません。何の役にも立てません。それでも....いいんですか?」

「何言ってんだ。ずっと助けられてばかりだっての。あ、それと」

「?」

「今決めたことなんだけど、俺、邪神を殺すわ」

「え?」

倒すでもなく殺すといった。それを聞き、ふざけているのではないのだと気づく。

それでもなお、何を言っているのか分からず凍りつくミスラ。

「聞こえてなかったか?邪神を殺すって言ったんだ。倒すんじゃないぞ?」

「な、なんでそんな急に....!?」

「だって邪神殺せば魔王はいなくなる。そしてこの世界の住人は、安心して暮らせるようになる。そうだろ?」

「それは....そうですが...!前に言いましたよね......貴方がくと神々たちへの威圧が──」

「それ本當に神々は気にするのか?」

「え?」

「だってさ神王を殺せる力を手にれても神々全員でかかれば負けることはないんじゃないのか?」

「それは....」

「もしかしてその事をミスラに言ったのって神王だったりしない?」

「...どうしてそれを........」

本當にそうなのかよ.....勘弁してくれ...もう顔も知らない神王の印象はどん底以下だよ....

「神王は多分神々への威圧になると思って言ったんじゃなくて自分を殺せるほどの力を持った人が現れるのが怖かったからじゃないかなー....って.....」

俺がそう口にするとミスラは心底驚いた顔をして、その次の瞬間納得したような顔をした。

「.................あのクソジジィ」

「えっと...ミスラさん?今日ちょっとキャラ崩壊激しいですよ?」

「いいんです。もう貴方の...祐の前では取り繕う必要も無いでしょうし。」

「お、おぅ.....」

あれ?今の、なんか立ち位置おかしくね!?なんで俺が恥ずかしがってんの!?違うだろ俺!なにちょっとドキドキしてんの!?

「...顔が赤いですよ?大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫だ!ちょっとここ暑くてさ!それだけ!」

「....?あぁ、なるほど...ふふふっ」

なにお姉さん風に  ふふふっ  とか言ってんの!?さっきまで赤ちゃんみたいだっただろ!?

は切り替えが早いんですよ?」

「なんでこういう時に限ってエスパー発するかなぁ!」

「そういうのが好きだったんですか?」

「いや、そういう訳では...って話がズレるだろ!」

「むむ....まぁそうですね。それで?祐が邪神を倒す...いいえ、殺そうとする理由は、なんですか?まさかこの世のためとか言わないですよね?」

「それこそまさかだ。有り得ない。俺が邪神を殺す理由は一つだけだよ。世界なんて後付けだ。」

「それはとても気になりますね。世界より大切なことなのですか?」

「あぁ」

「......それは何ですか?」

ミスラは張しながらも祐に聞く。

「ミスラ、お前の『役割』を片付ける。」

何を言ってるのか分からなかった。

 今日は驚かされてばかりだったから、もう何を言われても驚かないと思っていたのに、ミスラは、何も言えないほど驚愕した。

 それが數十秒ほど続き。

「.....だから.......何を言ってるんですか、貴方は....本當に冗談じゃ済みませんよ?」

「冗談なんかじゃないさ。邪神を殺せばミスラは、なくともこの世界には、もう誰かを転生させる理由がなくなる。もう恨まれることもなくなる」

「私は...まだこことあと9つの世界を請け負っています...ここの世界の邪神を殺しただけでは...」

「ならその世界全ての元兇を潰してやる。何十、何百でも世界を救ってやるさ。」

「....バカ...です.....貴方は........」

祐は笑顔で私のことを見つめる。

「バカでいいさ。それで大切な人を守れるなら」

ここまで言ってくれる人の提案を拒むのは、もう私には出來そうにないです.....

「なら....まずはここを出ないと...ですね」

「あぁ、そうだな。じゃあ行くか?まぁダンジョンを出てからの方が大変そうだけどな?」

「はい」

笑みを浮かべて返事をするミスラ。

 そして祐とミスラは歩き出すその後ろ姿は前とは違って大きく見えた。

「ところで祐」

「なんだ?」

「そろそろ...ではないですか?」

「え?なに──」

何が?とは言えなかった。言う前にはあのスリープ狀態から解除された時にくる相當の経験値が痛みとともに俺を襲って気絶させたからだ。

────あぁ、次またスリープモードになったら今度は絶対バーサーカーになってやる。

そんな変な誓を立てながら気絶していくのであった。

──────────────

この語を読んでくださっている方々、いつもありがとうございます。

今回の章で30話になるわけですが1話から見直してみると結構ミスをしている事に気づきまして、ここで1度しっかり見返してから語を練ろうと思います。

なので次回はし更新が遅れるかもしれません。

これからもこの語を暖かい目で見守ってくれると幸いです。

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